地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

連載87回目は、本試打企画6回目に掲載されているザ・クラブワークスの村上宏貴さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回は「24ベンタス HB」×「Xspire Titanium UT iron」がオススメとのこと。

工房店主の村上さんが特徴を語る

「ご紹介するのはムジーク製『XSPIRE TITANIUM UT IRON』に、注目度の高いフジクラ製シャフト『24ベンタス』ブラック、ブルーを組み合わせたユーティリティ型アイアンです。この新作ヘッドは、以前すごく売れたムジーク『ICE TITAN UT』の後継モデルです。ヘッドは安心感のある厚みとブレード長で、リーディングエッジが落とされていて地面に刺さらず、抜けが良くなるよう改良されています。前作よりストレート気味な顔つきなので、つかまりを若干抑え左へのミスを更に減らしていますし、グースネックが苦手な方にもおすすめできるクラブです」

画像: 「24ベンタス HB(BK:9X)」×「Xspire Titanium UT iron(3番:21度)」

「24ベンタス HB(BK:9X)」×「Xspire Titanium UT iron(3番:21度)」

「シャフトはちょっとハード目なブラックの9X、一般的なスペックのブルーの8Sを用意しました。ブルーは手元に粘りを感じるものの、インパクトにかけてしなり戻ってくるので、程よいつかまり感があります。一方、ブラックはフレックスがXということもあり、先端剛性がとても硬く、左へのミスを消してくれるような効果が期待できます。カーボンはスチールより質量がありますので、100g~120gのスチールシャフトを使っている方は違和感なく取り入れることができると思います。余計な動きをしないシャフトですので、プレーヤーの打ちたい弾道を再現しやすいと思います。数字だけ見るとちょっとハード過ぎるように感じますが、スチールでは球が上がらなくなった方、弾道と飛距離を伸ばしたい方に打っていただきたいですね」

「24ベンタス HB」×「Xspire Titanium UT iron」の印象を堀越プロに聞いた

「今回はカスタムクラブの中でも人気の高いムジークのユーティリティ型アイアン『Xspire Titanium UT iron』の3番、4番アイアンを試打します。バックフェースには軽量なABS樹脂を装着し不要な振動を抑え、ボディには航空機グレードとも言われている軽量で強度の高い『8.1.1チタン』を使用しているそうです。フェース部分は2.5㎜と肉薄にすることによってドライバー並みの反発性能を実現し、弾き感と高初速を狙って設計されているそうです。ソールにはトウ・ヒールの各1箇所に可変ウェイトが配置され、ボールのつかまり具合と弾道、そしてバランス調整ができるのでカスタム性の高いヘッドとなっています。見た目はやや大きめのヘッドシェイプながら、アイアン型ユーティリティ特有のグースを抑えた精悍なフォルムをしていますが、アイアンの流れを考えて設計されているからか非常に構えやすいです。シャフトは国内外で大人気のフジクラ『24ベンタスHB』で、4番にはブルーの8S、3番にはかなりハード目なブラックの9Xが挿してあります。9Xは本来ヘッドスピード50m/s前後は欲しい所ですが、試しにいつも通りのスピード帯で打ってみましょう」

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

実際に試打を開始!※ドライバー換算HS42m/sの試打データ

まずは4番から試打を開始。「フェースが薄く設計されているとのことでしたが、バックフェースのABS樹脂のおかげ弾き感はあまりなく、しっかり球を押し込む感覚がありました。ですが打った球の初速は速く、球も簡単に上がってくれますね。重心距離が長めでフェースターンが過度に起きないので、方向性も抜群に安定しています。シャフトの『24ベンタスHB BL』は全体が程よくしなるため、タイミングが取りやすく万人に合うシャフトだと思います。切り返しの粘りも程よく、しなりを効果的に使ってボールを運んでいけるイメージが湧きますね」

そしてとてもハードに思われた3番(9X)を試打すると予想外の結果が……。

「すごく打ちやすくて驚きました。数字で『9X』となると身構えてしまうのですが、実際に打ってみるとスチールのような安心感と、カーボン特有の球の上がりやすさがマッチして意外と楽に打つことができました。ブルーの8Sは効果的にしなりを使っていましたが、9Xはしなりを最小限に抑えられ、自分の意図した通りにシャフトが下りてくるようなマニュアル感が秀逸なシャフトです。アイアンに軽いシャフトを挿している方にはやや重たいかもしれませんが、DGやモーダスなど100g前後を使用している方にとっては90g台のベンタスは試す価値があると思います」

3番(21度)×24ベンタスHB BK(9X)

●キャリー/182.6Y
●総飛距離/193.1Y
●スピン量/4023rpm
●落下角/41.1度

4番(24度)×24ベンタスHB BL(8S)

●キャリー/179.3
●総飛距離/187.0Y
●スピン量/4202rpm
●落下角/42.0度

総評

画像: 「シャフト、ヘッドの特性が上手に組み合わさり、非常に考えられたクラブでした」(堀越)

「シャフト、ヘッドの特性が上手に組み合わさり、非常に考えられたクラブでした」(堀越)

「今回の『Xspire Titanium UT iron』×ベンタス『24ベンタス HB』の組み合わせは、それぞれのテクノロジーが組み合わさり、アイアンの正確性とユーティリティの寛容性が融合した1本でした。球自体は3番でも落下角41度台をキープする安定感がありましたので、長いパー3でも活躍してくれると思います。そしてシャフトとの組み合わせが抜群に良く、やや球を上げやすいブルーと、スチールのような振り心地にカーボンのやさしさを足したブラックと、はっきりした設計の違いが感じ取れました。アイアンの流れで使用することを想定されていると思いますので、ご自身のアイアンシャフトの重量、キックポイントなどを参考にシャフトを選ぶとより安定して長い番手が打てると思います。ハードスペックが良いわけではありませんが、今回のように意外と打ちやすいこともありますので、是非工房で試打することをお勧めします」(堀越プロ)

THANKS/クレアゴルフフィールド

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