
初日「66」をマークして単独首位に立った渋野日向子

7番パー5
渋野が自分で自分のスコアに目を丸くした。国内ツアーで首位に立つのは2021年樋口久子・三菱電機レディスで優勝した最終日以来。「自分でもちょっとびっくりして。だって久しぶりじゃないですか。どうしたらいいか分かんない」と喜びをジョークで隠して笑って見せた。
不振に悩まされた今季の渋野とは別人のようなプレーだった。1番パー5で8メートルのバーディパットを決めて大勢のギャラリーを沸かせると、2番パー4も7メートルを沈めた。これでいい流れを引き寄せ、6番パー4は第2打を引っかけ気味にグリーン左へ外したが、25ヤードのアプローチをチップインバーディ。7番パー5は第3打のアプローチを1メートルに寄せてバーディを奪った。
渋野日向子、6番のチップインバーディをチェック【JLPGA公式X】
@JLPGA_official post on X
x.com後半も3つスコアを伸ばし、迎えた最終18番こそ2.5メートルのパーパットがカップを1周して戻ってきてしまい、唯一のボギーとしたが、2位に1打差をつけて単独トップを死守した。
「(最後は)入ったと思ったんですよ。あんなに返ってくるとは思わなかったし、360度も回るとは。でも、自分の打ちたいところに打てたので、割り切りができる状態のパッティングだったかなと思います。今日は本当に自分が向けたラインに対して、しっかりリズムよく打つってところだけにフォーカスできました」
今季不振の要因のひとつは得意にしていたパッティングで、その解消のため、今大会前の14日に福岡市内福岡市の「エンジョイゴルフ ゴルフスタジオ&ラボラトリー福岡」の平田智コーチを訪ね、指導を仰いだ。平田コーチは菅楓華や都玲華も指導しているパッティングの専門コーチで、パッティングを科学的な角度から分析して指導することで知られている。この日はその効果が早々と出た格好だ。
「自分でもびっくりしています。もっと早く行けばよかったと思うし、もっと早く知るべきだった。ずっと自分で何を気をつければいいのか分からない感じでやっていたし、なんかもじもじしながら硬くなったり、小さくなったりしながらやっていたけど、それが明確になったのがいい結果につながっているんじゃないかと思いたい。これが今日だけかもしれないけど、すごく手ごたえは感じた」
2位に1打差首位で滑り出し、2021年樋口久子・三菱電機レディス以来4年ぶりとなる国内通算7勝目も視野に入ってくる。
「昨日言ったように、自分を信じて打つっていうのを(今日は)目標にしていたので、それは最後までやり切れたと思う。でも、まだ1日目だし、まだ2日あるから何があるか分からない。でも、やっぱりチャンスはつかみたいので頑張りたいです」
2019年AIG女子オープン優勝をはじめ、これまでも何度も「ミラクル」を起こしてきた。この日のプレーなら「今週も」のムードが漂う。いよいよ「渋野劇場」が始まるか、残り2日のプレーから目が離せなくなってきた。