JLPGAツアー46年ぶりの海外開催となる「台湾ホンハイレディースゴルフトーナメント」。その決戦の舞台となるのは、台湾北部の桃園市に位置する名門「東方高爾夫倶楽部(The Orient Golf & Country Club)」だ。全長6720ヤード、パー72のセッティングは、戦略性に富んだ美しいレイアウトを誇る。しかし、その美しさの裏には、温暖な台湾特有の気候や芝質、そして海からの強風といった、日本のコースとは全く異なる過酷な試練が隠されている。この「アウェー」の環境が牙を剥くとき、トッププロたちはいかにしてこの難攻不落の要塞を攻略するのだろうか。

古江彩佳と佐久間朱莉が警戒する「芝とグリーン」

画像: 海外経験が豊富な古江も東方GCのティフトンのラフ、風には警戒する(写真は25年JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ、撮影/岡沢裕行)

海外経験が豊富な古江も東方GCのティフトンのラフ、風には警戒する(写真は25年JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ、撮影/岡沢裕行)

練習ラウンドを終えた選手たちの証言から浮かび上がってきたのは、東方GCの「芝とグリーン」、そして特有の「風」の恐ろしさだ。アメリカを主戦場とし、あらゆる環境に適応してきた古江彩佳でさえ、その異質なコンディションに警戒感を強めている。

「風が強く、アップダウンがあったり、芝が違う感じがあるので、ラフに入った時が特にティフトンの芝が多いなと感じた。コース自体も難しいですけど、そこの芝の部分も含めて難しいなと思います」

粘り気が強く、クラブのヘッドに絡みつくティフトン芝のラフ。フェアウェイを外せばスピンコントロールを奪われ、スコアメイクは一気に困難を極める。

画像: 開幕戦を制した佐久間朱莉は傾斜のあるグリーンをどう攻略するか(写真は26年ダイキンオーキッドレディス、撮影/岡沢裕行)

開幕戦を制した佐久間朱莉は傾斜のあるグリーンをどう攻略するか(写真は26年ダイキンオーキッドレディス、撮影/岡沢裕行)

さらに、今季開幕戦を制した佐久間朱莉も、グリーンと風に対する恐怖心を口にした。

「グリーンの傾斜がきついので、奥に行ってしまったら止まらないなっていう印象も受けましたし、距離も長いので、セカンドで握るクラブも長く、タフなコンディションだなと」

長い番手を持たされながら、硬く傾斜の強いグリーンにボールを止めなければならない。加えて彼女が指摘するのは、台湾の風の質だ。

「風も強くて、重たい印象があるので、そこのジャッジはしっかりしないと難しいなと思っています」

湿気を帯びた重い風は、ボールの飛距離を容赦なく削ぎ落とす。正確な距離感のジャッジが狂えば、たちまち「止まらないグリーン」の罠に飲み込まれてしまうのだ。

地元・台湾のホープ、ウー・チャイェンの攻略法

画像: 「すごくこの大会を楽しみにしています。優勝を目指して頑張りたいです」と地元開催の大会に意気込むウー・チャイエン(写真は26年ダイキンオーキッドレディス、撮影/岡沢裕行)

「すごくこの大会を楽しみにしています。優勝を目指して頑張りたいです」と地元開催の大会に意気込むウー・チャイエン(写真は26年ダイキンオーキッドレディス、撮影/岡沢裕行)

日本勢が警戒を強める中、このコースを知り尽くしているのが地元・台湾のホープ、ウー・チャイェンだ。JLPGAツアーでも活躍する彼女の視点は、より具体的かつ戦略的である。

「コースには詳しいのですが、風がすごく強く、グリーンの傾斜も強いので、挑戦的なコースだと思います」と、ホームであっても決して油断できないセッティングであることを認めている。勝負の分かれ目となるキーホールについて、彼女は具体的な番号を挙げた。

「インコースだと、14番と16番は距離もすごく長く、アゲインストも強いですし、注意していきたいと思います」(※大会の公式ヤーデージによれば、14番は423ヤードの長いパー4、16番は208ヤードの長いパー3であり、ここにアゲンストの風が吹けば、プロでもパーセーブが至難の業となる)

では、この牙を剥く強風に対して、どのような対策をもって挑むのか。ウー・チャイェンが明かした技術的アプローチは実にシンプルだった。

「低い球を打つことです」

重く強い向かい風の下を潜り抜けるような、強弾道のパンチショットやスティンガー。風と喧嘩せず、自然の猛威を巧みにいなす弾道コントロールこそが、東方GC攻略の最適解なのだ。

コースマネジメントの極致へ

単なるパワーゲームではない。重い風を読み切る力、ティフトン芝への対応、そして強風下でボールの高低を操る高度なショットコントロール。

自然とコースが織りなす極限のサバイバルテストを制し、優勝賞金36万USドル(約5700万円/3月9日レート)のビッグマネーを手にするのは誰か。4日間を通して繰り広げられる、トッププロたちの緻密なコースマネジメントと技術の応酬に、ぜひ注目してほしい。

なお、BSテレ東での放送(VTR)は、3月14日(土)16時~17時30分、15日(日)16時54分~18時15分を予定している。また、インターネット配信(U-NEXT)では、3月12日(木)~14日(土)は12時15分~17時15分、最終日の15日(日)は12時15分~16時45分の時間帯でライブ中継が予定されている。


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