全国のゴルフ工房には、店主が厳選した様々なメーカーのシャフトが並んでいます。日本の4大メーカーはもちろん、海外ブランドや国内のカスタムメーカーまで多種多様です。中でも「カスタムシャフトメーカー」の製品は、一般ゴルファーの認知度こそ大手には及びませんが、経験豊富な工房店主に認められた“本物”だけが生き残る世界です。
工房を訪れるお客様は目が肥えています。「珍しい」だけでは手に取ってもらえません。圧倒的なパフォーマンスを実感できなければ評価されない厳しい環境で、いま支持を集めているシャフト。それはすなわち、プロの目利きとユーザーの実感をクリアした「実力派」であることの証明と言えるでしょう。

話題の3モデルのシャフトをご紹介
そこで今回は、最近ゴルフ工房で話題沸騰中のハイパフォーマンスシャフトを3モデル厳選しました。いずれも国内工場で製造され、少量生産ながらハンドメイドによる高い精度を誇る逸品ばかりです。
JLPGAツアーでも人気「シンカグラファイト」
創業10年を超えるシンカグラファイト社。「LOOP」「LEXIA」「ZINGER」など、都内の自社工場で生み出される高精度シャフトは、特に女子プロゴルファーの支持が厚く、JLPGAツアー通算18勝という実績がその性能を物語っています。
知る人ぞ知る存在でしたが、最新モデル「LOOP SLASH」ではSNSを活用した新たな展開を見せています。

シンカグラファイト「LOOP SLASH」
シンカグラファイト社のSNS広告戦略はInstagramやYouTube、TikTokを駆使し、今まで同社を知らなかった層からの問い合わせが急増中とのこと。実際に工房で試打をして、その性能に惚れ込むゴルファーが後を絶ちません。
SNSを通じて来店された方々にも「LOOP SLASH」の高いシャフトパフォーマンスは認められ「ゴルフ工房」で人気のモデルとなっています。
「LOOP SLASH」は40g台のSLASH4、50g台のSLASH5、60g台のSLASH6が用意されています(SLASH5とSLASH6はTYPE BとTYPE Rの2モデル展開)。
中でも注目は、60g台の「LOOP SLASH6」。アスリート向けに開発され、同社特有の飛距離性能に「ブレない安定感」をプラス。大手メーカーのアスリートモデル愛用者からも高く評価されています。
実際に「LOOP SLASH6 TYPE R」「LOOP SLASH6 TYPE B」のSフレックスを打ってみました。
「LOOP SLASH6 TYPE R」(Sフレックス/64グラム/トルク3.9/振動数255CPM)
シャフトカラーがレッドの「TYPE R」は、S・X・TXの3フレックスで展開されています。手元部分の剛性感はしっかりしていますが、切り返しでほんのりと粘りを感じ、タメが作りやすいのが特徴です。アスリートが好む「タイミングの取りやすさ」と、ハリ感を抑えた穏やかな挙動が光ります。

吉田氏の「LOOP SLASH6 TYPE R」「LOOP SLASH6 TYPE B」の評価(どちらもSフレックス)
溜まったパワーを効率的に先端へ伝え、厚く押し込むインパクトは圧巻。叩いても吹け上がらないロースピン性能で、アスリートゴルファーが求めるコースでの飛距離アップを体感できるはずです。
「LOOP SLASH6 TYPE B」(Sフレックス/61グラム/トルク5.1/振動数249CPM)
シャフトカラーがフルーの「TYPE B」はS・Xの2フレックスのラインナップです。
こちらは手元部の剛性を上げ、ハリ感を持たせた設計です。ややカウンターバランスで、中先調子系のスピード感ある挙動も感じます。オートマチックに動きますが、先端部が走りすぎず、穏やかで厚いインパクトが可能です。高いボールスピードと少なめのバックスピン量で、評判通りの「飛ぶ」弾道を体感できます。手元部しっかり系のシャフトが好みのアスリートにオススメします。

