カレドニアン・ゴルフクラブ(パー71)で開催されたアジアンツアー「インターナショナルシリーズ・ジャパン」。LIVゴルフへの登竜門となる高額賞金大会の最終日は、世界の強豪たちと日本人選手が激しく火花を散らす、手に汗握る優勝争いとなった。優勝は通算15アンダーまでスコアを伸ばしたオーストラリアのトラビス・スミス。しかし、日本のファンを最も熱狂させたのは、猛チャージを見せて優勝まであと一歩に迫った木下稜介だった。

木下稜介、怒涛のバーディラッシュで「63」の猛追と世界への手応え

首位とスコアが離れた状態で最終ラウンドを迎えた木下だったが、この日のゴルフはまさに神がかっていた。

画像: 最終18番ではボールがカップをクルっと回りながら入り、安堵の表情を見せた木下稜介(撮影/岡沢裕行)

最終18番ではボールがカップをクルっと回りながら入り、安堵の表情を見せた木下稜介(撮影/岡沢裕行)

前半を「33」で折り返すと、バックナインでも次々とバーディを奪取。風とプレッシャーでスコアメイクに苦しむ選手が多い中、最終ラウンドを8アンダーの「63」というフィールド屈指のビッグスコアでまとめ上げ、通算14アンダーでホールアウトしたのだ。

結果的に優勝したスミスにわずか1打及ばず、パビット・タンカモルプラサート(タイ)と並ぶ2位タイで大会を終えた。しかし、15番で惜しくもパットを外した悔しさをバネに、上がり3連続バーディ(16〜18番)を奪った執念は、海外の猛者たちを大いに脅かした。

試合後、木下は「優勝したら視野が広がるなと思っていた分、悔しいですが、決勝ラウンドで良いプレーができたので日本ツアーの開幕前に良い弾みになったと思います」と本音を吐露。単なる喜びだけでなく、世界を見据えるからこその悔しさが滲むこの言葉は、「海外進出に向けた確かな試金石」となったことを力強く裏付けている。

今平、蟬川が痛感した「世界で勝ち切るための壁」

前日首位タイに立ち、愛息の前での優勝を誓っていた今平周吾だったが、最終日は1アンダー「70」とスコアを伸ばしきれず、通算11アンダーの7位タイでフィニッシュした。一方、今平と同じく通算11アンダーの7位タイには、生源寺龍憲と蟬川泰果が食い込んだ。両者ともに最終日を5アンダーの「66」で回り、意地のトップ10フィニッシュを果たした。

世界で戦うポテンシャルの高さを遺憾なく発揮した日本勢だが、逆転優勝に届かなかった要因として、今平と蟬川はともに「パッティング」を挙げている。

画像: パッティング巧者の今平でもインターナショナルシリーズ・ジャパンの最終日はグリーン上がかみ合わなかった(撮影/岡沢裕行)

パッティング巧者の今平でもインターナショナルシリーズ・ジャパンの最終日はグリーン上がかみ合わなかった(撮影/岡沢裕行)

今平が「後半伸ばしたい感じでしたけどなかなかパットも決まってくれず」と勝負所での1打を悔やめば、蟬川も「1メートルのチャンスを外したりもったいないミスもあったので、優勝するためにはパッティングが1番重要になってくるのかなと思う」と冷静に分析。世界で勝ち切るためには「グリーン上での勝負強さ」が最後の鍵になるという、彼らにとって明確な課題と貴重な収穫を得た大会となった。

浅地洋佑が語る「プロ1年目のワクワク感」の正体

通算10アンダーの12位タイで終えた浅地洋佑も、最終日に「66」をマークして見事に順位を上げた一人だ。現在LIVゴルフリーグを主戦場としている浅地だが、この日の結果に対しては「もっと出せると思っていたので想定を下回り満足はしていない」と厳しい評価を下した。

その背景には、来シーズンのLIV出場権が確約されていないという切実な事情がある。だからこそ、LIVゴルフリーグへの参戦権を得られるインターナショナルシリーズでの上位進出に懸けているのだ。悔しさを滲ませる一方で、浅地は自身が戦うLIVゴルフの魅力について熱っぽくこう語った。

画像: 今季はLIVゴルフリーグを主戦場としている浅地洋佑。風格も出てきたように思える(撮影/岡沢裕行)

今季はLIVゴルフリーグを主戦場としている浅地洋佑。風格も出てきたように思える(撮影/岡沢裕行)

「右を見たら、ジョン・ラーム、左を見れば、ブライソン・デシャンボー、前を見ればセルヒオ・ガルシアと自分にプラスになる要素しかない。(あの舞台は)魅力がありますし、自分でプレーしていて楽しかったです。プロ1年目の気持ちを持ってワクワクしながらプレーできたので、もう一度(来年も)あそこでプレーしたいですね」

LIVゴルフという巨大なステージで世界的スターたちにもまれる日々が、彼の闘争心に火をつけている。世界レベルのフィールドで自分のゴルフが通用する喜びと、そこに留まり続けるための過酷なサバイバル。浅地の言葉は、この大会が選手たちに与える特別な価値の大きさを物語っている。

世界への扉を叩き続ける日本勢

画像: 優勝を決めた18番のイーグルパットを沈め大きくガッツポーズするトラビス・スミス(撮影/岡沢裕行)

優勝を決めた18番のイーグルパットを沈め大きくガッツポーズするトラビス・スミス(撮影/岡沢裕行)

年間王者に与えられるLIVゴルフリーグの参戦権を懸けた過酷なサバイバル戦は、スミスの逆転優勝で幕を閉じた。しかし、日本勢の層の厚さと、世界で堂々と戦える確かな実力を証明した大会でもあった。

「もう一度あそこでプレーしたい」——浅地が語ったその熱い思いは、優勝争いを演じた今平や木下、そして生源寺や蟬川ら多くの日本人選手に共通するものだろう。明確な手応えと課題を胸に彼らが切り開く世界への道、そして次なる海外への挑戦から、これからも目が離せない。


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