
左から岩永杏奈、廣吉優梨菜、後藤あい(提供/R&A)
廣吉優梨菜は「単独5位」も、グリーン上で課題残す
日本勢最上位の単独5位に入ったのは廣吉優梨菜だ。3日目に「69」をマークして浮上した勢いを駆って挑んだ最終日。強風が吹き荒れる中、前半を2アンダー「34」で折り返すなど安定したプレーを見せたが、後半はボギーが先行し「73」。通算5アンダーでフィニッシュした。
「タフな中でも耐えてプレーできていたのですが、最後にもったいない終わり方をしてしまった。パターのレベルを上げないといけないと痛感しました」

「パターのレベルを上げないと」と話した廣吉。日本人最上位の5位でフィニッシュ(提供/R&A)
アジアのトップアマと渡り合えるショット力を証明しただけに、パッティングという明確な課題が浮き彫りになった4日間だった。「毎日良いプレーができるように修正したい」と、さらなる高みを見据える。
後藤あいは風に惑う。「世界との飛距離差」を痛感
予選ラウンドを牽引した後藤あいは、週末の強風に苦しめられた。 最終日は「77」とスコアを落とし、通算6オーバー。「ショットは思うように打てていたのですが、風の読みが甘かった」と、目まぐるしく変わる風向きにアジャストしきれなかった悔しさを滲ませる。
そして何より、彼女が持ち帰る最大の収穫は「世界との距離」を肌で感じたことだ。

風読みの重要性を確認した4日間となった後藤(提供/R&A)
「日本では飛ぶほうだと思っていたのですが、海外の選手とはそこまで変わらないか、むしろ置いていかれることもあった」
井の中の蛙ではいられない。世界基準の飛距離とマネジメントを肌感覚で掴んだ経験は、今後の糧になるはずだ。
「池に3発」でも意地のダボ回避。岩永杏奈の収穫
「今日は池に3発も入れてしまいました」
そう振り返った岩永杏奈もまた、ロイヤルウェリントンGCの罠に捕まった一人だ。
「最初はショットが酷くて右にしか行かなくて……。途中から風が回り始めて、どこに打てばいいのか分からなくなってしまった」
最終ラウンドは「79」。しかし、崩れかけた中で見せた粘りこそが、彼女の成長の証でもある。

良かったことは「強いて言えばダボを打たなかったこと」と話し、意地を見せた岩永(提供/R&A)
「強いて言うなら、意地でもダボを打たなかったところです」
池に入れたホールでも、5メートルのパットをねじ込み、チップインで凌ぎ、すべて「ナイスボギー」で食い止めた。
「風に流されない強い球を打てるようになりたい」。帰国後はすぐに合宿とレギュラーツアーの予選会が控える。タフな現場で掴んだしぶとさは、プロの舞台でも必ず生きる武器になるだろう。
「韓国初」の歴史を刻んだ18歳、ヤン・ユンソ
「少し緊張していましたが、韓国の仲間と一緒に回れたのが良かった」
そう振り返るヤン・ユンソの勝負強さが光ったのは、後半の14番だった。
「意図的ではなかった」と謙遜するが、放ったショットはカップに吸い込まれるようなイーグル。この一撃で、猛追するオ・スミンを突き放した。

初日から首位を一度も譲らずに完全優勝、2位と8打差と圧倒したヤン・ユンソ(提供/R&A)
「昨年の初出場は良い思い出でしたが、今年は韓国勢で上位を独占できて本当に嬉しい」
強いといわれ続けてきた韓国女子アマ界だが、意外にもこの大会での優勝はこれが初。歴史の扉をこじ開けた18歳の笑顔が弾けた。
ウェリントンの風が教えたもの
リンクスの風が運んできたのは、韓国勢の悲願と、日本勢の新たな課題だった。世界への扉をこじ開けるには、技術だけでなく、自然と対話し、どんな状況でも崩れないタフさが求められる。廣吉が見せた可能性、後藤と岩永が味わった悔しさ、そして佐藤と中嶋が感じた壁。そのすべてが、次なる戦いへの貴重な財産となるはずだ。
太平洋の風に吹かれ、たくましさを増したなでしこたちの2026年シーズンは、まだ始まったばかりだ。
【アジア太平洋女子アマ 最終成績】
| 順位 | 選手名 | 国・地域 | スコア |
|---|---|---|---|
| 優勝 | ヤン・ユンソ | 韓国 | 16アンダー |
| 2 | オ・スミン | 韓国 | 8アンダー |
| 3T | ジェイジー・ロバーツ | オーストラリア | 6アンダー |
| リアン・ミカエラ・マリキシ | フィリピン | 6アンダー | |
| 5 | 廣吉優梨菜 | 日本 | 5アンダー |
| : | : | : | : |
| 22T | 後藤あい | 日本 | 6オーバー |
| 岩永杏奈 | 日本 | 6オーバー | |
| 34T | 佐藤涼音 | 日本 | 11オーバー |
| 36T | 中嶋月葉 | 日本 | 12オーバー |
