
首位と2打差の5位に浮上した蟬川泰果。爆発力のある選手なだけに、最終日の逆転優勝の可能性は大いにある
「鬼門」の3日目を制した修正力とパット
蟬川にとって、3日目は「鬼門」と意識していた一日だった。しかし、この日はスタートからエンジン全開。前半でスコアを伸ばし、後半も12番で左ラフからピン上2メートルにつけてバーディ、さらに16番では7メートルのスライスラインを「ジャストタッチで完璧に打てた」とねじ込み、バーディを重ねた。
好スコアを支えたのは、前日の反省を生かしたスウィング修正だ。「フェードイメージで打つと少し球が安定してきた。今日は真っすぐ打つ時もフェードイメージのスウィングでやっていた」と、自身の感覚を微調整し、ショットの安定感を取り戻した。
| 指標 | 3Rのスタッツ | 3Rのスタッツ順位 |
| 平均パット | 1.6923 | 7位 |
| パーキープ率 | 94.444% | 1位 |
スタッツを見ると、この日はパーキープ率が全体1位でショットとパッティングが噛み合ってきていることを示唆しており、この調子でいけば、明日は爆発的なスコアも期待できる。
史上最年少での大会2勝目、そして賞金王へ
2023年の本大会覇者である蟬川。もし今回優勝すれば、24歳330日での大会2勝目となり、尾崎将司の持つ最年少記録(25歳300日)を更新する快挙となる。さらに、今季2勝目を挙げれば、賞金王のタイトルも現実味を帯びてくる。
「自分でも3日目が鬼門だと思っていたので、3日伸ばしたので、後は最終日やり切るだけかなと思います」
16、17番でのティーショットのブレを「イーグル取ればとか考えていたので、ちょっとそのしびれが来たかな」と振り返るほど、勝利への渇望は強い。
逆転賞金王には優勝が絶対条件。首位との差はわずか2打。「上との差はだいたいこれくらいかなっていうのは感じていた」と冷静に状況を見極める若き怪物が、最終日の東京よみうりCCでドラマチックなフィナーレを演出する。
撮影/姉崎正
