今回ピックアップするのは勝亦悠斗選手。今シーズン、ACNツアーの『ジャパンクリエイトチャレンジin雷山』でツアー初優勝を飾るなどの活躍で、来シーズンのレギュラーツアーの出場資格(前半戦)を獲得しました。そして特筆すべきは2025シーズンのフェアウェイキープ率1位に輝いたこと。9年連続タイトル獲得中だった稲森佑貴選手の10年連続獲得を阻んだ男を掘り下げます。
画像: 勝亦悠斗‐Katsumata Yuto。1994年31歳。明治大学4年の2016年にプロ転向

勝亦悠斗‐Katsumata Yuto。1994年31歳。明治大学4年の2016年にプロ転向

GD 今シーズンお疲れ様でした。初優勝もあり良いシーズンだったのでは?

勝亦 そうですね。とりあえず来シーズンのレギュラーツアーの出場資格を得られたので、シーズンを通しての課題をしっかり克服して開幕を迎えたいと思っています。

GD 勝亦選手がゴルフを始めたのは何歳の頃ですか?

勝亦 10歳の頃に遊びの延長でやり始めました。その頃はミニバスケのチームにも入っていたので、バスケをやりながらやっていた感じです。

GD ゴルフにのめり込んでいった理由は?

勝亦 小学校の5年か6年の時に、JJGA(日本ジュニアゴルフ協会)の地区予選だったと思うんですが、その試合に出たときに123を打ってビリかビリから2番目だったんです。まあ、たいして練習もしていなかったので当たり前なんですが、それで悔しくなって、ゴルフへの熱が入ったんですよね。

GD 中学、高校は地元の富士市ですか?

勝亦 はい。ゴルフをするために県外に出ることも考えたんですが、地元の公立高校がスポーツに力を入れていて、それで自分がゴルフをやっているっていうことを知ってくれていたみたいで、入学と同時にゴルフ部を作ってくれたんです。

GD 当然、部員は一人ということですよね?

勝亦 はい。1年生の時は1人で、2年生からは女子の部員が一人入りましたけど、基本的には個人活動なので、部活という感じではなかったですね。

GD そこから大学へ進学?

勝亦 はい。明治大学へスポーツ推薦で入りました。

GD 他の大学への選択肢はあったんですか?

勝亦 そうですね。迷った部分はありますが、言い方は悪いんですが、ゴルフがダメでも潰しが効くような大学へという考えはありました。もちろん、高校に入る頃にはプロを目指すという気持ちでゴルフはやっていたんですけど、甘くない世界ということもわかったうえで、ポジティブにゴルフだけではない人生も視野に入れていました。そういう考えもあったので、自分の中ではプロテストを1回で受からなかったらやめようと思っていました。プロテストを1回で受からないようならQTも通らないと思っていたので。

画像: 稲森選手と同様、ドライバーが曲がらないスタイル

稲森選手と同様、ドライバーが曲がらないスタイル

GD なるほど。ある意味で、自分の中でしっかり線引きしてプロを目指していたわけですね。今年の話に戻ると”初優勝”となんといっても”フェアウェイキープ率1位”という称号は大きかったのでは?

勝亦 そうですね。まさか自分が獲れるとは思っていませんでした。カシオでは稲森選手と同組でプレーしたんですが、そういう話もしました。

GD どういう会話ですか?

勝亦 やっぱり稲森選手は曲がらないなと思いましたし、向こうもそう思いながらプレーしていたみたいです。いつも同じところから2人で打つものだから、キャディはつまらないって話していました。

GD 昔から曲がらないスタイルだったんですか?

勝亦 そうですね。よく練習させてもらっていたコースが割とタイトで、関西っぽいコースというか、ティーショットで曲げられないコースだったので、そこで育った影響はあると思います。自分自身も曲がらないことは強みだと思っています。

GD 稲森選手は同級生ですよね?

勝亦 はい。向こうは高校を卒業してプロになっているので、学生の頃に接点はなかったんですが、稲森選手が第一線で活躍してくれていたからこそ、ここまで続けられていると思っています。同じスタイルというか、曲がらないゴルフでも戦えることを証明してくれてきたから、自分も頑張れたと思っているんです。

==

来シーズンはまずはシード権をしっかり確保することが目標だという勝亦選手。レギュラーツアーで曲がらないゴルフがどれだけ通用するのか、また稲森選手とのフェアウェイキープ率争いも見ものです。

TEXT/出島正登
PHOTO/姉崎正

関連記事はこちら

This article is a sponsored article by
''.