2025年11月1日と2日の2日間にわたり開催された「タイトリスト エデュケーションキャンプ」。道具の知識から戦略までを深めることができるイベントで、今年で2回目の実施となる。小学生から大学生まで、次世代を担う選手たち約80人が集結し、ゴルフ用品に関する正しい知識と、プロコーチからの最前線の情報を提供することで、ゴルファーとしての成長を力強く手助けすることを目的としている。今回は数ある講義の中から“ボール”に関しての知識を「みんなのゴルフダイジェスト」で紹介する。

◆プログラム一覧

【11月1日】
10:00~ 開会式
10:30 ゴルフボール講義
13:15 ゴルフボール性能体感/FJ講義
15:45 ウェッジ講義/FJフィッティング
19:00 目澤秀憲コーチによるTPI講義
20:30 終了

【11月2日】
8:00~ クラブ講義
9:00 パター講義
10:00 クラブ体感/ウェッジ体感/パター体感
14:00 コースマネージメント
16:00 閉会式

全てのショットで使う「ゴルフボール」を科学する

画像: ボールフィッティングスペシャリストの向井伸吾氏による解説(撮影/有原裕晶)

ボールフィッティングスペシャリストの向井伸吾氏による解説(撮影/有原裕晶)

キャンプ初日の目玉の一つが、タイトリスト“ボールフィッティングスペシャリスト”の向井伸吾氏によるゴルフボール講義だ。タイトリストは2000年にプロV1のテストをスタートさせて以来、各国で72%という高い使用率を誇るゴルフボールメーカー。講義では、「ゴルフとはスコアを争う競技であり、そのスコアメイクにおいて、全てのショットで使用する唯一のギアであるボールの重要性は計り知れない」と、ボールの重要性を語った。

“より遠くに”、“より正確に”、“思い通りに止める”機能。この3要素を実現するため、タイトリストのボールは製品特徴が細かく分けられており、スコアを作るために必要な性能として、スピン性能、飛距離、打感、弾道の高さが挙げられ、特にスコアリングにおいては、パーオン率を高めるための「グリーンでいかに止められるか」というスピン性能を重視すると話した。

タイトリストが推奨する正しいボール選び

画像: 左:『ProV1x』、右『ProV1』

左:『ProV1x』、右『ProV1』

ボール選びの重要性を理解したうえで、自分に合うボールのテスト方法を解説。アマチュアが陥りがちなドライバーからではなく、「プレーに最も大きく影響するフィーリングが大事なショートゲームから始め、次にアイアン(6番、7番)、そして最後にドライバーという順でテストを始めるべき」と向井氏。

ボールの構造についても詳しく解説があり、「Pro V1」のような3ピースや「Pro V1x」のような4ピース構造を紹介。飛距離と打感を決めるコア(エンジンの役割)は、大きければ初速が早くなる。また、性能を大きく左右するミッド(中間層)は、ドライバーのスピンを減らし、ウェッジ・アイアンのスピンを増やすという役割を担っていると解説。この性能を支えるのが「内側が柔らかく、外側に剛性がある」という内柔外剛の構造、そしてスピン性能を高めるウレタンカバーということだ。

安定した性能を引き出すためには?

画像: 向井氏による抗議の様子

向井氏による抗議の様子

弾道の高さを左右するディンプルの違い(大きさ、深さ、エッジの高さ、パターン)にも触れ、「ディンプルとスピン量の最適なマッチングが飛距離を生む」とのこと。

また、ボールを良い状態で使用するための知識も教えてくれた。ボールにとってのベストな温度は23度であり、暑すぎても寒すぎても飛ばない特性があるという。そのため、保管場所は温度変化の少ない直射日光を防ぐ場所、特に車の中は劣化が進むためNGと注意。また、使用するボールは1種類に決め、1年を通して同じものを使うべきだとも。

ボールの交換目安は、表面のクリアコーティングが剝がれても性能は変わらないが、傷が付いたら交換すべき。そして、タイトリストは全ボールにX線検査を実施しているため、プロ使用ボールと一般販売ボールは全く同じであるという事実も伝えられ、ロストボールでは長期間日光や水にされされている場合は性能が著しく低下していることもあるという。

受講者の中にはノートに書きこむ学生が多く、小学校低学年の男の子も「去年よりいっぱい書き込めた!」と親に伝える微笑ましい光景も見られた。「タイトリスト エデュケーションキャンプ」で得た学びを活かし、クラブや理論への理解を深めることが、ゴルファーとしての成長を力強く手助けするきっかけとなるに違いない。

◆参加した編集Hの感想

今回参加した編集H。もちろんボールの重要性は理解しているつもりでしたが、なぜボールに性能が異なるのか、なぜショートゲームやロングゲームのスピン量をボールでコントロールできるのかという疑問が、今回の講義を通じて理解が深まった。ボール選びはプロに限った話だと思いがちですが、我々はアマチュアだからこそ自分にあったボール選びは非常に重要だなと感じた、印象的な講義だった。

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