ルーキー小田祥平が「64」の猛追。極限状態で並んだ運命の最終18番

惜しくも優勝を逃してしまった小田祥平(撮影/アラキシン)
最終組は、首位タイから出た杉原大河とチョウ・ラクヒョン、そして2打差の3位タイからスタートしたルーキー・小田祥平の3人。この直接対決で凄まじい猛追を見せたのが小田だった。
小田は出だしの1番でバーディを奪うと、6番、8番、9番でもバーディを重ねて前半を折り返す。後半も勢いは止まらず、10番、12番でスコアを伸ばした。13番でボギーを叩くも直後の14番で取り返し、さらに16番では見事なチップインバーディを奪取。怒涛のバーディラッシュで、ついに杉原を抜いて単独首位へと躍り出た。
一方、首位から出た杉原の道のりも決して平坦ではなかった。前半はパーを並べる我慢の展開から、5番、7番でバーディを先行させたものの、9番でボギーを叩いてしまう。
勝負のサンデーバックナインに入ると、10番、13番、14番と着実にバーディを奪って必死に応戦する。16番での小田のチップインによって一度は首位の座を明け渡した杉原だったが、直後の17番で小田が痛恨のボギー。これにより両者は通算15アンダーで再び首位に並び、息詰まるデッドヒートは、運命の18番ホールへ。
プレーオフ目前、杉原大河が放った「執念の1打」

見事にチップインバーディで勝利を収めた杉原大河(撮影は東建ホームメイトカップ 2026:撮影/姉崎正)
運命の18番ホール。杉原の2打目はグリーンを捉えきれず、右へと外れる。誰もがプレーオフを覚悟したが、ここでドラマが起きた。時間をかけずに放ったアプローチは、すんなりとカップに吸い込まれ、値千金のチップインバーディ。16番での小田のチップインに、チップインでやり返すかのように、土壇場で小田を1打突き放し劇的な決着をつけた。
最終日の杉原は6バーディ、1ボギーの「65」をマークして勝利。敗れはしたものの、小田もこの日8バーディ、2ボギーの「64」という圧巻の猛追を見せ、勝者を極限まで追い詰めた。
3位には通算14アンダーでチョウ・ラクヒョンが入った。杉原らとともに最終組で回ったチョウは、3番、4番、9番、10番、14番と5つのバーディを奪って食らいついたが、後半の13番、15番でのボギーが響き、優勝争いから一歩後退。最終日は5バーディ、2ボギーの「67」でフィニッシュした。
優勝後、仲間からウォーターシャワーの祝福を受けた杉原は、前戦「Novil Cup」で2位に甘んじた雪辱をこれ以上ない形で果たした。
「第1回大会の優勝者になれたことを嬉しく思います。ACNツアーで更に勝ち、レギュラーツアーでシードを取り戻すことを目標として頑張っていきます」と、その視線はすでに、かつて主戦場としていた舞台での復活へと向けられている。劇的な結末で幕を閉じた今大会、杉原の執念が呼び込んだチップインは、新設大会の歴史に刻まれる鮮烈な1打となった。





