2年ぶりに生まれ変わったヤマハ「RMX DD」アイアン。今回も3モデルが揃い、すべてに“軟鉄鍛造”というヤマハらしいこだわりが息づいている。打感、飛距離、やさしさ、抜けの良さ、適正な弾道——。アイアンに求められる性能がターゲットごとに緻密にチューニングされた仕上がりだ。目の肥えたアイアン通たちが口を揃えて高評価を下すという「RMX DD」。その実力を、弾道計測とコース試打で確かめた。

今回の3モデルは「RMX DD-1 TOURMODEL」「RMX DD-1」「RMX DD-2」。名前からもそれぞれの立ち位置が明快になり、性能差がよりわかりやすくなった。まずは概要を整理しておこう。

【RMX DD-1 TOURMODEL】
軟鉄鍛造焼きなまし製法による無二の打感。ツアープロもトリコにする

画像: RMX DD-1 TOURMODEL

RMX DD-1 TOURMODEL

軟鉄の一体鍛造ボディを“焼きなまし”製法で仕上げ、素材をより軟らかく、しなやかに変化させた。打点裏を肉厚に設計し、食いつくような打感を実現。重心をフェースセンターに極力近づけ、打点と重心が一致しやすくなることで、反発効率が高く、ねじれの少ない安定弾道を生む。
〔ロフト角 (#4:23度)#5:26度、#6:29度、#7:33度、#8:37度、#9:41度、PW:45度〕

【RMX DD-1】
打感・飛距離・寛容性を高次元で融合。幅広いゴルファーにフィット

画像: RMX DD-1

RMX DD-1

軟鉄鍛造ボディに反発性能の高いばね鋼フェースを採用(#4〜PW)。背面の樹脂バッジが打球音を整え、ソフトで手ごたえのある打感を実現。軟鉄ボディの内部に空洞を設けることで、番手ごとに理想的な重心設計を可能に。フェース裏面も番手別に偏肉化され、正確な飛距離差を生み出す。
〔ロフト角 (#4:22度)#5:24度、#6:27度、#7:31度、#8:35度、#9:39度、PW:44度、AW:50度、SW:56度〕

画像: RMX DD-1の内部構造。ミドルアイアン(左)、ショートアイアン(右)いずれも、ヘッド内部にポケットを設け、番手ごとの重心を最適化。ミドルアイアンのフェース裏は打点ブレに強い設計が施されている(ロングアイアンは高初速化を図るフェース設計)

RMX DD-1の内部構造。ミドルアイアン(左)、ショートアイアン(右)いずれも、ヘッド内部にポケットを設け、番手ごとの重心を最適化。ミドルアイアンのフェース裏は打点ブレに強い設計が施されている(ロングアイアンは高初速化を図るフェース設計)

【RMX DD-2】
やさしさと飛距離の両立。軟鉄鍛造でここまで飛ぶ!

画像: RMX DD-2

RMX DD-2

軟鉄鍛造ボディ&ばね鋼フェースに樹脂バッジという構造はDD-1と共通。ヘッドはひと回り大きく、寛容性に優れる。ややストロングロフトで飛距離性能も高い。センター重心設計で打点と重心を一致させ、反発効率と直進性を両立。番手別偏肉設計により、ロング番手では反発を強化し、ミドル番手では安定性を高めている。
〔ロフト角 #5:22度、#6:25度、#7:28度、#8:32度、#9:37度、PW:43度、AW:49度、SW:55度〕

画像: RMX DD-2の内部構造。ミドルアイアン(左)、ショートアイアン(右)いずれも、ヘッド内部にポケットを設けているのはDD-1同様だが、その容積は異なる。DD-1と同じくミドルアイアンのフェースには打点ブレに強い設計(ロングアイアンは高初速化を図るフェース設計)

RMX DD-2の内部構造。ミドルアイアン(左)、ショートアイアン(右)いずれも、ヘッド内部にポケットを設けているのはDD-1同様だが、その容積は異なる。DD-1と同じくミドルアイアンのフェースには打点ブレに強い設計(ロングアイアンは高初速化を図るフェース設計)

【共通するこだわり:V字ソールの抜けの良さ】

3モデルに共通する特徴が、V字に削られたソールだ。インパクト前後の地面との接地抵抗を軽減し、刺さらず、かつ跳ねにくい。スムーズな振り抜きと安定した弾道を両立。ソール幅やターゲット層に応じてバウンス角も最適化されている。

画像: 左からTOURMODEL、DD-1、DD-2。TOURMODELとDD-1は20度のバウンス角、DD-2はワイドソールに見合った10度のバウンス角だ

左からTOURMODEL、DD-1、DD-2。TOURMODELとDD-1は20度のバウンス角、DD-2はワイドソールに見合った10度のバウンス角だ

これら3モデルを、試打経験豊富な内海大祐プロがテスト。インドアでの弾道計測とコースでの実戦検証をそれぞれ実施した。まずは「RMX DD-1 TOURMODEL」から。

