総合力の高さでメジャー初制覇を遂げた河本結
春先とはいえフライヤーする長さのあったラフ、硬く速いグリーンというメジャーらしいセッティングになった茨城ゴルフ倶楽部西コース。河本選手は初日は9位タイ、2日目は5位タイ、強風の吹いた3日目は「76」でプレーし2位タイと順位を上げ、最終日は優勝争いの終盤にスコアを伸ばして見事に逆転でメジャーを初制覇しました。
大会中のスタッツを見ると、FWキープ率は37/56(66.07%)とそれほど高くはなかったものの、パーオン率は39/72(54.17%・全体3位タイ)と高いショット力が光りました。また2日目には6連続1パットでパーセーブするなど100Y以内のウェッジの技術、そしてピンに対して難しい場所に外さないマネジメントが冴えていたことを表しています。
ギリギリ予選通過から2位で終えた鈴木愛選手も含めて、心技体と経験値の差が出た試合ではなかったでしょうか。河本選手は「アンダーパーに戻すことを目標にプレーしていました」と周りの状況に左右されず高い集中力を最終ホールまで保ち続けていました。メジャーの優勝争いのプレッシャーをも味方につけたようなプレーは、残りのシーズンでも活躍を期待させる勝利となりました。
日常生活から培う「ブレない軸」が進化したストレート弾道を生む
フェードヒッターの河本選手ですが、弾道はほぼストレートに進化していました。そして、勝負がかかった18番のティーショット、17番の3打目では、58度のウェッジで軽いドローでベタピンに寄せていました。
スウィングのポイントは「とにかく軸、自分の中心を意識」していると優勝会見で話していました。そのために歩く姿勢、食事のときの姿勢まで意識していると言います。軸への意識は、打つ前の素振りのルーティンの雰囲気からも感じられます。
バランス良く立つアドレスの姿勢、軸ブレのないテークバック。体幹を緩ませないことで、前後左右の余計な重心移動がないことが見て取れます。

バランス良く立つアドレスから体幹を緩ませないテークバック
しっかりと体幹を使って巻き戻すように切り返すことでクラブをスウィングプレーンに乗せ、そこから骨盤を回転させクラブを加速させていきます。インパクトの画像では左足に力感が見えますが、左ひざを流さずにここでも軸を保つことで正確なインパクトを実現しています。

体の中心を意識することで軸をブレさせない
24年に取材した画像ですが、朝の練習で行っていた高くティーアップしたボールをアイアンで打つドリルは、今でも続けていると優勝会見で話していました。青木瀬令奈選手や他の選手も取り組むドリルですが、入射角やフェース向き、打点を揃えることに効果的。とにかく正確なインパクトが彼女の持ち味でもあります。

高くティーアップしたボールをアイアンで打つドリルは朝の練習ルーティン
そういった地味なドリルだけでなく、歩く姿勢、食事するときの姿勢など、日常生活からゴルフに向き合い準備する徹底ぶり。そのストイックさが河本選手の強さなのでしょう。
この公式戦での勝利で400Pを獲得し、ランキングは一気に5位へと躍進。目標に掲げる「年間女王」に向けて、佐久間朱莉、菅楓華、高橋彩華選手らと共にツアーを盛り上げる河本選手に期待しています。
写真/姉﨑正、大澤進二
