
「スタンレーレディスホンダ」で今季2勝目を挙げた河本結(撮影/有原裕晶)
「この優勝の価値は大きい」

優勝を決めて、両手を高々と突き上げて喜びを表現した(撮影/有原裕晶)
圧勝だった。最終18番パー5は手前から2メートルのバーディパットこそカップをかすめたが、短いウイニングパットを沈めてV決定。両手を高々と突き上げて喜びを表現した。
優勝インタビューでは米ツアー勢に対する負けん気の強さをのぞかせた。
「アメリカから凱旋して帰ってきて(そういう選手たちと)一緒に戦えるっていうのはすごく幸せなことだし、勝てたことは自信になると思います。1打1打全力で目の前のできることをやっていこうという積み重ねが、こうやって優勝という結果になって本当にうれしい限りです」
この日はツアー制度施行後初めてという変則9ホールの戦いとなったが、短期決戦のセオリー通り先制パンチを浴びせた。1打差単独首位から出て最初の1番パー4で2メートルのスライスラインを読み切ってバーディ発進。変則競技のため1番の次は9番パー4。ここも2メートルを沈めて連続バーディを奪った。なおも攻撃の手を緩めず、4ホール目の11番パー5は奥カラーから8メートルをパターで決めてこの日3つめのバーディ。7ホール目の16番パー3では4.5メートルのバーディパットを決め、この時点で2位に4打差をつけて優勝をほぼ決定づけた。
「(米ツアーから)帰ってきた身として、JLPGAの意地を見せたかったっていうのはありました。私はこっちを選んでやっているけど、生半可な気持ちでやっていないよっていうのを示すためにも、この優勝の価値はすごく大きかったかなと思います」
ピンチもしっかりとしのいだ。15番は2メートルの微妙なパーパットが残ったが、落ち着いてカップのど真ん中から沈めた。
「ちょっと緊張しなくなっている自分が怖いっていう感情でした。15番のパーパットはめちゃめちゃ緊張すると思うんですけど、それもなく、目の前に超集中100%だったので、緊張がなかったんですよ。まったく自分のイメージ通りみたいな感じでした」

大勢のギャラリーが河本の組に注目した(撮影/有原裕晶)
この日は朝から濃霧による視界不良のためスタート時間が4時間遅れたが、動じることはなかった。
「車の中で寝たり本を読んだりしていました。いらない感情になるのが嫌だったので、この時間を無駄にしないで過ごすと考えたら寝るか本を読むかでした。今は『エッセンシャル思考』というのを読んでいます。今年の目標が60冊読むことなので」
初めての年間複数回優勝を果たし、メルセデス・ランキングは3位へ浮上。今季は各スタッツも平均ストローク3位、平均パット数(パーオンホール)2位と軒並み上位に入っているが、中でもパーセーブ率3位、リカバリー率1位、サンドセーブ率4位とスコアメークに必要な部門で躍進しており、逆転で初の年間女王に就く可能性は十分にある。
「(年間女王は)狙っています。もちろん。そういうタイトルも取って逆に海外組にも刺激を与えたいし、今もらってばかりなので、そういう気持ちはあります」
国内ツアーは最終戦の「JLPGAツアー選手権リコーカップ」を含めて残り7戦。「燃える女」が初の頂点を目指して、いよいよラストスパートをかける。
【動画】河本結のウイニングパット!(JLPGA公式Xより)
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