2025年、米女子ツアーでは山下美夢有、竹田麗央、畑岡奈紗、西郷真央、岩井明愛、岩井千怜が勝ち星を挙げるなど大活躍。アメリカ在住のフォトグラファー南しずかさんが、LPGAコミッショナーや米ゴルフメディア関係者、選手たちに日本勢の躍進について聞いた。
画像: 米メディアの注目も集める岩井姉妹

米メディアの注目も集める岩井姉妹

●クレイグ・ケスラー氏(LPGAコミッショナー) 

6人の選手で7勝。素晴らしいですね。世界中から才能が集まっているツアーの多様性を象徴していると思います。岩井姉妹のグリーンカーペット(ロレックスアワード)での様子を見ていて、本当にクールで、受賞するにふさわしいアスリートだと思いました。

エイミー・ロジャース氏(ゴルフジャーナリスト ゴルフチャンネル、BBC、USLPGA、ESPN + などで活躍) 

日本勢、大活躍しましたね。こういう(エリア全体の)躍進は、かつて韓国勢、タイ勢でも起きており、今年はまさしく日本の番でしたね。裏には“宮里藍効果"もあるのではないでしょうか。今の選手たちは宮里の活躍を目の当たりにした世代でしょうから。また、25年の「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」に山下選手が選ばれましたが、「ルーキー」の意味が随分変わってきていると思います。彼女は十分に経験を積んでいるし、実力も十分。

これは他のルーキーたちにも言えることで、アマチュア時代から世界の選手と戦った経験のある選手ばかり。特に山下選手の安定感は光っていました。2勝してトップ10入り10回。驚異的な才能と言えるのではないでしょうか。アメリカ人の勝者が減っているとはよく言われることですが、それだけ世界中に素晴らしい選手がいるということです。

ベス・アン・ニコルズ氏(「ゴルフウィーク」シニアライター) 日本勢の活躍には“ドミノ効果"のようなものが見て取れます。19年に渋野日向子が全英女子を取った際に「彼女にできるなら、自分にもできるかもしれない」というメンタルが働くようになったと思います。それを機に、最盛期の選手たちが続々と参戦。しかも互いに刺激し合って……それは強いと思います。20年前に韓国勢に見られた成功にすごく似ていると思います。印象に残った選手を挙げるとまずは山下選手。小柄ながら、その力強さには驚きましたし、常に高いモチベーションで戦っているように見えました。あとは岩井姉妹。彼女たちは、変化を受け入れ、それすらを楽しんでいるような感じがします。常にゴルフだけ、というわけではなくてコース外でもエンジョイしているでしょう。最近の選手は引退が早いですが、彼女たちはプライベートも楽しみ、ゴルフとうまくバランスを取り、ゴルフをライフスタイルの中に取り込んでいる感じ。息の長い選手になりそうだと思いますし、それこそLPGAが望む選手だと思います。

ネリー・コルダ 今年は特に次々に新しい勝者が誕生しています。LPGAのゴルフのレベルがどんどん高くなっていると感じます。どの選手もプレーを磨き、最高のコンディションで試合に望んでいます。特に日本勢は本当に素晴らしい戦いをしている。あとはルーキーたちの活躍にも目を見張っています。私がルーキーだったときと比べるとレベルが段違いに上がっていると感じます。

リディア・コー(山下)美夢有が私の(自分のできることに集中するという)プレーや姿勢に影響を受けたと言ってくれているそうですが、すごくうれしいですね。彼女と初めてプレーをしたのは23年の全米女子だったと思います。練習ラウンドを一緒にして、パリ五輪でも一緒でした。日本で大成功している選手、というのは知っていましたよ。

米女子ツアーではパワーヒッターも多く、それによって「もっと飛ばそう」と技術を磨くようになる。それは素晴らしいことですし、同時に自分のプレーを知ることにもなり、自分の能力の範囲内でのプレーの重要さにも気付くんです。インスピレーションを与えたり、与えられたり。お互いに刺激し合う素晴らしさが日本勢躍進のカギかもしれません。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年12月23日号「バック9」より

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