<算出方法>
●賞金額÷ラウンド数で算出。小数点第1位以下は切り捨て
●賞金額、ラウンド数はJGTOのみの数字
1ラウンド当たりの獲得賞金額ランキング
まずは、驚異的な稼働効率を誇るトップ10の顔ぶれを見てみよう。

昨年(2025)の「ANAオープンゴルフトーナメント」で通算7勝目を挙げた金谷が一番稼いでいた(撮影/岡沢裕行)
| 順位 | 選手名(賞金ランク) | 1ラウンド当たりの獲得賞金額 |
|---|---|---|
| 1 | 金谷拓実(41位) | 191万6471円 |
| 2 | キム・ヒョンソン(57位) | 155万3718円 |
| 3 | 金子駆大(1位) | 135万910円 |
| 4 | 蟬川泰果(3位) | 123万1755円 |
| 5 | 比嘉一貴(6位) | 115万814円 |
| 6 | 生源寺龍憲(2位) | 114万140円 |
| 7 | 大岩龍一(5位) | 110万9291円 |
| 8 | S・ビンセント(36位) | 110万6935円 |
| 9 | 小平智 (13位) | 106万7514円 |
| 10 | 小木曽喬(4位) | 101万6412円 |
| 62 | 石塚祥利(115位) | 24万6041円 |
| 63 | 出水田大二郎(51位) | 24万5842円 |
| 64 | 田中章太郎(75位) | 23万147円 |
| 65 | H・W・リュー(52位) | 22万9280円 |
| 66 | 谷原秀人(62位) | 21万7642円 |
| 176 | 谷口徹(140位) | 3万8401円 |
| 177 | 長谷川大晃(189位) | 3万7833円 |
| 178 | 海老根文博(125位) | 3万7410円 |
賞金王を抑えてトップ2に輝いた「高コスパ」な男たち
ランキングの頂点に立ったのは金谷拓実だ。賞金ランキング自体は41位だが、昨季の出場はわずか4試合。その中で「ANAオープン」優勝、予選落ちは1回のみの計14ラウンドと、極めて少ないラウンド数で効率よく賞金を積み上げた。
続く2位のキム・ヒョンソンも同様だ。出場は「日本オープン」(4位タイ)と「Shinhan Donghae Open」(6位)のわずか2試合。どちらも高額賞金大会かつトップ10入りという勝負強さを発揮し、驚異的な「コスパ」を記録した。
彼らトップ10の選手たちは、たった1日、18ホールをプレーするだけで100万円以上を稼ぎ出している計算になる。一般のビジネスパーソンからすれば、まさに夢のような世界だ。
ランキング中盤以降に見るプロの厳しさ
しかし、ランキングを中盤まで下っていくと、プロの世界の厳しい現実が顔を覗かせる。
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、大卒の平均初任給は約24万8000円。この62位以下の層が1ラウンドで稼ぐ金額は、まさにその「4年生大学を卒業した人の初任給」とほぼ同水準となっている。
1日で初任給分を稼ぐと聞けば悪くないように思えるが、プロゴルファーには帯同キャディへの報酬や全国を転戦する遠征費、宿泊費といった多額の経費が重くのしかかるため、決して余裕のある額とは言えない。
さらに176位以下となると、1ラウンドの稼ぎは約3万8000円。これを一般的な会社員の年間労働日数(約240日)で掛け合わせて換算した場合、「年収約900万円の会社員の日給」と同程度となる。
同じ試合に出場していても、上位と下位ではこれほどの大きな格差が生まれる。1打の重みが文字通り「生活」に直結するシビアさが浮き彫りになった。

昨年(2025)の「KBCオーガスタ」で優勝争いに絡んだ石塚祥利は、1ラウンドで、一般的な社会人の初任給と同等レベルを稼いだ

レジェンド・谷口徹の1ラウンド当たりの獲得賞金額は、年収900万円クラスの会社員の日給と大体同じくらい!
歴代年間獲得賞金額ベスト5たちは、いくら稼いだ?
ちなみに国内男子ツアーの「歴代年間獲得賞金額ベスト5」のプロたちの、1ラウンドあたりの獲得賞金も算出してみた。
まずは年間獲得賞金額トップ5を振り返ってみよう。
| 順位 | 選手名 | 年 | 年間獲得賞金額 |
|---|---|---|---|
| 1 | 伊澤利光 | 2001 | 2億1793万4583円 |
| 2 | 尾崎将司 | 1994 | 2億1546万8000円 |
| 3 | 尾崎将司 | 1996 | 2億964万6746円 |
| 4 | 池田勇太 | 2016 | 2億790万1567円 |
| 5 | 松山英樹 | 2013 | 2億107万6781円 |
半世紀に及ぶツアーの歴史のなかで2億円を突破したのは、この4人(ジャンボ尾崎は2度達成)しかいない。2001年に伊澤利光が打ち立てた金字塔は、四半世紀が経とうとする今も破られていない。
では、彼らは、1ラウンド当たりでどのくらい稼いでいたのか⁉
| 順位 | 選手名 | 1ラウンド当たりの獲得賞金額 |
|---|---|---|
| 1 | 松山英樹 | 435万8691円 |
| 2 | 伊沢利光 | 351万5073円 |
| 3 | 尾崎将司(1996) | 340万5227円 |
| 4 | 尾崎将司(1994) | 311万3351円 |
| 5 | 池田勇太 | 224万6748円 |
歴代最高の年間賞金総額は2001年の伊澤利光だが、「1ラウンド当たりの稼ぎ」に換算すると、5位の松山英樹(2013年)が首位へ大逆転する。1ラウンドあたり約435万円。これは、トヨタ「ハリアー」などの人気SUVはもちろん、レクサスのコンパクトモデル「LBX」さえも購入できてしまう金額だ。
ちなみに松山の愛車といえば、同ブランドのフラッグシップSUV「レクサス LX」。1250万円を超える最高級車だが、当時の彼ならたった『3ラウンド(3日)』プレーするだけで、愛車をキャッシュで購入してお釣りが来る計算になる。怪物・松山の規格外の強さが、ここでも鮮明に浮かび上がった。
プロの世界には、華やかな賞金争いの裏に過酷な生存競争が隠されている。次回のトーナメント観戦では、選手たちが背負っている「1打の価値」に注目してみると、より奥深いゴルフの魅力に気づけるかもしれない。
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