「前澤杯 MAEZAWA CUP 2026」の本戦が4月23日に幕を開けた。初日は午後から雨が降り、風も吹くコンディションとなった。12時時点の気象データでは、気温19度、北風2m/sの雨模様が記録されている。今大会の舞台「MZ GOLF CLUB」は6,652ヤード(パー72)と距離が短く、悪天候の中でも男子プロならではのダイナミックな攻めのゴルフが展開された。初日だけで全体で合計12個ものイーグルが飛び出し、特に8番ホール(パー5)では、宮里優作や藤本佳則を含む8名がイーグルを奪取する“イーグルラッシュ”となった。一方で、グリーンは過酷そのもの。初日の公式データではグリーンの速さを示すスティンプメーターが「11 3/4」、硬さを示すファームネスが「241」を記録。プロでも苦戦する高速・高硬度なセッティングが選手たちの前に立ちはだかった。この環境下で、トッププロたちはいかにしてスコアを伸ばしたのだろうか。

スウィング改造で覚醒! 中西直人と藤本佳則が上位を牽引

画像: 左:中西直人(提供:ディライトワークスJGTOファイナル)/右:藤本佳則(写真は東建ホームメイトカップ/姉崎正)

左:中西直人(提供:ディライトワークスJGTOファイナル)/右:藤本佳則(写真は東建ホームメイトカップ/姉崎正)

リーダーボードの最上段に名を刻んだのは、9アンダー「63」というビッグスコアを叩き出した中西直人だ。このスコアは、自身のツアー最少ストローク記録であった「64」を1打更新する自己ベスト。ラウンド終了時点での単独トップも、2022年の三井住友VISA太平洋マスターズ以来、4年ぶりの快挙となる。長年取り組んできたスウィング改造が昨年末にようやく完了し、ヘッドスピードが劇的に向上。飛距離は300ヤード近くに達し、「人生で一番飛んでいる」と絶対の自信をのぞかせ、スウィング改造の成果を強力に裏付けるラウンドとなった。

大会前に行われた国内史上初となる10日間のプロアマ戦に5日間出場し、「喋りすぎて喉がガラガラ」と笑う余裕も見せる中西。主催者の前澤友作氏から「シードを取らないと」と直接激励を受けた男が、見事な首位発進を決めた。

1打差の8アンダー「64」で単独2位につけたのが藤本佳則だ。ボギーフリーの完璧なラウンドを展開し、フライヤーを警戒しながらも「グリーンに乗ればいい」という堅実なマネジメントが光った。藤本もまた、長きにわたるスウィング改造が完成に近づいており、その確かな手応えを見せつけている。もし今大会で優勝を果たせば、2013年以来のツアー3勝目。ブランク期間は「12年195日」となり、ジャパンゴルフツアーにおいて長谷川勝治、横田真一に次ぐ史上3番目の記録となるだけに、ベテランの歴史的な復活劇に期待が高まる。

「今年は怒らない」 古川龍之介の新たなメンタルコントロール

画像: 3位タイの好スタートを魅せた古川(写真は東建ホームメイトカップ/姉崎正)

3位タイの好スタートを魅せた古川(写真は東建ホームメイトカップ/姉崎正)

中島邦宏と並び、7アンダー「65」で3位タイの好発進を切ったのが古川龍之介だ。硬くデッドに狙えないグリーンに対し、無理にピンを狙わず「上りの5mくらいでいい」と割り切ったマネジメントが奏功した。昨季は優勝を意識するあまり感情的になる場面があったが、オフに岡本史朗キャディと「今年は怒らない」と約束。「イラッとしても絶対に出さない」という新たなメンタルコントロールが、過酷なコンディション下での好スコアを生み出した。

男子ツアーのセッティングに苦しんだ青木瀬令奈

画像: 男子ツアーに挑戦する青木瀬令奈(写真はヤマハレディースオープン葛城/有原裕晶)

男子ツアーに挑戦する青木瀬令奈(写真はヤマハレディースオープン葛城/有原裕晶)

そして今大会でひと際大きな注目を集めているのが、青木瀬令奈だ。実は、過去の男子ツアートーナメントにおいて、各日のラウンドをアンダーパーで回った女子プレーヤーは一人もいなかったのだが、初日の青木は1アンダーの「71」(71位タイ)をマーク。女子選手としてツアー史上初のアンダパー達成という歴史的快挙を成し遂げた。

前半は自らの課題をクリアする好プレーを見せたが、雨風が強まった後半は縦距離のコントロールに苦しみ、「もったいないボギー」も重なって悔しさをにじませた。それでも、成田美寿々をキャディに据え、男子特有の速いプレーテンポに対応しながら、要点を絞って決断早く戦い抜いた。

同組で回り、5アンダー「67」の15位タイにつけた宮里は、青木のプレーを絶賛する。「彼女のスキルが男子ツアーで呼び覚まされたような感じ。最後までしっかりピンを攻めていて、僕らも勉強になった」と、その正確なショット力とマネジメント力を称えた。

雨が上がり天候の回復が見込まれる2日目以降、グリーンはさらに硬くなり、より高度なマネジメントが要求されるだろう。スウィング改造が実を結んだベテラン勢の逃げ切りか、若手の逆襲か。自然とコースが織りなす極限のサバイバルテストから、まだまだ目が離せない。

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