パーオン率9位(4月14日時点)のショットメーカー
ウー・チャイェン選手は、元々パーオン率の高いショットメーカーです。昨季のパーオン率は、72.3280%で14位。しかし、パットのスタッツが悪く特に3パットが多かったので、なかなか上位に顔を出せていませんでした。初優勝を飾った「エリエールレディス」ではスコッティ・シェフラーと同じ右手を上から添えるクロウグリップでした。ショットメーカーらしくアイアンでチャンスを作り、今季から使用する長尺パターでしっかりと沈め、米ツアーから一時帰国し参戦した岩井姉妹、竹田麗央の米ツアー組や佐久間朱莉を引き離し、2勝目を手にしました。
その長尺パターは今季の「Vポイント×SMBCレディス」から手にしており、パットが改善し、今大会の優勝へとつながりました。長尺パターのメリットは、特に手の動きが悪くなるショートパットの不安が取り除かれ動きやすくなること、振り子の支点が高くなることでストロークが安定することなどが挙げられます。男女・シニア問わず多くの選手が採用していますので、順手、クロスハンド、クロウグリップといったグリップの握り方のバリエーションと同じように長尺パターも市民権を得ているのではないでしょうか。

長尺パターを手にパットをことごとく決め、今季初優勝を飾ったウー・チャイェン
ショットメーカーのスウィングを見てみると、左手の甲が正面から見えるストロンググリップで握り、フェースを開かずにトップを迎えます。ストロンググリップのメリットは、トップで左手首を手のひら側に折る掌屈が必要ない点や、右手は甲側に折れる背屈がしやすいのでトップでターゲットラインとシャフトがクロスすることも少なくなる点などが挙げられます。

左手の甲が正面から見えるストロンググリップで握り、トップではフェースが空を向き閉じた状態を作る
左へ踏み込んで切り返し、手元を下に下ろしてから回転へと移ることで、手元の通り道が確保され、インパクトで手元が浮き上がることなく、ライ角通りのインパクトを迎えています。

左へ踏み込んでから切り返し、手元を下ろしてから回転が入る
トップでフェースが空を向きフェースが閉じた状態になっているので、フェースを閉じる動作(ローテーション)を過度に入れる必要がなく、インパクト前後でフェースの開閉が少なくなることで方向性が良くなる点もストロンググリップのメリットです。もちろんスクエアグリップやウィークグリップでも名手は存在しますので、自分にマッチしているグリップを身に付けることが大切です。

フェースの開閉が少ないストロンググリップのメリットを生かしたスウィングでピンを狙う
グリップの握り方によって腕の使い方、フェースの開閉度合いも変わりますのでグリップの握り方から真似したい選手を選ぶと参考になる部分は多くなるはずです。
台湾出身のウー・チャイェン選手は、「日本食は美味しい」、「日本は楽しい」と日本語を話し日本に馴染もうとする努力を怠りません。長尺パターを武器にアウェイ感なく、伸び伸びとプレーする姿に複数回優勝の期待も高まります。
写真/大澤進二
