かねてより会場の移転が示唆されていた同大会だが、選ばれたのはヒューストンの中心部に位置する歴史あるムニシパルコース(公営コース)だった。 メモリアルパークGCは、著名なコース設計家トム・ドークによって再設計されたことでも知られ、PGAツアー「テキサスチルドレンズ・ヒューストンオープン」の舞台としても親しまれてきた名コースだ。
「街の中心」で女子ゴルフの熱狂を
今回の移転の背景には、タイトルスポンサーであるシェブロンの強いコミットメントがある。新会場はシェブロンの新本社およびヒューストン中心部に近接しており、ファンや地域パートナー、そして従業員がよりアクセスしやすい環境となる。
シェブロンのコーポレートアフェアーズ最高責任者、ローラ・レイン氏は、「ヒューストンは100年以上にわたりシェブロンの歩みの中心にありました。メモリアルパークとの連携により、そのレガシーを称えつつ、女子ゴルフへの支援と地域社会への還元をさらに前進させていきます」とコメントしている。
また、同コース内にはゴルフを通じてSTEM教育(科学・技術・工学・数学)を学ぶ若者のための施設「シェブロンセンター・フォー・エデュケーション&ゴルフ」も設けられており、大会を通じた次世代育成への意欲もうかがえる。
西郷真央、連覇の舞台は“ドーク”の難コース

2025年に西郷真央が制した「シェブロン選手権」。開催地がザ・クラブ at カールトンウッズから同じテキサス州のメモリアルパークGCに変更になった(LPGA提供)
日本勢にとっても、この決定は重要となる。とくに、2026年大会には西郷真央がディフェンディングチャンピオンとして臨む。トム・ドークの手による戦略的なレイアウトと、多くのギャラリーが詰めかける都市型開催ならではの熱気。世界最高峰の選手たちがどのようなプレーを見せるのか、今から期待が高まる。
LPGAコミッショナーのクレイグ・ケスラーは、「1972年に始まったこの伝統あるメジャー大会が、ヒューストンの中心でより多くのファンや地域とつながり、今後もゴルフ界で最も意義深い舞台の一つとして輝き続けることを確かなものにします」と、新たなスタートへの自信を覗かせた。
ヒューストン市長ジョン・ウィットマイヤーも「世界最高峰の大会を迎えることで、ヒューストンはスポーツ都市としての地位を強化し、次世代を鼓舞する機会を創出します」と歓迎する。
過密日程による芝への懸念と“池ダイブ”の行方
一方で、懸念材料も。同コースではシェブロン選手権(4月23日~26日)の約1カ月前、3月26日~29日にPGAツアー「テキサスチルドレンズ・ヒューストンオープン」が開催される。
ティーイングエリアが異なるとはいえ、短期間に2つのビッグトーナメントを開催することによる芝へのダメージは計り知れない。「1年間に数度のプロ競技実施はメンテナンスが厳しく、コンディション維持が難しい」という声もあり、コース管理の手腕が問われることになるだろう。PGAツアーを開催するほどのエリートグリーンキーパーが太鼓判を押しているとはいえ、選手たちが最高の状態でプレーできることを願うばかりだ。
また、長年のファンにとって寂しいのは、優勝者の恒例行事であった「18番ホールの池へのダイブ」が見られなくなる可能性が高いことだ。メモリアルパークGCの18番ホールには池がないため、新たな伝統が生まれるのか、それとも形を変えて継承されるのかにも注目が集まる。
【動画】池ダイブも収録! 西郷真央の25年シェブロン選手権を振り返る【LPGA公式YouTube】
Mao Saigo Highlights | 2025 The Chevron Championship Final Round
www.youtube.com新たな歴史の幕開けとなる2026年のシェブロン選手権。西郷真央の連覇への挑戦とともに、ヒューストンの熱い春に注目したい。