画像: 内海大祐プロ。正確なショットが持ち味。クラブテスト経験も豊富で性能の違いをつぶさに感じ取る。オールデイゴルフ所属

内海大祐プロ。正確なショットが持ち味。クラブテスト経験も豊富で性能の違いをつぶさに感じ取る。オールデイゴルフ所属

画像: 全打席にトラックマンを完備する「BRIGHTMAN GOLF&CAFE」(写真)でショットデータ計測、芝からの抜け感や実際の弾道の調査は「浅見ゴルフ倶楽部」で行った

全打席にトラックマンを完備する「BRIGHTMAN GOLF&CAFE」(写真)でショットデータ計測、芝からの抜け感や実際の弾道の調査は「浅見ゴルフ倶楽部」で行った

【RMX DD-1 TOURMODEL@インドア】
打感と弾道の一致感が絶妙。見た目以上にやさしいツアーモデル

画像: ツアープロが好むシャープな形状と軟鉄一体鍛造の心地よい打感のRMX DD-1 TOURMODEL

ツアープロが好むシャープな形状と軟鉄一体鍛造の心地よい打感のRMX DD-1 TOURMODEL

内海プロは「RMX DD-1 TOURMODEL」の形状に着目した。

「見た目はシャープなんですけど、ヒール側に高さがあってシビアさは感じません。このフェース形状はスクエア感を出しやすくて、テークバックでもフォローでもヘッドを真っすぐ動かすイメージが出る。結果、方向性が良くなりそうですね」

画像: スクエア感が強いので、ヘッドをストレートに動かすイメージが出やすい

スクエア感が強いので、ヘッドをストレートに動かすイメージが出やすい

打って最初に感じたのは“打感の深み”。
「深みがあって、フェースに食い付く打感は、かなり好感触。いかにもボールを操作できそうですし、実際自在に打てる、そして打ちたくなる。打点と弾道から伝わるフィードバックが明確なのは、さすが。意外だったのは5番アイアン。スピンが入って、落下角も十分。これならしっかりグリーンに止まるはず。想像以上に飛距離と高さが出るので、難しく感じません。つかまりがいいので、つかまえにいこうとする余計な動きも入りにくく、それが打ちやすさにつながります。でもショートアイアンはややつかまりが抑えられて、上級者が嫌がる左へのミスが起きにくい点も見逃せない。ツアーモデルなのに、かなりやさしい」

【RMX DD-1 TOURMODEL 試打データ】

画像: 5球以上打ち、ベスト3球の平均(計測はトラックマン・以下同)

5球以上打ち、ベスト3球の平均(計測はトラックマン・以下同)

【RMX DD-1 TOURMODEL@コース】
コースで実感。このやさしさはスコアにつながる

コースでは、TOURMODELが実際にやさしいことを再認識したと内海プロ。

「コースで打つほうが打音がより良く感じて、軟らかさを感じます。この感じ、上級者にはたまらなく気持ちいいはず。やっぱり、“これ、本当にツアーモデル?”と思うぐらいやさしい。5番でも思い通りの高さが楽に出せます。5、6、7番でどれも距離が変わらないという人は、番手間の飛距離のピッチも均等になると思います」

今回から採用されたV字ソールの感触はどうなのだろう。

画像: ラフからは特にV字ソールの抜けの良さが威力を発揮。「この抜け感、本当にすごい」(内海プロ)

ラフからは特にV字ソールの抜けの良さが威力を発揮。「この抜け感、本当にすごい」(内海プロ)

「ラフでわざと沈ませた状態で上から打ち込んでみましたが、ボールをきれいに拾い上げてくれました。抵抗がなく“つるん”と滑るので、距離の落ち込みも非常に少ない。ソールの抜け、素晴らしいです」

【RMX DD-1@インドア】
打感、やさしさ、つかまり、飛距離。すべてが高次元で融合

画像: シャープながらもトップブレードが厚めで安心感があるRMX DD-1

シャープながらもトップブレードが厚めで安心感があるRMX DD-1

続いて、真ん中に位置する「RMX DD-1」。5番、7番、9番の順で打ったが、内海プロは5番の飛び性能に舌を巻く。

画像: 「当たり負けないヘッドですね。中間のモデルでこのやさしさはちょっとびっくりです」(内海プロ)

「当たり負けないヘッドですね。中間のモデルでこのやさしさはちょっとびっくりです」(内海プロ)

「素直に飛ぶ。中間のモデルでこんなに楽に飛ばせるとは意外です。TOURMODELよりは多少弾き感が出ますが、それも比べなければわからない程度。軟鉄鍛造らしい食い付く打感です。7番はミスヒットへの寛容さが強い。ちょっと芯を外したな、と思っても、飛距離の落ち込みは少ない。手に伝わる衝撃も小さいので、打っていて疲れないです。9番までボールをしっかり包み込む感じがあって、ボールを右には逸らさない、というモデル。このDD-1が合うゴルファーは多そうですね」

【RMX DD-1 試打データ】

画像: 【RMX DD-1@インドア】 打感、やさしさ、つかまり、飛距離。すべてが高次元で融合

【RMX DD-1@コース】
インドアではわからなかったリアルな弾道の高さを実感

「RMX DD-1」のコース試打では、「RMX DD-1」のやや厚めのトップブレードによって、ヘッドが大きく感じ、安心感につながると内海プロ。そしてボールの飛びざまに驚いたという。

