「72ホールは“普通”」のラームに対し、ゴーチは「独自性の喪失」を懸念?

72ホール化は賛成だが、世界ランクのポイントのつけ方には苦言を呈したジョン・ラーム(提供/LIV GOLF)
「正直、何ホールプレーするかなんて忘れていたよ」
初日を「67」で終えたジョン・ラームは、72ホール化の影響について事もなげにそう答えた。
「人生の大半で4ラウンドを戦ってきたんだ。違和感なんてない。むしろ、スタートで躓いても巻き返す時間がある分、余裕が生まれる」
メジャー覇者であるラームにとって、72ホールはあくまで「本来あるべき姿」に戻ったに過ぎないというスタンスだ。

72ホール化に戸惑いを持ちつつ、初日は5アンダーの4位タイでスタートしたテーラー・グーチ(提供/LIV GOLF)
一方で、23年の個人王者であり、今大会も5アンダーと好発進したテーラー・グーチ(Smash GC)の反応は少し違う。
「チームメイトのハロルド(・バーナーIII)も言っていたが、54ホールのスプリント勝負から、マラソンのようなペース配分に変わる感覚はある」
グーチは、72ホール化については順応しつつも、LIVが既存ツアーに迎合することで独自のアイデンティティが失われることへの懸念を隠さない。
念願の世界ランクポイント付与、しかしその中身は……
そして、開幕前日に飛び込んできた「OWGRポイント付与」の決定。長年LIV勢が求めてきた権利だが、こちらも手放しの喜びとはいかない。
ラームはシステムの不公平さに苦言を呈した。
「ポイントが得られるのは素晴らしいが、たった10人(上位10名)しかポイントをもらえないなんてフェアじゃない。11位が実質的な『予選落ち』と同じ扱いになる」

「ポイントの決定を気に入っている数少ない一人」と公言するピーター・ユーライン(提供/LIV GOLF)
一方、首位発進を決めたピーター・ユーラインは、「私はこの決定を気に入っている数少ない一人かもしれない」と前向きだ。「昨日より今日のほうがポイントが多い、それが現実だ」と歓迎するが、選手間には温度差もある。
世界ランク上位への復帰を目指す選手たちにとって、毎試合トップ10が最低条件となる過酷なサバイバル。それは「認知」というよりは、新たな「足枷」になりかねないという懸念が選手間に漂っている。
浅地洋佑が10位発進、LIVの夜は熱く
組織としての成熟を目指し「72ホール化」「世界ランク対応」へと舵を切ったLIVゴルフ。しかし、その変化を選手全員が諸手を挙げて歓迎しているわけではない。
そんな過渡期のカオスの中、ワイルドカードで出場の浅地洋佑が4アンダーで10位タイにつけたことは、日本のファンにとって明るいニュースだ。今季からLIVは「72ホール」の長丁場。初日の勢いを維持し、狭き門である「トップ10=ポイント獲得圏内」に食い込めるか。
砂漠の夜、LIVゴルフの“ニューノーマル”は、波乱含みのスタートを切った。
