国内女子ツアー最終戦「JLPGAツアー選手権リコー杯」の最終日、首位から出た鈴木愛が6バーディ3ボギーの69でプレーし、同スコアで並んだ岩井千怜とのプレーオフの末、今季2勝目をメジャーで飾った。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が現地からのレポートをお届けします。

今シーズン最後の18ホール。正午発表の気温は18.7度、南の風0.8m/sと昨日までの予報よりも風は吹かずに穏やかな天候でスタートしました。首位に2打差から出た岩井千怜選手が出だしから3連続バーディで首位を捉えます。対して鈴木選手は出だしの3ホールをボギー、バーディ、ボギーとスコアを落としてスタートすると7番のバーディでスコアを戻し、9番から4連続バーディとアクセルを踏みます。千怜選手も6番でボギーとしますが、9番のバーディで7アンダーまで伸ばした鈴木選手に並びます。後半、鈴木選手は1打リードで迎えた最終18番。右のラフからの2打目をグリーン右のアゴの高いニアサイドのバンカーに入れるとピンを3メートル少しオーバーし、入れたら優勝のパーパットを残します。しかし、これを外してプレーオフに突入します。

画像: 「JLPGAツアー選手権リコーカップ」で今季2勝目を飾った鈴木愛

「JLPGAツアー選手権リコーカップ」で今季2勝目を飾った鈴木愛

プレーオフ1ホール目のティーショットは鈴木選手が右のラフでしたがライは良く、千怜選手はフェアウェイに着弾するも転がってファーストカットとラフの境目に止まります。鈴木選手はグリーン右奥に外し、千怜選手はグリーンエッジ手前のラフと3打目勝負になります。上りの逆目を1メートル弱に寄せた千怜選手に対して、速い下りを残した鈴木選手は同じく1メートル弱に寄せ両者パーでホールアウトし2ホール目に向かいます。

プレーオフ2ホール目は、鈴木選手はまたもや右のラフ、千怜選手は左の林に打ち込むもフェアウェイに跳ね返って来ましたが残り240ヤードあまり。2打目はグリーン左手前のラフまで届かせ、モグラの堀った穴から救済を受けた3打目はピンをオーバーしカラーまで転がります。

グリーンエッジを越えた位置に乗せた鈴木選手は手前から22ヤードに切られたロングパットをピン奥1メートル弱に寄せると、この下りのパットを決め今季2勝目、通算22勝目をメジャーで飾りました。

画像: 岩井千怜との2ホールに及ぶプレーオフ制した

岩井千怜との2ホールに及ぶプレーオフ制した

初日を2アンダー8位タイで終えた後の囲み取材で「こんなに難しいのにの(グリーン)に乗せてもギャラリーの拍手がない」とボヤいていましたが、2日目を首位から1打差の2位タイで終えた後の囲み取材では、その記事を見たギャラリーからたくさんの拍手をもらえたようで笑顔で取材対応した姿が印象的でした。

最終日はまさに粘り強いプレーでグリーンを外してもパーを拾い、ボギーを打ってもバーディを取り返していました。最終ホールのボギーパットを沈めるまでリーダーボードは見ていなかったと言い、ギャラリーの反応からプレーオフなんだな、と感じていたそうです。

優勝会見では、「アメリカで活躍している選手がたくさん来ていたので、自分の順位が下がるやん。と思っていたので、まさか自分が一番上に立てるとは予想もしていなかった」と話し、その予想を上回った要因を聞くと「連続ボギーを打たなかった。自分の得意とするショートゲームで切り抜けられたことが大きかった」と答えてくれました。

そのショートゲームについては練習日の月曜日にレジェンド中嶋常幸さんと9番ホールで出会い、ラフからのアプローチが難しいと話すと「PWを開いて少し上に向けて打つと簡単だよ」と教えられ、それまで54度や58度のウェッジ打っていたラフからのアプローチをPWで打つという中嶋常幸さんからの金言が勝利につながったと教えてくれました。

画像: 練習日に中嶋常幸から「ラフからはPWを開いて打つ方が簡単だよ」と教えられパーセーブにつなげた

練習日に中嶋常幸から「ラフからはPWを開いて打つ方が簡単だよ」と教えられパーセーブにつなげた

9月以降5戦連続を含む6度続いた予選落ちは「今までで一番しんどかった」と振り返ります。しかし「最大の目標は永久シードの30勝。35歳までに30勝を挙げるためには1年で2勝を挙げなければならない。その意味でもこの1勝は大きい」と31歳のシーズンを年間2勝、メルセデス・ポイントランク6位で終えました。

画像: 今季初優勝者から4勝を挙げた佐久間朱莉が年間女王に輝いた

今季初優勝者から4勝を挙げた佐久間朱莉が年間女王に輝いた

JLPGAツアーはこの試合を持って1年間のシーズンを終え、佐久間朱莉選手が年間女王を戴冠しました。優勝者は29名(うち初優勝者が12名)、複数回優勝は佐久間朱莉の4勝、2勝に神谷そら、河本結、鈴木愛選手の4名となりました。2年目の菅楓華選手はランク4位、ルーキーの荒木優奈選手は7位と躍進しました。選手たちはこのあと12月はスポンサー関係のイベントで休みなく活動し、短いオフを過ごし年明けからオフのトレーニングや練習が始まります。

過ぎてみればあっという間の今シーズンでしたが、来年3月の開幕戦からは今年のプロテストに通過したルーキーも登場するはずです。今シーズンを振り返りつつ来シーズンどんな選手が活躍するのか、楽しみは続きます。

写真/岡沢裕行

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