「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はマキロイをお手本にしてウェッジのセッティングについて考えてみた。
画像: ローリー・マキロイはウェッジ4本のセッティングだ(Photo/Getty Images)

ローリー・マキロイはウェッジ4本のセッティングだ(Photo/Getty Images)

ウェッジ4本体制の意図は?

みんゴル取材班(以下、み):前回に続いてマキロイがらみのネタですが、46度、50度、54度、60度のウェッジ4本体制にはどんな意図があると思われますか?

宮城:46度は完全にスピン量ですね。アイアンのPWとウェッジの46度の大きな違いはネックの長さです。ネックの短いPWはその分重心が下がるのでスピンが減ります。PWはラフから打つことが多いのでフライヤーのリスクが上がります。マキロイの力だとたぶん170ヤードくらいは飛んでしまうでしょう。その点、ネックの長い46度はスピンが入るのでフライヤーしにくく、計算も立つので有利になります。

み:46度の下の並びはどうですか。4度ないし6度ピッチにしたいのは素人でも分かりますが、なぜ56度でなく54度なのか。確かに54度もカタログには載っていますが日本では使っている人はあまり見かけないし、売れているという話も聞きません。

宮城:タイガーやミケルソンは56度を大事にしていますが、マキロイが多用するチップショットを54度のほうがやりやすいからでしょう。チップショットはキャリーとランが計算できるのが強みです。あとは“バンプエンドラン”ショットですね。

み:バンプエンドランですか。聞き慣れないショットですね。

昔、アメリカツアーに行っていたときに54度を欲しがる選手がけっこういて、どうして54度なのか理由を聞いたらバンプエンドランのためだ、と。ぼくもそのとき初めて聞きましたが、グリーンに直接落とすと止まらないようなシチュエーションで、外に落として乗せていくアプローチです。56度だと手前で止まってしまうけれど54度なら低く強めに出るのでコロンと転がって寄ってくれます。

み:技術はないけれどマキロイのセッティングを真似してみたくなりました。54度もSWの仲間なのでバンカーショットも打てますよね?

宮城:バンカーショットに適しているかどうかはロフトの数字だけでは決まりません。ぼくは54度も56度のソール幅で設計するのでフェースを開けば問題なく打てます。でも52度のソール幅で作られている54度もけっこうあります。そういうウェッジは開いて打ってもキャリーで止めるのが難しく、60度を使うことになるので長いバンカーショットが届きません。もしマキロイを真似をするなら46、50、54、58度をおすすめします。


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