「コースだと高弾道なのがよくわかります。TOURMODELがスピンで上がる感じなら、こちらは打ち出しの高さ+スピンで上がる。予想している目線のその上をいくので、硬いグリーンでも止められそうです。でも球の強さもあるので、風にも負けません。打感はインドアよりはるかに心地よく感じられて、軟鉄鍛造そのもの。こだわりの強い上級者でもこれなら満足でしょう」

画像: 「TOURMODELに少しの弾き感をプラスした感じ。軟らかくて気持ちいい打感です」(内海プロ)

「TOURMODELに少しの弾き感をプラスした感じ。軟らかくて気持ちいい打感です」(内海プロ)

「RMX DD-1」のソールも、V字型に削られている。

「ソールが刺さらず抜ける感覚は確かにある。多少、芝を噛んでもインパクトでつっかかることがないので、弾道が揃います。結果縦の距離のずれが少ない。ラフでは、よりV字ソールの恩恵を感じました。TOURMODEL同様に、ソールの頂点部分がヘッドを滑らせてくれる。フライヤーもしづらいので、ラフからでも計算が立ちます」

【RMX DD-2@インドア】
ソフトな食い付き感の後に来る弾き感。ボール初速が速い

画像: ヘッドサイズが大きめでグース感のあるRMX DD-2。ワイドソールも特徴

ヘッドサイズが大きめでグース感のあるRMX DD-2。ワイドソールも特徴

最後は寛容性に優れ、飛距離も出るDD-2。内海プロは、他の飛び系とは一線を画すと言う。

画像: 「ロフトのわりに高さが出る。キャリーで飛ばせる飛び系ですね」(内海プロ)

「ロフトのわりに高さが出る。キャリーで飛ばせる飛び系ですね」(内海プロ)

「ヘッドが大きめで、7番のロフトも28度と立っていると、もっと弾くような打感、打音のものがほとんどですが、これは違う。一瞬軟らかく食い付いてそこから弾き飛ばす感じなので、コントロールできる安心感がある。セミストロングロフトで、スピン量は多くないけれど、一方で打ち出し角が大きいので、高さは十分です」

【RMX DD-2 試打データ】

画像: 【RMX DD-2@インドア】 ソフトな食い付き感の後に来る弾き感。ボール初速が速い

【RMX DD-2@コース】
やさしい、飛ぶ、上がる! 打っているうちに、どんどん好きになる

「RMX DD-2」は、プロには対象外のアイアンかと思いきや、コースではその評価が変化。

「ヘッドが大きめで、正直あまり興味がなかったんですが、コースでは打感も良く感じるし、やさしいし、楽に飛ぶし、安定するし……正直すごくいい。もともとつかまりのいいヘッドですが、つかまえにいっても、そんなに大きく曲がらず直進性が高い。打っているうちに、“このアイアンでいいじゃん”って思えるほど、気に入ってしまいますね」

画像: オフセンターヒットしても、パフォーマンスが落ちにくいのがRMX DD-2の真骨頂

オフセンターヒットしても、パフォーマンスが落ちにくいのがRMX DD-2の真骨頂

ソールの抜け感はどうだろうか。

「ラフからだと、ヘッドが大きい分、先の2モデルに比べれば多少芝の抵抗を感じますが、それでもしっかりボールにコンタクトできるし、振り抜ける。高さも出せるので、転がりすぎてしまうこともなさそうです」

スコア重視ならワンランク“やさしい”モデルがいい

「RMX DD」のアイアン3モデルを打った内海プロ。試打後の感想を聞いた。

「難しいアイアンを打ちこなすのも楽しいですが、スコアを考えるなら、ちょっとやさしいモデルを選ぶことをお勧めしたい。その点で、今回の「RMX DD」アイアンの3モデルは、それぞれのターゲット層に対してやさしさが備わっています。やさしさは人それぞれですが、それでも“ミスヒットに強い”、“ボールが上がりやすい”、“つかまる”、これは見るべきポイントです。さらに、いずれも“打感が良い”、さらに“抜けがいい”。ヤマハのこだわりと完成度の高さを感じました。個人的には、高弾道で飛ばしたい5番&6番をDD-2、安定して狙いたい7番&8番をDD-1、コントロールして寄せたい9番&PWをTOURMODELと組み合わせてみたいですね。スコアにつながりそうです」

画像: 「3モデルをコンボで使いたい」という内海プロ。RMX DDはアイアン1本からの購入も可能だ

「3モデルをコンボで使いたい」という内海プロ。RMX DDはアイアン1本からの購入も可能だ

内海プロの言葉を借りれば、「RMX DD」はまさに“打てばわかるアイアン”。数字の裏付けと実戦での信頼感、その両方を兼ね備えた完成度こそが、目利きたちを唸らせる理由なのだ。

PHOTO/Hiroaki Arihara、Tomoya Nomura、Takanori Miki 
THANKS/浅見ゴルフ倶楽部、BRIGHTMAN GOLF&CAFE

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