「4年越しの勇敢な決断」がついに結実したドライバー

「Qi4Dでカーボンフェースが格段に進化した。データでも明確に表れています」(ティムズ氏)
ティムズ氏はまず、テーラーメイドのドライバーの進化について「機能が大幅に向上している」と評価する。彼が注目するのは「カーボンフェース」。テーラーメイドが4年前に踏み切った大きな構造改革が成熟の域に達したと見る。
「当時は『勇敢な決断』だと思ったのと同時に、実はある意味で少し後退したようにも見えたんです。しかし、その決断こそが彼らに未来へ向けた改良の“滑走路(Runway)”を与えた。今回のQi4Dでそう実感しました」
「カーボンフェース導入当初は、正直課題もあった」とティムズ氏は言うが、テーラーメイドは揺るぎない自信を持って、年々改良を重ねてきた。そして今年、「ついに彼らは答えを完全に見つけ出した(Got it figured out)」とティムズ氏は語る。「我々のロボットテストの結果がすべてを物語っています。ボール初速は確実に速くなりました。さらに特筆すべきはスピンの一貫性(Spin Consistency)。フェースの上下、あるいはトウ側でヒットした時でさえ、スピン量が安定し、ボールが散らばらない。これは我々の検証で明らかになっています」

フェースのロールを改良することで、ヘッド上部はスピンの減りすぎを抑え、逆にヘッド下部ではスピンが増えすぎないQi4Dドライバーのカーボンフェース
競合他社も素晴らしい製品を作っていることは認めつつも、「今年は間違いなくテーラーメイドが良い」と断言する背景には、このロボットテストで実証された圧倒的な「一貫性」がある。
スライド式撤廃の恩恵と「フィッティングのしやすさ」
フィッティングの現場でも「Qi4D」への信頼は厚い。その理由の一つとして、ティムズ氏は前作「Qi35」から採用されたウェイトシステムの構造的なメリットを挙げる。かつてLSモデルで採用されていたスライド式レールを排除し、シンプルなスクリュー(ネジ)式へ回帰した点だ。

ねじ式のウェイトなら余分な重量を取られない
「よく考えてみてください。スライドさせるための『レール』を作るには、構造体として余分な重量を付加しなければなりません。しかし『ネジ』であれば、穴を開けて埋め込むだけ。つまり重量を取り除くことができるのです」。この「引き算」の設計により、余剰重量をより効果的な場所に配分できるようになった。さらに今回はウェイトポートの数も増え、MAXモデルでもウェイト交換ができるようになった。ヘッド性能がアップし、さらにそれを各ゴルファーにフィットさせやすくなった。この進化は大きいと言う。

PGAツアーでは、Qi4Dドライバーシリーズ愛用者のうちの約6割がQi4D(コア)ドライバーを選択しているという
また、前作「Qi35」世代で課題だったヘッドサイズのフロー(LS・コア・MAX)が今年は完全に適正化されたことも、現場での評価を押し上げている。「昨年は中間のモデル(コア)の投影面積が大きすぎて、最大サイズのMAXと差があまりなかった。しかし今年は、LS・コア・MAXがそれぞれのターゲット層に合わせたサイズになりました。この面も人気を後押ししていると思います」。これにより、フィッターは迷うことなく最適なヘッドを提案できるようになったという。
「私は3番、5番、7番を注文した」
そして、ティムズ氏をさらに本気にさせたのがフェアウェイウッドだ。 PGAツアーでも使用者が急増している「Qi4D」のFWだが、数多くのメーカーを中立的にテストする立場の彼が、個人的にオーダーを入れたという事実は重い。
かつてはプラスハンディの腕前を誇ったティムズ氏だが、現在は「6」まで落ち、スウィングスピードも以前より落ちてきたと語る。自身の変化を冷静に見つめる彼にとって、このクラブはまさに救世主に見えたようだ。

シェフラーの7W。Qi4Dのショートウッドも人気だ
「正直に言えば、去年まで私はテーラーメイドの大ファンというわけではありませんでした。『ステルス』も『ステルス2』も、それほど良いとは思わなかった。しかし、今年は違う。個人的には飛距離性能に惚れ込んでいます。それでいて寛容性が高く、ボールが楽に上がる。私自身『Qi4D』ドライバーだけでなく、3番、5番、7番ウッドも注文しましたよ」
ドライバーのカーボンフェースとは異なるテクノロジーだが、ティムズ氏はその完成度を実感し、「今年は間違いなくテーラーメイドの年」と言い切る。
シビアな目で評価を下してきたクールクラブスのトップが、自社の膨大なテストデータを前に「これを買う」と即決した事実。我々アマチュアゴルファーにとって、非常に参考になる意見だろう。
PHOTO/Yoshihiro Iwamoto

