神谷そら、苦手コースで不安を乗り越え首位タイ

富士通レディース最終日にて(撮影/岡沢裕行)
先週の結果からショットやパットに不安が残り、苦手意識を持つコースでのスタート。
「最終ホールのティーショットまでがちがち」という極度の緊張感の中でのラウンド。気温の影響による身体の動きづらさや、ティーショットでの逆球が出るなど、ターゲットが定めきれない状態が続いた。持ち球が十分に出ないからか、「ティーグラウンドから見えるのは半分くらいしかない」と、気持ちよく打てるホールが少ないイメージだと話す。
それでも7アンダーをマークした神谷は「入れたい距離はほとんど決められていた」と、パッティングがスコアに直結したと話す。パッティングに関しては、先週の気持ち悪さから少しずつ抜けてきた感覚があった様子をみせた。
去年と比べ成長した部分は、セカンドショットでグリーンを捉えることができている点。バーディパットを打つ回数が明らかに増え、今年のスタッツ平均バーディ数も去年と違う結果。特に昨年、62位だったパーオン率(65.7143%)を意識し、今年は14位(72.0120%)と大幅に向上。バーディパットの回数を増やそうと取り組んできた成果が表れた形だ。足首のコンディションは回復しているという。
スタッツ
【2025年】平均バーディ率:1位(3.93)※11月14日時点
【2024年】平均バーディ率:11位(3.55)
バーディ率は、各ラウンドのバーディ数をすべて合計し、ラウンドした回数で割った数値を指す。例えは、3ラウンドで12バーディの場合、平均バーディ率は「4」となる。
木村彩子、思い出の大会でリズム修正が奏功

富士通レディース最終日にて(撮影/岡沢裕行)
木村彩子も65を叩き出し、神谷そらと並ぶ首位タイ。15番のロングホールでわずかにチップした以外は、全てパーオンしていたという安定したショットで初日を終えた。
ここ数試合、ショットの不調が続いていたという。今週の練習ラウンドでキャディやコーチと試行錯誤を繰り返した結果、打つ前の素振りでトップで一回止まる動作を取り入れたところ、ショットが安定。左に行くミスが多かった原因は、スウィングではなく切り返しのタイミングの問題だったと話す。
コースはグリーンが止まりやすかったものの、バックスピンで戻り過ぎる箇所があったため、大きいクラブで距離を合わせるなど、スピンコントロールを意識したマネジメントを意識。
複数回優勝を意識しており、2勝目を経験したことで「かなり自信になりましたし、より自分のゴルフが良くなったというか、試合してる自分がすごい好きになりました」とコメント。ゴルフを始めたきっかけがこの伊藤園の試合を見に来たこと、宮里藍選手のサインする姿に憧れたのが始まりという、思い入れのある大会での好発進。ビッグスコアが出るセッティングだからこそ、明日以降も気を引き締めてプレーを続けると意気込んだ。
佐久間朱莉はフラストレーションが溜まる初日に
賞金女王はほぼ確実といえる佐久間朱莉は69の3アンダーで28位タイスタート。
チャンスはたくさん作れたものの、「なかなか決まってくれなかった」と、フラストレーションが溜まる一日。それでもノーボギーでプレーできたこと、17番でしっかりバーディを奪えたことは「最低限のゴルフはできた」と評価。目標の4アンダーには届かなかったものの、ゴルフの内容は悪くないため、明日以降の調整で「爆発的なスコアが出せる」可能性に期待。
週末の重みが増すこのトーナメントで、彼女たちがどんなドラマを見せてくれるのか。上位争いは勿論のこと、シード権争いも佳境を迎えているため、決勝ラウンドはより白熱した戦いになりそうだ。


