風を「楽しむ」地元リーシュマンと、耐え抜いたデシャンボー

地元の声援を背に6バーディ、ノーボギーでラウンドしたマーク・リーシュマン(提供/LIVゴルフ)
「雨の中でプレーするのは嫌いだけど、風は大好きだ。風の中で育ってきたからね」
首位発進を決めた地元オーストラリアのリーシュマンは、タフなコンディションを心底楽しんでいるようだった。記者から「今日の風は『リーシュマン風力階級』でどれくらいか?」と問われると、「うーん、4か5くらいかな。去年のビクトリアPGAが9.7だったからね」と笑い飛ばした。
キャプテンのキャメロン・スミスよりも10歳年長となり、チーム(Rippers)の最年長となったことについても「若い連中に『こうやるんだ』ってところを見せてやりたいね」と、ベテランの意地を覗かせる。

キャメロン・スミス、ジョン・ラームと同組でのラウンドだったデシャンボー。多くのギャラリーが見守った
(提供/LIVゴルフ)
一方のデシャンボーは、「1日中、風が行ったり来たりで本当にタフな戦いだった」と振り返る。この日は10番(パー5)でティーショットをトップし、ボールがわずか数ヤード先のカートパスで跳ねるという「珍プレー」も披露。しかし、そこからリカバリーしてバーディを奪うあたりはさすが千両役者だ。
さらに17番(パー4)では狭いフェアウェイに対してドライバーを強振し、ギャラリーを大いに沸かせた。「なぜあの攻めを?」という問いに対する彼の答えはシンプルだ。
「自分が十分クレイジーな気分だったからさ(笑)。子どもたちにサインをして、エンターテインメントを提供する。それがLIVゴルフの存在意義だからね」
電撃加入のアンソニー・キムが見せた“大人のゴルフ”

「4Aces」に加入したアンソニー・キム(右)とキャプテンのダスティン・ジョンソンはともに3位タイでスタート(提供/LIVゴルフ)
この日、アデレードを最も驚かせたニュースは、ラウンド前に突如発表されたアンソニー・キムの「4Aces GC」への加入だ。そして彼は、そのニュースの衝撃に勝るとも劣らないプレーをコース上で見せつけた。
5アンダー「67」で回り、キャプテンのダスティン・ジョンソン(DJ)と並んで堂々の3位タイ発進。かつてPGAツアーで若くして脚光を浴びながら姿を消し、LIVでカムバックを果たした“元・天才”は、今大会の目標をこう語る。
「毎日1パーセント良くなること。シラフでいること。そして家族との時間を楽しむこと。それだけだよ」
記者から「40歳になった今、22歳だった頃の面影を感じるか?」と問われると、彼は首を横に振った。
「あの頃の自分とは、もう何の関係も持ちたくない。今はクラブを12本へし折りたいと思うラウンドでも、次のショットに集中できる。経験と年齢を武器にして、僕はより賢く、忍耐強くなったんだ。素晴らしい家族がいて、生きている。今が最高に幸せだよ」
そんな新メンバーの躍動に、DJも「彼が加入してくれて本当にワクワクしている。Acesのユニフォームがよく似合っているよ」と目を細めた。DJ自身も、風を読み違えてボギーが先行する展開から、7番でのロングパットと9番のチップインという「2つのイーグル」で鮮やかに巻き返している。
浅地洋佑もアンダーパー発進
日本人ワイルドカードの浅地洋佑もしっかりとスコアを作った。強風で多くの選手がスコアを崩す中、1アンダーでまとめ、トーマス・デトリーらと並ぶ26位タイで初日を終えた。先週のリヤド大会に続き、安定したプレーで明日からのジャンプアップを狙う。
明日以降は気温が37度近くまで上昇し、コースはさらに硬く速くなることが予想されている。風と熱波、そして熱狂的な大ギャラリー。アデレードのサバイバルレースは、まだ始まったばかりだ。
