多くのゴルファーが使用する”マレット型”パター。いまや、プロの間でもその傾向は同様だ。ギアオタクでフィッターの小倉勇人と、ツアープロのパター事情について考えてみた。
画像: マスターズ連覇のR・マキロイのパターはショートスラントネックのマレット型

マスターズ連覇のR・マキロイのパターはショートスラントネックのマレット型

マレット型の強みとは?

クラブフィッター小倉です。今回は、ツアープロのパターについてお話ししていきたいと思います。USPGAのトーナメントを見ていると、年々マレットタイプのパターを使用しているゴルファーが増えていると感じます。マスターズをご覧になった方は、特にそう感じたのではないでしょうか。

これらの要因は、近年のトーナメント開催コースのグリーンコンディションにあるのでは、と思っています。マレットタイプは重心が深く、少々のミスを許容してくれる頼もしいパターですが、タップ式、いわゆるインパクトで強弱をつける打ち方とはマッチしにくいです。

ブレードタイプは重心が浅いため、インパクト後にヘッドを押し込む動きが少なく、タップ式でも距離感が出しやすい。対する重心の深いマレットは、インパクト後に遅れて押し込む動きが発生するため、タップ式のストロークだと思った以上にインパクトが強く入ってしまう、いわゆるパンチの動きにつながってしまったり、パンチを怖がってインパクトが緩んでしまったりとミスを誘発してしまうことがあります。

こういった動きの違いがあるため、マレットタイプのパターは、ショルダーストロークで振り子のように打つのが良いとされ、感性を生かして、テクニックを使いたいならブレードタイプが良いとされています。

USPGAツアーの開催コースは、すべてのコースがマスターズのようなカーペットのように整備されたベント芝のグリーンばかりではなく、開催される地域によって芝質や転がりが大きく変わります。暑さの厳しいエリアでは、バミューダ系と呼ばれる芝が使用されており、日本の高麗芝のように非常に芝目が強く、抵抗が大きいのが特徴です。

もちろんトーナメント用に仕上げて良い転がりがするようになっているのですが、それでもベントグリーンの転がりとは大きく変わってきます。日本で有名なのがポアナ芝です。バミューダとは違う種類ですが、ボールが跳ねやすく、転がりが不規則になるため難しいと言われています。

私も何度かポアナ芝でプレーしたことがありますが、ちゃんとストロークしても芝目に負けてしまったり、一見平らに見えるのですが、いきなりボールが跳ねたりとかなり手こずった思い出があります。こういったコースでは、より繊細なタッチの調整がしやすいブレードタイプの方がマッチしやすいと言われています。実際私もプレーしてそう感じました。

現地に行って調査したわけではありませんのであくまで想像ですが、こういった芝目の強いグリーンでもメンテナンスが良くなり、よりマレットタイプの強みが生かしやすくなったのが、トーナメントで多く見かけるようになった要因かなと感じています。

もちろんパター自体もインサートの進化などにより、芝目に負けない強い転がりを打てるようになったという部分もあるでしょう。ミスに強く、重心が押し込んでくれる動きがプレッシャーのかかるパット時に効果的という部分もあると思います。それでもブレードタイプがなくならないのは、それぞれにメリットがあるからです。現在のグリーンの多くがもしポアナ芝だったらブレードタイプが多くなっていたかもしれませんね。


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