
ジーノ・ティティクルと同組だった最終日。「今週は素晴らしかった」と満足した表情(PHOTO/Getty Images)
2025年シーズンを表現する一言は「粘り」
「今週は素晴らしかったです。もちろん、最終的な目標はトップでフィニッシュすることでしたが、リーダーが非常に先行していたにもかかわらず、常に追いつこうとしている感覚でした」と、コルダは最終戦を振り返る。
彼女は、この2025年シーズンを表現する一言を「粘り」だと述べた。
「多くの浮き沈みがあったと感じています。それが私を精神的に大きく成長させてくれましたし、成功は決して一直線ではないので、そのことにも非常に感謝しています」
昨年の圧倒したシーズンから一転、優勝という結果が伴わなかった今年、彼女は外部の雑音に耳を傾けることなく、「自分が最もよく知っていること、つまりすべてをシンプルに保つことに集中する」ことで、精神的なタフネスを培った。
コルダにとって、このシーズンで最も印象深い、そして最も打ち直したいと語る一打がある。それは全米女子オープンの18番でのショットだ。
「あのショットは本当にうまく打ちました。おそらく今年打った中で最高のショットだったと思いますが、アドレナリンのせいで、おそらく10ヤード長く、そして少し左に打ちすぎてしまいました。週の初めに『ここは絶対に行ってはいけない』と言っていた場所にいたんです」
何年も経験を積んだトッププロでさえ、アドレナリンが計算を狂わせる「解明しなければならない要素」であることは興味深い。「誰もがそれに対処していると思います。常に学んでいるんです。だからこそ、常に謙虚にさせてくれるのです」と、彼女はプロゴルフの奥深さを語った。
「負け」から学ぶチームの視点
結果が出ないシーズン、コルダを支えたのは、彼女のチームだった。彼女は、トーナメントの結果について、チームが与えてくれる「異なる視点」の重要性を強調する。
「ただ『勝てなかった』『トップ10に入れなかった』という実際の結果だけを見ているときに、彼らは『毎週の改善』も重要だと教えてくれます。特にショットが素晴らしいと感じているなら、その改善点を見るように促してくれます」
今週、最終ラウンドの11番では、ドライバーを右に外し、136ヤードからのセカンドをチップインでホールアウトするというハイライトを見せた。
「本当にクリーンに打ちました。(中略)この1年、パットがカップに蹴られることが多かったので、今年最後のラウンド、シーズン最後のラウンドであれが入るのを見て、良い気分でした」
【動画】ネリー・コルダがみせた11番バンカーからのチップインイーグル【LPGA公式X】
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x.comこのチップインイーグルは、彼女の「粘り」がシーズン最終盤に実を結んだ瞬間だった。
アニカの記録と女子ゴルフの黄金時代
最終戦では、ライバルであるジーノ・ティティクルがアニカ・ソレンスタムの持つ「単一シーズン最少平均スコア」の記録を破るという快挙を達成した。
コルダは「非常に驚くべきことです。(ジーノは)偉大な才能、素晴らしい選手です」と、ライバルの偉業を称賛。そして、「クレイジーですよね? 2002年の記録を破るのに、2025年までかかったということは。それは偉大な選手がそう頻繁には現れないということを示しています」と、その記録の重みを語った。
また、NBAのスーパースター、レブロン・ジェームズがコルダの投稿に反応するなど、女子ゴルフへの注目度が上がっていることについても言及。
「私だけでなく、ここにいる他のすべての素晴らしい女子選手たちに、ついに彼女たちの時間が訪れたこと、ゴールデンタイムのテレビに登場し、人々が私たちや私たちの技術に投資し、私たちが素晴らしいと本当に認識してくれるのは、とても楽しいことです。この流れが成長し続けることを願っています」
「CMEグループツアー選手権」では、3位に終わったが、この苦難の一年を経て、ネリー・コルダはプロとして、人間としてさらなる成長を遂げた。この「粘り」のシーズンが、彼女のキャリアを次の高みへと導くだろう。
