
開幕戦女王の佐久間朱莉(撮影/岡沢裕行)
ショートゲームやボールコントロールの技術が昨年よりレベルアップ

18番パー5の3打目アプローチする佐久間(撮影/岡沢裕行)
今大会の勝因について、佐久間は「風の読みがうまくいってくれたのが一番大きかった」と振り返る。また、大会期間中にウェッジのシャフト変更という異例の決断を下したことも功を奏した。
「2日目の17番で、自分の中で良いショットができたのに若干弱かった。そこに違和感があって(シャフトを)変えてみてもいいんじゃないかと話して変えました」
新しい”ウェッジ”は、ヘッドの重みを感じて打てる感触が良く、難しいライやバンカーからの抜けも改善されたという。「自分が良いショットだったのに、その見返りがないクラブはもったいないと思えるようになった」と、自身の感覚と結果の一致に強いこだわりを見せた。

体幹の「縦の動き」でボールコントロールする佐久間のティーショット(撮影/岡沢裕行)
技術面で今大会のプレーを支えたのは、オフから取り組んできた体幹の「縦の動き」だ。スウィングの際、インパクトからフォローにかけて、ボールのつかまりを良くするための動きで、佐久間は横の回転ではなく「縦の動きです」と説明する。この動きが100ヤード以内のコントロールショットやドライバーまで一貫してできたことが、開幕初日から連続44ホールボギーなしという新記録とともに、4日間でボギー2つという安定したラウンドにつながった。
勝っても「80点」。先を見据えた練習法に取り組む
最終日のスタート前にもショートゲームとショットの確認に時間を費やした。1時間20分前にはパッティンググリーンに現れ、パターにひもを垂らしてストロークのチェックを行う。
「パターのひもをやっているのは昨年から。今週はとくに風が強くてリズムが崩れちゃうので、そこをしっかりルーティンで取り入れています」

バンカー練習をする佐久間朱莉
アプローチ練習場では、今大会最も力を入れたバンカー練習に励んだ。右手一本、左手一本、そして両手と、砂を多く取らずにクリーンにヒットさせる練習を繰り返す。「バンカーで(直接)グリーンに打てたら、もう本当にどこのライからでも上手く打てると思う」と話す。

パターにひもを垂らして、パッティングのリズムをチェックする佐久間
この徹底した練習が、今大会のデータに表れた。グリーンを外した際にパー以上で上がる「リカバリー率」は88.8889%で1位。さらに「パーセーブ率」も97.2222%で同じく1位を記録した。琉球の難しいラフやバンカーを攻略したことが、2日目62のコースレコードタイやバーディラッシュとピンチでの粘り強さを生んだ。
精神的な支柱となっていたのは、亡き師匠・ジャンボ尾崎への想いだ。
「今シーズン勝てなかったら、ジャンボさんには絶対に怒られると思う。絶対に勝つという思いでした。ジャンボさんが亡くなってから、外に出たい気持ちもなかったし、ご飯を食べられない日も続きましたが、そんなことしてる場合じゃないなとふと思いました」
16日にはお別れ会が控えている。
「まずは今までありがとうございましたという言葉と、開幕戦で優勝することができましたと伝えたい。見守ってくださいと言えば、『まだまだ始まったばっかりだぞ』と言われるんじゃないかなと思います」
自己採点は「80点」。女王の視線はすでに、さらなる技術の向上と年間5勝という高い目標に向けられている。
