「全米女子オープンゴルフ選手権」への切符をかけた最終予選会が、千葉県の房総カントリークラブ房総ゴルフ場にて開催された。会場となったのは、7300ヤードを超え、広く雄大なレイアウトで豪快なショットが要求される「東コース」と、距離は短めながら地形を巧みに生かしたハザード配置が戦略性を高めるテクニカルな「西コース」の計36ホール。この対照的な表情を持つ2コースを1日で回る過酷な激闘の末、本戦出場権を手にする4名が決定した。前週の国内ツアー覇者や、不調を新兵器で打破した実力者、そして驚異の粘りを見せたアマチュアなど、それぞれのドラマが交錯した1日を振り返る。
画像: 予選を突破したオ・スミン、ウー・チャイェン、後藤未有、高橋彩華(大会提供)

予選を突破したオ・スミン、ウー・チャイェン、後藤未有、高橋彩華(大会提供)

【通算8アンダー・1位】後藤未有
新パターが的中! 初米ツアーが全米女子オープンに

通算8アンダーで単独トップ通過を果たした後藤。第1ラウンドの西コースでは、パー4の6番とパー5の7番、さらに共にパー4の10、11番と2度の連続バーディを奪う快進撃を見せ、7バーディ、2ボギーの「67」。勢いそのままに第2ラウンドの東コースでは4バーディ、1ボギーの「69」と伸ばし、トータル8アンダーで危なげなく全米女子の切符を手にした。

勝因は「ワラにもすがる思い」で今朝投入した新パターだ。以前のセンターシャフト仕様では「真っすぐ打つ」意識が強く体が固まっていたが、前日に完成したばかりのスコッティキャメロンのブレード型ロングネックを実戦初投入した。開閉を適度に抑えつつ、感覚を生かして自由に打てるこの一本が「タッチもライン出しもイメージ通り」と的中。パー5の7番(西コース)で10メートルのロングパットを沈めるなど、ぶっつけ本番で最高のパフォーマンスを引き出した。本戦でも気負わず、自分らしいゴルフを誓った。

画像: パターの変更功を奏した後藤未有(大会提供)

パターの変更功を奏した後藤未有(大会提供)

【通算7アンダー・2位】ウー・チャイェン
極限の疲労を集中力で凌駕! 第2ラウンドはノーボギーで本領発揮

先々週(4/10~12)に開催されたJLPGAツアー第6戦「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」でツアー2勝目を挙げたウー・チャイェンは、先週の「KKT杯バンテリンレディス」は予選落ち。しかし今大会では抜群の修正力を発揮した。

第1ラウンド(東C)を5バーディ・2ボギーで首位発進すると、体力が削られる第2ラウンド(西C)は4バーディ・ノーボギーにまとめ、通算7アンダーの2位通過。「後半の後半は疲れで集中力が切れそうだった」と明かすが、「しっかり集中することが一番大事」と己を鼓舞し、ルーキー時代から培ってきたさすがの実力を見せつけた。「後半ノーボギーのラウンドはすごく満足。世界一の選手と難しいコースに挑戦したい」と初のメジャーへ向けて目を輝かせた。

画像: どの試合でも積極的にコミュニケーションを取っている印象を受けるウー・チャイェン

どの試合でも積極的にコミュニケーションを取っている印象を受けるウー・チャイェン

【通算4アンダー・3位】高橋彩華
過酷なスケジュールと疲労を克服。不屈の精神で掴んだ切符

画像: キャリーで15ヤードも飛距離が落ちたなかでも、抜群の安定感で勝ち抜いた高橋彩華(大会提供)

キャリーで15ヤードも飛距離が落ちたなかでも、抜群の安定感で勝ち抜いた高橋彩華(大会提供)

昨日(4/19)終了した「KKT杯バンテリンレディス」で今季2勝目を飾ったばかりの高橋彩華は、過酷な状況を乗り越えて本戦切符を掴み取った。前日はフライトの遅延により熊本からの帰宅が21時半過ぎとなり、今朝は3時半起き、というハードスケジュールのなか、人生初となる1日36ホールの激闘に挑んだ。

第1ラウンド(西C)を2バーディ・1ボギー、第2ラウンド(東C)を4バーディ・1ボギーと安定したゴルフを披露。疲労の影響で「ドライバーならキャリーが15ヤードほど落ちていた」と明かすが、一方で「横ブレはそんなになかった」と、飛ばないなりに曲げない卓越した技術でスコアをまとめた。得意とするハードなコンディションを味方につけ、見事に3位に食い込んだ。

「前の自分よりどれくらい通用するか楽しみ。まずは予選通過が目標」と意欲を見せた高橋。死闘を終えた今の気分を問われると「終わったー! やっと。今はとにかくラーメンが食べたいです」と、最後は弾けるような笑顔で締めくくった。

画像: 高橋彩華の朝イチティーショット。7時30分に西コース10番からスタートした

高橋彩華の朝イチティーショット。7時30分に西コース10番からスタートした

【通算2アンダー・4位タイ】オ・スミン
尾関彩美悠とのプレーオフを制し、最後の一枠を手中に

通算2アンダーで並んだ尾関彩美悠とのプレーオフに突入したのは、韓国のアマチュアのオ・スミン。第1ラウンド(東)を3バーディ・1ボギー、第2ラウンド(西)を2バーディ・1ボギーと安定感を見せた15歳は、土壇場でさらなる輝きを放った。サドンデス1ホール目、尾関がパーとしたのに対し、プレッシャーのかかる場面で見事にバーディを奪取。勝負強さを見せつけ、最後の一枠をもぎ取った。

画像: 尾関とのプレーオフを制し、切符を手に入れたオ・スミン

尾関とのプレーオフを制し、切符を手に入れたオ・スミン

過酷な36ホールを戦い抜いた4名が全米への切符を手に入れた。コンディションの調整や技術的な試行錯誤を経て掴んだこのチャンスは、彼女たちにとって大きな自信となるはず。世界最高峰のセッティングが待ち受ける本戦で、この予選会の勢いそのままに躍動する姿を期待したい。


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