ゴルフ界はいよいよ年末を迎え、新たな才能が台頭する舞台と、男女混合のユニークな大会が幕を開ける。今回は、来季のPGAツアー出場権をかけた「PGAツアー Qスクール最終予選」と、男女トッププロがペアを組む「グラントソーントン招待」の2つの大会にスポットを当てる。本大会を配信するU-NEXTが丸山茂樹プロとの名コンビでお馴染み・杉ちゃんこと杉澤伸章キャディに見どころを詳しく聞き「みんなのゴルフダイジェスト」に寄稿してくれた。大会の注目ポイントをおさらいしよう!

夢を掴むのは誰だ? PGAツアー Qスクール最終予選がスタート!

PGAツアーの2026年シーズンの出場権をかけた、PGAツアー Qスクール最終予選が、いよいよ始まる。

「Qスクールは、まさに夢への切符をかけた戦いです。トップ5に入ればレギュラーツアー、6〜40位に入ればコンフェリーツアーへの出場権が得られます。難易度が非常に高く、多くの選手の中から上位に食い込むことが求められます」(以下、杉澤)

最終予選の舞台となるのは、TPCソーグラスの中にあるダイズバレーコースだ。

「ダイズバレーコースは、フェアウェイ自体は広いものの、ところどころに大きな池があり、プレッシャーを与えてきます。ピート・ダイの設計らしく、バンカーが驚異的な場所に配置されているため、いかにバンカーを避けてマネージメントできるかが重要となります。TPCソーグラスの有名なスタジアムコースはパワーが重要になりますが、ダイズバレーコースでは精度が求められます」

距離は6850ヤードと短く、パー70という設定も、選手たちにプレッシャーを与える。

「ダイズバレーコースは距離が短く、パー5も2つしかない設定です。ある程度バーディーを計算できるホールが少ないため、非常にシビアな戦いになるでしょう。この時期のフロリダは寒く風も強いため、天候によってスコアも大きく変わってきます」

過去2年の結果を見ると、我慢のゴルフが求められることがわかる。

「ここ2年見ていると、一昨年はトップが15アンダー、5位以内が8アンダー、40位以内が1アンダーでした。昨年は5位以内が4アンダー、40位以内が2オーバーでした。これまでのデータからもわかるように、本大会ではじっと耐えて、チャンスを待ち、流れを掴んだ選手たちが上位を目指してくるはずです。4日間のトータルスコアを意識して、戦略を立てていく必要があります。初日、2日目を大叩きせず、しっかり組み立てることができれば、土日で上位を狙えるはずです」

日本勢からは石川遼プロ、杉浦悠太プロ、金子駆大プロが出場を予定している。

「日本からは石川遼選手をはじめとする3名の出場が予定されています。本大会は来年の戦う場所が決まる、重要な戦いです。全員が上位で終わっていただくことを期待しています。挑戦している選手たちを、みんなで応援しましょう!」

画像: Qスクールに参加する日本勢。左から石川遼、杉浦悠太、金子駆大(撮影/有原裕晶)

Qスクールに参加する日本勢。左から石川遼、杉浦悠太、金子駆大(撮影/有原裕晶)

PGAツアー・LPGAツアー共催の男女混合ダブルス戦も今週開催

フロリダ州のティブロンゴルフクラブを舞台に、男女混合ダブルス戦のグラントソーントン招待が開催される。

「グラントソーントン招待は、PGAツアーとLPGAツアーの選手がペアを組み、全16組の混合ダブルスで熱戦が繰り広げられる、最近始まった大会です。ここでの賞金の一部は、慈善団体に寄付されます」

競技フォーマットも独特で、1日目はスクランブル、2日目はフォアサム、最終日は変則フォアボールと、3日間とも異なる競技方法でスコアを競う。

「本大会の競技フォーマットはユニークなものになっています。特に変則的なフォアボールでは、まずティーショットは各選手がそれぞれ打ちます。そしてそのボールをセカンドショットの時に、チーム内のメンバーで交換して、セカンドショット以降はそのままそのボールでプレーを続けます。そのため、ティーショットが非常に重要になってきます」

舞台はアメリカ・フロリダ州に位置するティブロンゴルフクラブ。

「ティブロンゴルフクラブは、グレッグ・ノーマンが設計したコースです。グレッグ・ノーマンは、アメリカでは“ホワイト・シャーク”のニックネームというニックネームで親しまれています。そしてティブロンは、スペイン語でサメを意味します。このコースはまさにノーマンを象徴するようなコースと言えるでしょう。また本コースはLPGAツアーの最終戦だったり、PGAツアーチャンピオンズだったりでも使用されるトーナメントコースでもあります」

ティブロンゴルフクラブでは、各ホールに池が絡んでくるため、正確なショットが求められる。さらに、ラフがないという点も、このコースの難易度を高めている。

「ラフがない代わりに、ブッシュがあったりするので、やはりティーショットが重要になってきます。ティーショットをフェアウェイに置くことが、好スコアに繋がるのはもちろん、その後のセカンドショット以降の戦略にも大きく影響してきます」

グラントソーントン招待を語る上で、注目のペアリングは欠かせない。

「ウィンダム・クラーク選手とレクシー・トンプソン選手のペアは、飛ばし屋同士ということで、見ていて非常に面白いと思います。豪快なプレーで、ギャラリーを沸かせてくれるでしょう。ルーク・クラントン選手とロティ・ウォード選手のペアは、男女ツアーの期待の若手同士ということで、注目したいですね。特に、ロティ・ウォード選手は2025年が実質デビュー戦となるので、どのようなプレーを見せてくれるのか、非常に楽しみです」

画像: グラントソーントン招待はレクシー・トンプソン(左)とウィンダム・クラーク(右)の飛ばし屋ペアに注目(撮影/岩本芳弘)

グラントソーントン招待はレクシー・トンプソン(左)とウィンダム・クラーク(右)の飛ばし屋ペアに注目(撮影/岩本芳弘)

年末のゴルフ界を熱く盛り上げるPGA TOUR Q-School最終予選とグラントソーントン招待。それぞれの舞台で繰り広げられるドラマから、目が離せない。

U-NEXT 木村真希

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