怪我をおして練習するゴルファーは少なくないが……

ゴルフインストラクター・後藤悠斗プロ
不注意や加齢による身体機能の低下……様々な要因で、日常生活でも怪我をしてしまうことがある。「でも意外といるんです、ちょっとした怪我なら練習してしまう方って」と後藤は言う。
「怪我をしたら安静にするって『何を当たり前のことを』と思うかもしれませんが、意外といるんですよ。本当に月イチくらいで見かけます。
もちろん、再発の可能性が大いにある持病や、もう治らない怪我って、ゴルフをするなら向き合っていくしかありません。ここで言う怪我とは、比較的軽傷で完治が見込めるもののことです」(後藤、以下同)
例えば「筋を少し痛めた」「軽く捻挫した」「ちょっと前にぎっくり腰して、少し症状が落ち着いてきた」など、動けなくはない程度の時、安静にするより練習への欲が勝ってしまうゴルファーはそこそこいるという。しかし「怪我をおしての練習は、スウィングが崩れるきっかけになってしまいます」と後藤は続ける。

怪我をした状態での練習は、怪我を悪化させる危険があるだけではなく、スウィングが崩れるきっかけになり得るという(写真はイメージ)
「怪我の治りが遅くなったり悪化する危険もありますし、何よりそんな状態で練習するとスウィングが崩れてしまうかもしれません。痛みを避けるために普段できている動きができなくなり、それを庇うように、普段ならしない動きが生まれてしまうからです。それって、怪我が治った後に上達の妨げになりかねません。
ほんの小さな怪我でも、スウィングへの影響度が大きい部位だったら影響が出てしまいます。例えば、料理していて指に切り傷を作ってしまったとしましょう。
絆創膏を貼っていればすぐ治る程度のものでも、クラブを振る際にはグリップを握り込むわけで、負荷がかかったら痛むでしょう。握ったら痛む時点でグリップ圧も普段より緩み、そのぶん無意識のうちに他の動きでカバーしようとしてしまうんです。当然、普段通りのスウィングではなくなってしまいますよね」
怪我をしていても練習がしたい。そう思うくらいゴルフに熱中しているのに「その気持ちが逆効果になってしまうのはもったいないです」とのことだ。
「『クラブを触りたい』という前向きな姿勢は良いと思いますが、時には我慢も大切です。怪我をした箇所や程度にもよりますが、触るにしてもせめてアプローチやパットのような、体を大きく使わない練習にするのが良いですね」
レッスンを受けるなら事前申告が大事
そして最後に、現在レッスンを受けている、もしくは今後レッスンを受けてみたいというゴルファーへ向けるアドバイスとして「自分の体のクセや持病などがあれば、絶対に言ったほうが良いです」と後藤。
「教える側は生徒の特徴に応じて上達の筋道を考えます。例えば、猫背が強い方だったらそれに合わせたスウィングを教えるわけです。ただ、申告されていないことまですべて見抜けるとは限りません。
後から怪我や持病などが原因で『この動きは難しい』と発覚すると、今後のレッスンプランも見直しが必要になってきます。だから『手首を以前痛めてしまい、動きが硬い』『デスクワークなのでちょっと腰に負担が……』『首や肩がこりやすい』みたいな、どんな細かいことでも言ったほうが良いですね。
僕がレッスンする時はまず確認しますが、聞かないインストラクターもいると思いますし、自分から言えば間違いありません。レッスンする側からすると『じゃあここはあまり負担をかけないようにしよう』といった対応もしやすくなります」


