男子ゴルフの今季国内ツアー最終戦(第25戦)「ゴルフ日本シリーズJTカップ」最終日が7日、東京都稲城市の東京よみうりCC(7002ヤード、パー70)で行われ、23歳の金子駆大が今季の獲得賞金額を1億2023万円余とし、初の賞金王に輝いた。金子は3打差6位から出て3バーディ、4ボギーの1オーバー71と伸ばせず、通算4アンダー7位にとどまったが、前週までの賞金ランキング1位を守り切った。23歳での戴冠は石川遼、松山英樹に次ぐ史上3位の年少記録となった。28歳の小木曽喬が通算13アンダーでメジャー初優勝を果たした。
画像: 2025年の賞金王に輝いた金子駆大(撮影/姉崎正)

2025年の賞金王に輝いた金子駆大(撮影/姉崎正)

金子がビッグタイトルをつかんだ。

スタート直後の1番パー4、2番パー3で連続ボギーをたたいたが、9番パー4でこの日初バーディを奪って流れを変えた。13番パー4、14番パー4でもスコアを伸ばし、最終的には7位に食い込んだ。今大会優勝なら逆転の可能性が残っていた蟬川泰果が15番パー3でトリプルボギーを打った時点で事実上のタイトル奪取が確定した。

「残り3ホールくらいでいけるかなと。終わってからやっと『終わった!』と思いました。ここから海外にいけるので、やっとスタートラインに立てたかなと思いました」

今季は5月の関西オープン選手権でツアー初優勝を果たし、11月の三井住友VISA太平洋マスターズで2勝目を挙げた。今季はこの2勝のほか日本プロゴルフ選手権、BMW日本ゴルフツアー選手権森ビルカップなど5度3位を記録し、賞金を積み上げた。

「(今季は)やっぱりコーチ陣、トレーナーなどいろいろな方のサポートがあったので、結果につながったと思います。今年はまず優勝するという目標を達成。今年中に2勝目もできたので、まだ来週(米ツアー最終予選会)もありますけど、いいシーズンを送れたのかなと思います」

高校3年だった2020年のプロテストに合格。23年に賞金ランク54位に入って初シードを獲得した。昨季は同ランク14位に躍進し、今季の大躍進につなげた。

「去年よりパッティングがよくなりました。そこが一番大きいかなと思います。今年から毎日同じストロークができるように、いろいろな練習器具を使っています。プレッシャーがかかったときに同じパフォーマンスを出せるかというところを重点的にやったので、そういうところが大きいと思います」

画像: パーキープ率1位の金子(撮影/姉崎正)

パーキープ率1位の金子(撮影/姉崎正)

今季の活躍を裏付けるようにスタッツ各部門では軒並み上位の数字が並ぶ。平均ストロークは2位、パーキープ率1位、平均パット、フェアウェイキープ率はともに10位で「(他の選手に負けないところは)ミスしても曲がらないことですね。パーキープ率はパッティングもですけど、マネジメントですね。難しいところに行ってしまうとパーを拾うのが難しいので、自分の頭もよくなったのかなと思います。自分がツアーに出ていく中で経験して何が必要かを考えています」と自己分析した。

この日メジャー初優勝を果たした小木曽とは同じ愛知県出身。前夜は夕食をともにしたそうで「僕がツアーに出る前からかわいがってくれて、お兄ちゃんみたいな優しい先輩です。昨日一緒にご飯を食べたとき『優勝してください』と言っていたので、よかったです」と自分のことのように喜んだ。

男子ツアーは来季からポイント制度に移行するため、賞金王のタイトルは今季が最後となるが、来季は11日から始まる米ツアー最終予選会(フロリダ州)を通過すれば米ツアーを主戦場に、通過できなかった場合は出場資格を有するDPワールドツアー(DPWT)に参戦するため、2年連続の「年間王者」を狙うつもりはない。

「来週5位に入ればPGAツアーに出られるので、そっちに行きますし、入れなければDPワールドツアーに行きたいと思います」

23歳の若武者がビッグタイトルを弾みに、いよいよ世界へ打って出る。

This article is a sponsored article by
''.