「実名報道はゼロ」スコット・オニールの怒りと誇り
この事態に対し、LIVゴルフのスコット・オニールCEOはメディアの前で真っ向から反論した。彼の言葉には、センセーショナルな見出しに走る一部メディアへの強い憤りと、組織のトップとしての確かな誇りが滲んでいた。

LIVゴルフ・メキシコシティの会場にきてメディア対応や試合を観戦しているLIVゴルフCEOのスコット・オニール氏(PHOTO/Getty Images)
「秘密の会議が行われたとか、ニューヨークへ呼び出されたといった見出しは、話題作りやクリックベイト(閲覧数稼ぎ)を狙ったものだ。私はニューヨークに住んでいるから自分で行くのは簡単だけどね」と皮肉交じりに一蹴。さらに報道の信憑性について、「これほど匿名の情報源ばかりの業界は見たことがない。今朝の報道を読んだが、実名で語っている情報源は一つも見当たらなかった」と痛烈に批判した。
オニールCEOによれば、組織は完全に「平常運転」だという。そして、LIVゴルフの存在意義について力強くこう語った。
「もし私がPGAツアーの選手なら、LIVには生き残ってほしいと思うはずだ。賞金もかなり良くなったし、競争はビジネスにとって良いことだからね。ファンにとっても世界中でゴルフが見られるのは素晴らしいことだ。LIVゴルフがなくなるよりも、ここにあるほうが得られるものは圧倒的に多い」
ジョン・ラームが明かした「内部の空気」と究極の冷静さ
経営トップが外野のノイズを切り捨てる一方で、現場で戦う選手たちはどう感じていたのか。看板選手であるジョン・ラームに対しても、会見で「この噂にどれほど気を取られたか」という質問が飛んだ。
しかし、現世界トップクラスの勝負師の心は、微塵も揺らいでいなかった。
「責任者たちが噂が本当かどうかを教えてくれるまでは考えない。そのことを考えたり、考えるために時間を無駄にしたりするのは意味がない。我々はここにいて、プレーすることを知っているのだから、トーナメントに向けて準備をする。それだけだ」
ラームがこの騒動を全く心配しなかったのには、組織内部にいる人間ならではの決定的な理由があった。
「通常なら、こうした噂が始まる前に、リーグ内の誰かがすでに何かを知っているものだ。今回はすべてが突然で速すぎたから、本当に心配すらしていなかったよ」
外から作られた不自然なノイズであることを、彼は直感的に見抜いていたのだ。
ノイズを越えて続くゴルフ
メディアが実体のない「危機」を煽り立てる中、LIVゴルフの経営トップは事実とビジネスの実績をもって真っ向から反論し、選手たちは一切動じることなく目の前のプレーに向けて淡々と準備を進めていた。これが、噂の裏側にあった現時点での「事実」である。
「我々がやっているように成長の軌道を維持し続ければ、これは非常に長い間、本当に素晴らしいビジネスになる」
オニールCEOのこの宣言は、ゴルフ界を巡る狂騒に対する一つの明確な答えだ。雑音は消え、選手たちは今日もティーグラウンドに立つ。LIVゴルフの挑戦は、これからも続いていく予定だ。
