「フェアウェイキープ50%」をカバーする驚異の26パットとマネジメント
コルダの強さを最も雄弁に語るのは、今大会で記録した異次元のスタッツである。最終ラウンドの彼女は、フェアウェイキープ7回(14回中)、パーオン12回(18回中)、そして26パットという数字を残した。
一般的なプロの基準から見れば、フェアウェイキープ率50%は決して高い数字ではないが、コルダ自身、「ここはティーショットが本当にタイトで、両サイドにトラブルが待ち受けている」とコースの過酷さを語っている。しかし、フェアウェイを半分外しているにもかかわらずスコアを伸ばせたのは、トラブルを最小限に抑える的確なマネジメントと、外した際のリカバリー、そして何より「26パット」という驚異的なグリーン上のパフォーマンスがあったからだ。
さらに特筆すべきは、パー5のホールだけで4日間トータル13アンダーを稼ぎ出した勝負強さと、ミスの少なさだ。
彼女は初日の序盤以降、最終ラウンドの最終18番ホール(72ホール目)でボギーを叩くまで、なんと「60ホール連続ノーボギー」という驚異的なプレーを続けた。極めてタイトで両サイドにトラブル(マングローブのジャングル)が待ち受ける難関コースにおいて、この安定感はまさに驚異的である。
27歳で18勝到達。ナンシー・ロペス以来の歴史的快挙

2週連続優勝で通算18勝目を挙げたネリー・コルダ。26年シーズンは6戦3勝、2位3回(2位タイ含む)と圧倒的だ(写真/Getty Images、LPGA)
この優勝により、コルダは自身のキャリア通算18勝目に到達した。アメリカ人選手としてLPGAツアーで18勝以上を挙げたのは史上26人目となるが、彼女の達成年齢には特別な価値がある。27歳での18勝到達は、アメリカ人選手としては、1980年の「女子ケンパーオープン」で偉業を成し遂げた伝説のゴルファー、ナンシー・ロペス(当時23歳)に次ぐ若さでの大記録なのだ。
この歴史的なスタッツについて会見で問われたコルダは、「本当に素晴らしいこと。シェブロン選手権のチャンピオンズディナーでレジェンドたちの話を聞くのが1年で最も好きな日のひとつなのだけれど、その偉大なレジェンドたちの中に自分の名前が並ぶなんて、本当に大きな名誉だわ」と深い感慨を込めて語った。
女王の素顔「タコスはしばらく見たくないわ」
コース上では隙のないプレーで他を圧倒するコルダだが、会見では等身大の素顔を見せて会場の笑いを誘った。
唯一ボギーを叩いた18番ホールについて「最終ホールでゴルフの神様に少し謙虚にさせられたわ」と振り返ったコルダ。その後、「今週のあなたのベストショットは何でしたか?」と聞かれると、笑いながら「18番のボギーパットね」と即答している。60ホール連続ノーボギーが途切れた直後にもかかわらず、その状況すら笑い飛ばす女王のメンタルの余裕を示す最高のエピソードだ。
来年もこのメキシコの地に戻ってくるかと問われると、「もちろん。まるで楽園のようだったし、リゾートも食べ物も信じられないくらい素晴らしかった」と絶賛。しかし、すぐさまユーモアを交えてこう付け加えた。
「でも、タコスはもう十分に食べたわ。タコス疲れよ。少なくともあと2週間はタコスに触れたくないくらい、たくさん食べてしまったの」
過酷なメジャー大会の翌週でありながら、リラックスした雰囲気の中で最高の結果を出したネリー・コルダ。
「スポーツには浮き沈みがあるからこそ、こうした素晴らしい瞬間に感謝できる。最高にモチベーションの高いチームのみんなと一緒に戦えていることが何より嬉しい」
無敵の強さと親しみやすさを兼ね備えた絶対女王の時代は、まだまだ長く続きそうだ。
【リビエラマヤオープン 最終日・日本人選手成績】
※( )内はR1-R2-R3-R4のスコア
● 9位タイ(5アンダー): 原英莉花(68-72-75-68 = 283)
● 13位タイ(4アンダー): 勝みなみ(69-68-69-78 = 284)
● 20位タイ(3アンダー): 岩井明愛(72-74-69-70 = 285)
● 42位タイ(E): 櫻井心那(68-74-76-70 = 288)
● 59位タイ(4オーバー): 渋野日向子(76-70-72-74 = 292)
● 65位タイ(6オーバー): 西村優菜(71-75-76-72 = 294)
● 74位(10オーバー): 岩井千怜(75-71-73-79 = 298)
