圧倒的な飛距離と科学的なアプローチでゴルフ界の常識を覆してきた「ゴルフの科学者」、ブライソン・デシャンボー(Crushers GC)。「LIVゴルフ・南アフリカ」の第3ラウンドでも「64」をマークし、通算21アンダーで単独首位をキープ。驚異的なボールストライキングでコースをねじ伏せている彼だが、ラウンド後の会見で披露したのは、プレーに関する話だけではなかった。記者からの質問をきっかけに彼が熱弁を振るったのは、自身の持つ革新的でマニアックな「コース設計(アーキテクチャ)論」だった。

長すぎる現代のゴルフへのアンチテーゼ

デシャンボーは、現在のゴルフコースのトレンドである「距離の長大化」に対して、はっきりとした疑問を投げかける。

「最近のパー3は、とにかく長すぎるんだ。40ヤードや50ヤードのパー3があってもいいじゃないか! なぜそういうホールがないのか、僕には理解できないよ」

パワーゴルフの代名詞とも言える彼が、「短さ」の価値を主張するのは意外に聞こえるかもしれない。しかし、彼が求めるのは単なる距離ではなく、究極の「思考と技術」を要求する設計だ。デシャンボーは、彼が理想とするコースデザインの一例として、全米オープンが開催されたロサンゼルス・カントリークラブ(LACC)の15番ホールを引き合いに出した。

「LACCが採用した『55ヤードのパー3(日によって距離が変わる設定)』は、本当に素晴らしい設計だった。短いウェッジのショットであっても、ミスが致命的な結果(コンシークエンス)を招く。そうやって、選手に深く考えさせる短いホールが必要なんだ」

自らが設計する「未来のコース」の姿

実はデシャンボーは、プロゴルファーとしてプレーする傍ら、すでにいくつかのゴルフコースの設計プロジェクトに携わっているという。 彼が設計するコースには、どんな哲学が反映されるのか。

「僕が設計するコースには、必ずワンオン可能な(ドライバブルな)パー4を2〜3ホール作るよ。そういうホールは、結果の変動や時にカオスを生み出し、イーグルを狙うチャンスを提供する。それがゴルフの醍醐味だからね」

長いだけのコースは退屈だ。「ゲームは長くなりすぎたし、僕らは必ずしもそれを必要としていない」と彼は語る。

「グリーンをもっと風変わりでユニークなものにして、ショットにも独自性を持たせるべきだ。そうすればゴルフはもっと楽しくなるし、プレーの進行スピードだって早くなるはずさ」

トッププロとして極限のプレッシャーの中で戦いながら、同時にコースデザイナーとして「いかに選手を惑わし、ファンを喜ばせるか」を思考し続ける。物理学の視点とエンターテインメントの精神を融合させた、デシャンボー独自の「未来のゴルフコース」。彼が思い描くその舞台が現実のものとなる日が、今から待ち遠しい。

デシャンボーが説く“パー3の醍醐味”を浅地洋佑が体現

画像: パーティホール「Lion's Den」と名付けられた17番はパー3で151ヤードだ(提供/LIVゴルフ)

パーティホール「Lion's Den」と名付けられた17番はパー3で151ヤードだ(提供/LIVゴルフ)

奇しくもこの日、デシャンボーが熱弁した「(短い)パー3がもたらす熱狂と醍醐味」を、南アフリカ大会の名物ホールで見事に体現してみせたのが浅地洋佑だ。

日本勢で唯一、26年LIVゴルフリーグに出場している浅地洋佑。3日目は首位と7打差の19位タイ(7アンダー)から上位進出を狙ったが、スタートホールとなった7番H、そして続く8番Hで連続ボギーの苦しい立ち上がり。しかし、9番Hでバーディを奪い、悪い流れを断ち切り、前半の最終ホールである15番Hもバーディとし、スタートと同じ7アンダーに戻す。

圧巻だったのは南アフリカ大会でパーティホール「Lion's Den(ライオンの巣穴)」と名付けられた17番H(151ヤード・パー3)。アイアンを振りぬくとピンそばに着弾。LIVゴルフ公式Xで実況のコメント「"That was as close as we've seen"(これほどまで惜しいショットはみたことがない)」とともに動画で紹介されたほどであわやホールインワンというスーパーショット。そのときのギャラリーの歓声はまるでエースを達成した選手を称えるようで、浅地も両手を挙げ、歓声に応えていた。

【動画】浅地洋佑、もう少しでホールインワンのスーパーショット【LIVゴルフ公式X】

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続く18番H、そして2番H、5番Hでもバーディを奪い、この日は4アンダーの「67」でラウンド。スコアを通算11アンダーまで伸ばしたものの、順位は5ランクダウンの24位タイで最終日を迎える。

※2026年3月22日11時00分、一部加筆修正しました。


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