
LIVゴルフ史上27回目の快挙となるパーオン率100%を達成したセルヒオ・ガルシア(提供/LIVゴルフ)
全盛期を彷彿とさせる、驚異の「パーオン率100%」
ガルシアはこの日、なんと18ホール全てのホールでパーオン(パー4なら2打、パー5なら3打など、規定打数より2打以上少ない打数でグリーンに乗せること)に成功した。どんなに調子の良いトッププロであっても、1ラウンドで100%グリーンを捉え続けることは至難の業だ。特に、少しでもフェアウェイを外せば木々がスタイミーになる香港のレイアウトにおいて、この記録は彼のアイアンショットの精度がいかに神懸かっていたかを証明している。
「いくつか怪しいショットもあったけれど、うまくリカバリーできたよ。18回すべてグリーンに乗せられたのは、ストレスがなくて最高だね」
ラウンド後の会見で、ガルシアは涼しい顔でそう振り返った。
かつて「神の子」と呼ばれ、ピンをデッドに刺す弾道で世界を魅了した全盛期のボールストライキング。40代半ばを迎えた今もなお、その圧倒的なショット力が健在であることを、強烈な形でアピールしてみせた。
香港GCとバルデラマに共通する、愛すべき“バイブス”
なぜ、ガルシアはこの香港の地でこれほどまでに強いのか。その答えは、彼が語ったコースとの「相性」にある。
「僕は、このコースの『バイブス』を心から楽しんでいるんだ。僕の母国スペインにあるバルデラマ(レアル・クラブ・バルデラマ)に似た雰囲気があるんだよ」
バルデラマといえば、極端に狭いフェアウェイと小さなグリーンで知られる欧州屈指の難コースであり、ガルシアが数々の栄光を刻んできた得意コースだ。
「伝統的で、グリーンがとても小さい。とにかく遠くまで飛ばさなければいけないわけではないけれど、とにかく『正確性』が求められる。自分のゲームの調子が良い時、僕はそういう正確なプレーがとても得意なんだ」
パワーでコースをねじ伏せる現代のプレースタイルとは一線を画し、緻密なコースマネジメントとショットの精度で勝負する。香港ゴルフクラブの特性は、ガルシアが長年磨き上げてきた職人的なプレースタイルに、パズルのピースのように完璧に合致しているのだ。
コンディション変化への警戒と、連覇への自信
この日の香港は、前日からの雨の影響でコース全体が柔らかくなっていた。
「今日はグリーンもフェアウェイもソフトで、このコースとしてはこれ以上ないほどやさしい状況だった」と振り返りつつ、今後天気が回復し、コースが乾いて全く別の顔を見せることについても「間違いないね」と同調。ベテランらしくコースが牙を剥くことへの警戒も忘れない。
「昨年ここで勝てたことは素晴らしい思い出だ。こうしてまた良いスタートが切れて嬉しいよ」
好きなコースに似た雰囲気と、昨年の優勝から来る絶対的な自信とともに放たれる精密なアイアンショット。コンディションが硬く、速く、厳しくなってからこそ、ガルシアの真骨頂が発揮される時だ。ディフェンディングチャンピオンの連覇に向けた視界は、良好といっていいだろう。
