「OC」が意味するロートルクの新定義
今回、スコッティキャメロン史上最もフェースローテーションを抑制する構造として登場したのが「OC(Onset Center)」だ。これは、シャフトをフェースのリーディングエッジよりわずかに後方(Onset)、かつヘッドの重心線上(Center)に配置することで、「トルクを最小限に抑える」設計を指す。
パター開発シニアディレクターのオースティ・ローリンソンは、「OCの魅力は、フェースの開閉を最小限にしたいというゴルファーに理想的な選択肢を提供できることです。真っすぐ引いて真っすぐ出す――そんなスクエアな感覚を求めるゴルファーに最適」と、その直進安定性を強調する。
OCモデルは完全な「ゼロトルクパター」ではないものの、ストローク中のトルクを極限まで抑えた設計であり、既存のPhantomシリーズを含め、キャメロンの歴史上最もフェースローテーションを抑制する構造となっている。
スコッティキャメロンがロートルクパターを世に提供する理由として担当者は「市場データを見ると、ロートルクパター市場が急激に拡大しています。あるデータによると、日本市場では構成比39%、売上金額ベースで約25%を占めるようになっています。米国ではさらに40%程度まで拡大しているとも聞きます。ゴルファーのニーズがあるため、スコッティキャメロンとしても選択肢のひとつとして提供したいと考えています」と話す。
“プロからのフィードバック”を大切にするアクシネットジャパン インク。この「OC」モデルのプロ使用を確認すると、「25年『日本オープン』出場者のなかでスコッティキャメロン使用者は44名いました。そのなかで今回発表した『OC』モデルは4名です」とのこと。
人気モデルにOCテクノロジーを融合
新登場するのは、キャメロンの主力シリーズを代表する2モデルだ。

左が「Studio Style Fastback OC」、右が「Phantom 11R OC」
●「Phantom 11R OC」:
大慣性モーメントのマルチマテリアル構造を採用した「Phantom 11」をベースに、ツアーインスパイアの丸みを帯びたヘッド形状を採用。フェース全面には「チェーンリンク・フェースミーリング」が施され、ソフトな打音と確かなフィードバックを実現する。
●「Studio Style Fastback OC」:
2025年モデルの「Fastback」をベースにしたミッドマレット。303ステンレススチールと6061アルミニウムの複合構造が安定感と打感を両立し、SCS(スタジオカーボンスチール)フェースインサートにチェーンリンクミーリングを施すことで、ソフトな打感と滑らかな転がりを提供する。シンプルなシングルサイトラインが、クリーンな印象だ。
細部にわたる安定性へのこだわり
OCパターは、ヘッド設計だけでなく、シャフトやグリップにも安定性を高める工夫が凝らされている。

シャフトリーン角は1度と違和感なく構えられるのが特徴
● 最小限のシャフトリーン:
わずか1度のリーン角(ヘッドに挿さるシャフトの角度)で、ニュートラルなアドレスと自然なハンドポジションを再現。トップラインの見やすさにも配慮されている。
● ヘッド重量アップと専用シャフト:
標準モデルより15g重いヘッドに合わせ、専用設計のブラックシャフトを採用。しなり特性を最適化することで、打感を損なうことなくパッティングストロークとの一体感を高める。

スコッティキャメロンの“ロートルクパター”「Phantom 11R OC」と「Studio Style Fastback OC」
スクエアなストロークを追求するゴルファーにとって、ツアーで実証されたこの「OC」テクノロジーは、キャメロンのラインアップにおける新たな決定打となるだろう。
SCOTTY CAMERON OC パター 概要
| 製品名 | 主な特徴 | 価格(税込み) |
| Phantom 11R OC | フルフェース・チェーンリンクミーリング | 9万200円 |
| Studio Style Fastback OC | SCSインサート、ハイコントラストアライメント | 9万200円 |
| 共通 | OC(Onset Center)ロートルク設計、専用ブラックシャフト、マタドールグリップ |
● 発売日: 2025年11月14日(公式オンラインショップでは11月5日先行発売)
● 長さ: 33、34インチ
● ライ角: 70度
● ロフト: 3.5度
● シャフトリーン: 1度
