ゴルフを家族のコミュニケーションツールへ

スタッフは「祭」と書かれたはっぴを着て受付
本イベントは「普段ゴルフに関わらない家族やお子様も一緒にゴルフを楽しむ機会を創出したい」という、ゴルフ場スタッフの発案が起点。
イベントの最大の目的は、ゴルフを家族のコミュニケーションツールにすること。発案者であるコーススタッフの鮫島直美さんは、「私自身、子どもの頃は父親がゴルフに行くときに、ゴルフ場で何をしているのか全く想像がつかなかったんです。ゴルフというスポーツを知る1つのきっかけとして、ご家族全員で参加できるようなイベントを考えました。ゴルフは道具や技術レベルなど『入り口のハードルが高そう』というイメージもあります。そこで、『こういう気軽な施設もある』ことを広く知ってもらい 、ゴルフ人口の増加につなげたいという狙いがありました」。通常のゴルフ場ではなくやや短いショートコースから始めることでより気軽に散歩感覚で回れるというのもポイントだ。

左:東京相武カントリークラブ支配人の大庭彰人氏、右がイベント発起人の鮫島直美氏
「ゴルフ場では通常、プレーしない家族はコースへ同伴できないなど、家族全員での参加が限定的になってしまうという課題がありました。このイベントでは、プレーしない方もカートに同伴可能とし、普段ゴルフをしないお母様や祖父母も一緒にコースを回る機会を提供することで家族での体験の場を作りました。また、料金も『ファミリー1組(5名)』6600円(税込)に設定し、金銭的なハードルも下げています」。
スタート間隔も、通常の7〜8分ではなく、10分間隔とゆとりを持たせる徹底ぶり。初心者でも急かされることなくプレーできる環境を整備している。

家族みんなでゆったりとプレーできるのもこのイベントの醍醐味
イベント終了後には、非プレーヤーから「ゴルフ場ってこういう雰囲気」「芝の上を歩けて気持ちよかった」といった声が上がるなど、ゴルフへの興味喚起に成功。祖父母、両親、孫の三世代家族が一緒にコースに立つ姿もあり、企画のコンセプトが結実した瞬間だ。
石川遼に憧れる少年、遼優(リョウ)君

ティーショット中のリョウ君(小学4年)と弟のソウ君(小学1年)、運営スタッフがワードまで考案したビンゴゲームを楽しむ姿も
イベント参加者の石原さんご家族からは、ゴルフを通じた温かいエピソード。小学1年生からゴルフを始めたお子さん(小4の男の子、リョウくん)は、月に一度、ショートコースの練習会に参加。その腕前は周囲も認める上手さ。弟のソウ君も小さな体ながらダイナミックなスウィングでスタッフを驚かせていた。
「将来、ゴルフを仕事にしてほしい」という願いを持つお父さんは、石川遼選手が好きだったことから、お子さんを「リョウ」と命名(漢字は遼に『優』の字を添えたもの)。「石も一緒なんですよ」と語るお父さん。リョウくんにゴルフの魅力を聞くと「打ち方とか、球を打つのが楽しい」と早くもゴルフの楽しさに気づく。「今日の目標はお父さんに1ホールでも勝つこと」と、既に勝負師の目をしていたリョウ君だった。

ゴルフクラブ以外にもスナッグゴルフのクラブで楽しむことができる
イベント来場者の年齢層は幅広く、幼稚園や小学校低学年から高校生くらいの未経験者まで、家族と楽しそうに回る姿がとても印象的。小さい子はゴルフクラブが重くて振れないため、スナッグゴルフのクラブで12ホール回ることができる。※本来12ホールのショートコースだが、危険防止の観点から大きな池のある4番ホールは使用せず、11ホールでの営業
賑わいを呼んだホールアウト後のご褒美ゲーム

ビンゴが揃うと輪投げチャレンジが可能、ゴルフ帰りにお菓子を持って帰れる
当日は、計45組、小学生以下約40名を含む約153名が参加しました。12ホールのショートコースでは、家族でのプレーに加え、ビンゴゲームやワンオンチャレンジなど、子どもたちが夢中になるアトラクションが展開。
特に人気を集めたのが「ビンゴゲーム」。スタート時に配られたビンゴカードは、穴の空いたマス目分の回数でくじ引きできる仕組みだ。景品がもらえるこのくじ引きは、子どもたちに大好評。カードのマス目には、コース内の看板などに描かれたイラストをヒントにマス目を開けるなど、コース全体を使った工夫で子どもたちを楽しませていた。
さらに、スタッフがチェキを使って家族の記念写真を撮影し、その場でプレゼントするサービスも行っていた。「日頃ない価値」を形にして残せることも良い思い出になるだろう。
鮫島さんは、ゴルフ人口減少の課題に対し、今回のイベントを「ジュニアゴルファー育成の土台作り」と位置づけています。今後もカジュアルゴルフの推進に努め、誰もがゴルフを始めるきっかけとなる場を提供していく方針だ。