吉田氏の「LOOP SLASH6 TYPE R」「LOOP SLASH6 TYPE B」の評価(どちらもSフレックス)
「TYPE R」「TYPE B」共に最近のドライバーの主流である海外ブランドのヘッドとのマッチングを考慮した設計となっていますので、多くのゴルファーが使っている海外ブランドのヘッドでもスウィング中にシャフトがねじれません。また、インパクト時のオフセンターヒットの際のエネルギーロスの少ないシャフト設計です。
両モデルとも、昨今の主流である海外ブランドの大型ヘッドとのマッチングを考慮し、ねじれに強く、オフセンターヒット時のロスを抑える設計になっています。アスリートゴルファーが求めるブレが少なく高い飛距離性能を実感できる仕上がりです。40g台、50g台と合わせて、ぜひお近くの取扱店で「自分に合うSLASH」を体感してみてください。
コースで結果の出るシャフト「エッジワークス」
2025年4月に当コラムで紹介したエッジワークスの「EG VANDING 434 MK」がその後ゴルフ工房で人気となっています。
しなりの大きな40g台マルチフレックスでキックポイントはMID(中調子)。オートマチックにタメが作れるこの軽量シャフトは、同社代表が自ら工房を行脚する中で得たヒントを具現化したモデルです。
シニア層ゴルファーからよく聞く「軽量シャフトは振りやすいが、コースだと意外と飛ばない」という声を聞きます。測定器のデータは良くても、実戦での推進力が足りない……そんな悩みに応えるべく開発されたのが、この「コースで結果の出る軽量シャフト」です。

エッジワークス「EG VANDING 434 MK」
エッジワークス「EG VANDING 434 MK」(振動数186CPM)
実際に打ってみると、切り返しに大きなパワーは必要とせず、スムーズにしなりますが、スウィングと同調させればヘッドスピードが自然と上がります。先端はしなるものの、必要以上に暴れず、厚くボールを捉えてくれます。ボールのつかまりが良く、43gという軽さや大きなしなりのイメージを裏切る「高さの抑えられた強い弾道」で、想像以上の初速が出ます。

吉田氏の「EG VANDING 434 MK」の評価
ヘッドスピードが遅めのゴルファーが特に恩恵を受けますが、しなりを活かせるスウィンガーなら、意外なほど幅広い層が使える許容範囲の広さを持っています。
しなりが大きい分、装着ヘッドの重量で印象が変わるため、経験豊富な工房で相談しながら組むのがベストでしょう。
幅広いヘッドスピードに対応する「ネクストゴルフ」
創業10年超、大手メーカー出身の代表が設計を手掛けるネクストゴルフは、「アマチュアがスウィングを変えず、プロのように効率的にシャフトを使える」がコンセプト。アスリートゴルファーから熱い支持を得ています。
特に人気なのが、飛距離特化型「ラファール」シリーズから派生したマルチフレックス「ラファール RS1.0」です。

ネクストゴルフ「ラファール RS1.0」
「ラファール RS1.0」は53グラムのT-501と46グラムのT-401がラインナップされています。開発コンセプトは、しなりで目指せ「自己最速」。ヘッドスピードが速くない方でもシャフトの大きなしなりを最大限に活かして、ボールを飛ばせるシャフトとして開発されたモデルです。実際に完成したシャフトをゴルフ工房の店主にテストしてもらうと、メーカーが想定したヘッドスピードが遅めの方へのシャフトパフォーマンスへの評価はもちろん、もっと速いヘッドスピード域のゴルファーにも対応できるとの評価でした。
ラインナップは53gのT-501と46gのT-401で、開発コンセプトは「しなりで目指せ、自己最速」。HSが速くない人でもしなりを活かして飛ばせる設計ですが、完成品をテストした工房店主たちからはメーカーが想定したHSよりお「もっと速くても大丈夫」と評価されています。
実際、ある工房ではHS60m/s超のドラコンプロがT-501をテストし、安定したスピン量で吹け上がらず飛ばせるというデータが出たそうです。HS35m/sから50m/s超まで対応するマルチフレックスシャフトです。

吉田氏の「ラファール RS1.0(T-501)」の評価
ネクストゴルフ「ラファール RS1.0」(振動数211cpm)
50g台のT-501を打ってみました。全体的に軟らかめの設定で、特に手元部はしなやか。この「手元部のしなり」がスムーズな切り返しを生み、先端まで連続してオートマチックな挙動につながります。
特筆すべきは先端剛性の高さ。マルチフレックスとしては比較的高めで、インパクトで当たり負けせず、ヘッドを押し込んでくれ、フェースにボールが乗っていく感じです。つかまりが良く、右への逃げを抑えつつ、吹け上がりのない強弾道を実現します。

アマチュアゴルファーがシャフトのしなりを効率的に使って飛ばせるシャフトに仕上がっています。
アマチュアが効率よくしなりを使って飛ばせるシャフトに仕上がっています。HSに関係なくパフォーマンスを発揮するこの感覚、ぜひ味わってみてください。


