
ホールインワンを達成した7番アイアンとスリクソンのボールを手にする小祝さくら(撮影/岡沢裕行)
13番パー3、7番アイアンで放たれた打球はピン筋に飛び、カップ手前3メートルにキャリーした。「いつも入らないので……。消えた瞬間はすごいびっくりしました」と小祝自身も驚いたその一打は、試行錯誤の末に導き出したアドレスの修正から生まれていた。

調子が良かった7番アイアンでボールと体の距離を記録する小祝とキャディ
今大会、小祝はアイアンショットの違和感を解消するため、アドレス時のボールと体との距離を意図的に詰めている。「(ボールとの距離を)10センチはないんですけど」と6~7センチほど広げた親指と人差し指でその幅を示しながら「結構近づきます。最近ずっと遠くて、それを意識して変えてみました」と説明する。このわずかな修正が、ショットの精度を劇的に向上させた。
「結構詰まった感じはします。最初は大丈夫かなと練習でやってたんですけど、意外と球が良かったので、あんまり気にしないでやっていこうという感じでした」

ボールと体の距離を測ったシャフトに「Lは左足、7は7番アイアン」の印をつけた
技術的な手応えを確かなものにするため、ラウンド後の練習場では新岡隆三郎キャディとともに、この日の「正解の距離」を丹念に数値化した。7番アイアンで構えた状態からキャディがシャフトの先を左足のつま先に当て、ボールまでの距離を測る。今日開幕するWBCでも見られる、大谷翔平がバッターボックスに入るときにスタンス位置を確認するルーティンのようだ。「私も真似ようかな」と笑みをこぼしながらも、その作業を入念に行った。
「今は(狙った)ラインですね。ちゃんと狙った球が出るかというところを一番重視してやっています。あとはアドレナリンが出た時にどうなるか。風も強いので調整しながら」と、復帰初戦特有の感覚と向き合っている。
ホールインワン賞の50万円については、「沖縄はステーキが有名なので、ホテルの近くの有名なところで食べたいな」と語った。一方で、縁起のいいボール自体は「お守りとしてバッグの中に隠しました」と囲んだ記者たちを笑わせた。
予選落ちの危機から一転、優勝争いに加わった小祝は、明日の決勝ラウンドに向けても「感覚は良かったので、それをしっかりと明日以降も続けていけるように」と淡々と話した。
