
TOTOジャパンクラシックで畑岡奈紗が今季日本勢7勝目を達成した(撮影/大澤進二)
今シーズン勝利しているのは、2勝を挙げた山下美夢有選手をはじめ、竹田麗央選手、西郷真央選手、岩井明愛選手、岩井千怜選手、そして畑岡奈紗選手の6名です。
実はこの「6名」による「7勝」は、どちらも“過去最多”の数字となっています。
まず優勝人数から見ていくと、2019年(畑岡奈紗選手、渋野日向子選手、鈴木愛選手)と、2024年(笹生優花選手、古江彩佳選手、竹田麗央選手)の3人が過去最多。6名が勝利している2025年は、過去最多の優勝人数に早くもダブルスコアをつけている計算になります。
また、今年勝利を挙げたうち、山下選手、竹田選手、そして岩井ツインズの4人はルーキー。日本人ルーキーが4人勝ったシーズンも当然ながら史上初となっています。
「ルーキーからベテランまで今季日本勢で7勝」とLPGA公式Xでも紹介
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x.comでは7勝はどうかといえば、これも過去最多です。これに次ぐのが1987年と2010年のシーズン5勝。1987年は岡本綾子さん4勝と森口祐子さん1勝、2010年は宮里藍さんが1人でシーズン5勝を挙げています。これに関していえば、「6人で7勝」もすごいけれども「1人で5勝」はすさまじい記録です。
2010年前後に日本中を熱狂させた“藍ちゃんフィーバー”。その頃ジュニアゴルファーだった世代が黄金世代となり、いまの日本勢大躍進の核となっていますが、それに相応しい活躍が数字として残っています。
そんな宮里藍さんが目標としてついに果たせなかったのが、メジャー制覇、そしてプレーヤー・オブ・ザ・イヤーの獲得。そして、山下美夢有選手はこの名誉あるランキングで2位にランクインしており、残り2試合の結果次第では1987年の岡本綾子さん以来となる日本人によるプレーヤー・オブ・ザ・イヤー獲得の可能性も残ります。
日本勢の活躍は、岡本綾子さん、宮里藍さんといったその時代のスーパースターによって牽引されてきました。2025年に起きているのは、スーパースターという“点”から、各自が傑出した能力を持つ複数の選手による“面”への変化と言えるかもしれません。
一人のスターの誕生は、時間差で大きな競技レベルの底上げをもたらすことがありますが、そのような大きなうねりが、ついにゴルフ界にも到来したような印象です。
シーズンは残り2戦。史上空前の記録をもたらした日本女子たちの活躍を、最後まで見届けましょう。
