単一素材構造の軟鉄鍛造アイアンとして、多くのゴルファーに支持された初代TB-5フォージド(’ 21)。その愛用者たちの声をフィードバックさせて、やさしさを加味したNEW TB- 5フォージド(’ 2 5)は、さらなるヒット作となった。そのTB-5よりも「もっと、やさしいアイアンを」の大命題から生まれたのが、TB-3フォージドだ。“打感の軟らかさ”というフィーリングを備えた“究極のやさしいアイアン”の性能を探った。
今回、松本一誠プロの試打によって、TB-3アイアンの性能を探っていくが、その前にTB-3アイアンの詳細を見てみよう。
やさしさへのこだわり

構えやすいセミグースネック
「ナイスショットの良い打感・感触が次のナイスショットにつながる」、これは誰もが経験しているはず。だからこそフォーティーンは、“打感”もアイアンの大切な機能と考え、軟鉄の単一素材ヘッドにこだわってTB-3を作った。構えた時の見え方について「このグースネックはシャフトのラインとフェース面の向きがぴったり揃っているので、真っすぐピンに向けて構えやすく振りやすい顔です。右に逃げる感じがないのもいいです」(松本プロ・以下同)

スピードが落ちない形状
ヘッドサイズは、写真右の兄貴分のTB-5(’25)よりもわずかに大きい。「コンパクトさを感じさせない程度の大きさです。むしろ、これ以上大きいとアイアンとして振り抜き感やラフからの性能が落ちるのでベストサイズだと言えます」。特徴的なのがソール。TB-5(’25)に比べて、リーディングエッジ部分に滑らかな丸みと傾斜がついている。そしてソール全体がやや幅広い。「多少手前から入ってもスピードが落ちない、抜けの良さを確保した形状だと思います。フォーティーンらしい細やかな工夫で、やさしさをサポートしています」

TB-3のヘッドはTB-5(’25)よりも4グラム軽量。その軽さを生かすカーボンシャフトFT-70i、スチールシャフトFS-90iの2種類がある

TBシリーズの性能分布
TBシリーズのアイアン3モデルをゴルファーのヘッドスピードと弾道の高さで整理。TB-3はヘッドスピードが速くなくても扱いやすく、球が楽に上がりやすい性能だ
打ち比べて判明〝弾道安定感〞がやさしさだった

試打&解説
松本一誠プロ
1992年生まれ。レッスンプロにして2023年のロングドライブ競技日本チャンピオン。日本練習場連盟ティーチングプロ。今年10月「ISSEI Golf Labo」を横浜にオープン
スピン量と高さが超揃う!

【テスト方式】各テスト7球を打ち、上下2球を省いた5球の平均値を掲載。計測器はトラックマン、ボールはタイトリスト プロV1x
TB-3の7Iで2種類のシャフトとTB-5(25)の7Iの試打をした松本プロ。本人7割の力感に揃えてテストしてもらった。
「FT-70iというワンフレックスのカーボンを挿したTB-3から打ちました。驚いたのはスピン量と球の高さの安定感です。テスト7球のうち最多スピン量が6030、最少が5470回転。そして、球の高さは平均36.1ヤードと高く、高さブレは2.6ヤード。結果、キャリーのブレはわずか6.8ヤードです。グリーン上のピン中心で考えたら、すべて4ヤード以内のバーディチャンスです。この〝弾道の安定感〞こそ、やさしさの正体だと感じました」
機能面との両輪となる打感はどうだろうか。
「軟鉄鍛造らしい心地よい打感がずっと続きました。ソールの抜けの良さ、バックフェースの厚みや形状も、この打感につながっていると思います。ワッグルでも感じられる軽量感で、実際、このカーボンとの組み合わせが、同じ力感で振っていてもヘッドスピードが最も出ていました。『アイアンらしい打感と見た目の美しさは譲れない。だけど、高さと飛距離をもう少し』という人に試してほしいです」
次のテストはTB-3のスチールシャフトFS-90i仕様。シャフトスペックは90グラムのRフレックス。
「カーボンシャフトに比べて重い分、この重さに任せて、打ち急がずに〝イチ・ニー・サン〞のテンポの人に合う仕様だと思います。スピン量は200回転弱減りましたが、平均5500回転以上あるので、高さは変わらず出ていて(35ヤード)、飛距離もほぼ同じです。多少、重さを感じてクラブ任せで振りたいという人にはこのスチールがお薦めです」
最後にTB-5(’25)。FS-90iのSフレックスが装着されている。
「TB-3の後に打つと、マニュアル感が出ますね。このシャフトがSフレックスだからなのか、狙ってフェードが打てます。TB-5はそういう操作ができるアイアンです。飛距離は一緒、高さは34ヤードと少し抑えめ。重心距離が少し短いのか球のつかまりが良いので、それも操作感につながっています」

試打データ
ヘッドデータを確認すると、重心距離はTB-3よりもTB-5のほうがわずかに短かった。

TB-3よりTB-5のほうがやや重心距離が短く、「その分、操作性を感じられる」と松本プロ
「3つを打って思うのは、弾道の安定感と高さを求めるなら断然TB-3。操作性重視ならTB-5。そう整理すると、番手で切り替えるコンボセッティングも良いですね」
コンボもいいかも?5I~7IはTB-3、8I~PWはTB-5
松本プロのコンボセッティング提案によって、各アイアンの5Iもテスト。
「TB -3のカーボンは高さが38ヤードでキャリー219. 2ヤード。安定感の指標でもあるミート率は驚異の1.43でした。スチールシャフトは高さ36.7ヤードのキャリー215.8ヤード。TB -5は高さ35.7ヤードのキャリー213.1ヤード。高さとキャリーの安定とやさしさを考えて、5I・6I・7IがTB-3、操作性の良さを考えて8I・9I・PWがTB-5のコンボはいかがでしょう。両モデルともロフト設定、ロフト設定、ロフトピッチが同じ(5I/23度・7I/30度・9I/38度)なので組みやすいと思います」
イラスト/DARAken 写真/三木崇徳 協力/ISSEI Golf Labo



