オハイオ州のマケテワ・カントリークラブで開催された米国女子ツアー「クローガー・クイーンシティ選手権」。イングランド出身の若き才能、ロッティ・ウォードが通算12アンダーで制し、ツアー2勝目を飾った。昨年の今頃はフロリダ州立大学でNCAA選手権の準備をしていた彼女が、わずか1年足らずで世界のトッププレーヤーが集う舞台で2つ目のタイトルを手にしたのである。いかにして彼女はトッププロへの階段を劇的なスピードで駆け上がったのか。

パク・ソンヒョンに次ぐスピード記録。19戦目で掴んだ「2勝目」

画像: 19戦目にして2勝目を挙げたロッティ・ウォード(写真/LPGA&Getty Images)

19戦目にして2勝目を挙げたロッティ・ウォード(写真/LPGA&Getty Images)

今回の優勝は、ウォードにとって、フルタイムメンバーとして出場したデビュー戦(2025年ISPS HANDA スコットランド女子オープン)での初勝利に続く、ツアー2勝目となった。デビュー戦での初優勝というだけでも十分にセンセーショナルだが、彼女の快進撃はそこで終わらなかった。

特筆すべきは、その異次元のスピードである。プロ転向後わずか19戦目での2勝目到達は、2017年のパク・ソンヒョン(16戦目)に次ぐ最速記録である。長年ツアーで戦っても1勝を挙げるのが困難な過酷な世界において、この記録は彼女のポテンシャルがいかに規格外であるかを雄弁に物語っている。

しかし、彼女自身は決してこの結果に浮かれているわけではない。実は前週の大会ではパットの不調で予選落ちを喫していたが、「グリップが真っすぐ入っていない」と原因を即座に突き止め、週末はひたすらパット練習に打ち込んで今週の優勝を掴み取った。

優勝会見で彼女は、「1勝目はあっという間に起きて実感する暇もありませんでした。ツアーの選手たちがいかに強いかを知った上での今回の2勝目のほうが、ずっと甘美です」と語り、プロとしての成長と喜びを口にした。

今大会には世界ランキング1位のネリー・コルダや2位のジーノ・ティティクル、殿堂入りしているリディア・コーらも出場しており、彼女は「トップ選手たち全員を打ち負かすことができたのは素晴らしいこと」と胸を張る。デビュー戦の勢いだけで勝った1勝目とは異なり、トッププロたちの高い壁を肌で感じ、それに打ち勝って手にした2勝目。その重みを知る彼女の言葉には、確かな自信と充実感が滲み出ていた。

勝負を決めた「17番のクラッチパット」

サンデーバックナインのハイライトは、終盤の17番(パー4)で見せたクラッチパットだった。本人が最終日で最も大きかったと語るバーディパットについて、「カップの上からの曲がるラインで、スピードも出ていて簡単ではなかったが、あれを入れて2打差のリード(クッション)を持てたのが本当に大きかった」と振り返っている。

【動画・約7分】ロッティ・ウォードが「クラッチパット」と話す17番バーディパットは06:10~、最終日ハイライト【LPGA公式YouTube】

画像1: Lottie Woad Highlights | 2026 Kroger Queen City Championship Round 4 www.youtube.com

Lottie Woad Highlights | 2026 Kroger Queen City Championship Round 4

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極限のプレッシャーがかかる場面で見せたこの勝負強さこそが、単なる勢いだけではない彼女の実力を証明している。

Qスクール免除! 人生を変えた「LEAP」制度

ウォードがこれほどの圧倒的なスピードでツアーの最前線に躍り出ることができた理由は、彼女自身の実力はもちろんのこと、LPGAが導入した「LPGAエリートアマチュアパスウェイ(LEAP)」制度の存在がある。

この制度は、傑出した成績を残したトップアマチュアに対し、予選会(Qスクール)を経ることなくプロツアーへの道を開くシステム。ウォードは、2025年7月のメジャー「アムンディ・エビアン選手権」でアマチュアながら3位タイという好成績を収め、この制度を利用してQスクール(予選会)を免除されツアーカードを獲得した初のアスリートである。

彼女自身も、この制度の恩恵を深く理解している。

「この制度がなければ今の私はないし、Qスクールに行っていればどうなっていたか分からない。すぐにツアーカードを取得できた機会にとても感謝している」

運や一発勝負に左右されやすいQスクールという不確実な壁を取り払い、真の実力を持つ若き才能をいち早く世界最高峰の舞台へと引き上げた「LEAP」制度。ウォードが19戦目でツアー2勝目を挙げたという事実は、まさにこの新制度が生み出した大成功モデルを証明するものとなった。

次なる目標と、強さの裏にあるキュートな「儀式」

アマチュアからプロへと瞬く間に転身し、あっという間にツアーを代表する顔の一人となったウォード。ツアーに定着した彼女の視線は、今年開催される欧米対抗戦「ソルハイムカップ」に向いている。

アメリカとヨーロッパの威信を懸けたこの熱狂的な団体戦は、すべてのプロゴルファーにとって憧れの舞台だ。今年はオランダで開催されるため、「ヨーロッパの観客を背にホームでデビューできれば特別だ。良いゴルフをしていれば自ずとチームに入れると自分に言い聞かせている」と語る彼女の瞳には、次なる明確なターゲットが映っている。

「LEAP」という新たなパスウェイを力強く駆け抜け、圧倒的な実力で自らの価値を証明し続ける若きスター。欧州代表のユニフォームを身にまとい、地元ヨーロッパの大歓声を背に受けてティーイングエリアに立つロッティ・ウォードの姿を見る日は、そう遠くないはずだ。

一方で、コース上での冷静沈着なプレーとは裏腹に、彼女には22歳らしいキュートな素顔もある。実はキャディのDTと「バーディを獲るたびにグミベアを食べる」という儀式を持っているのだ。「第3ラウンドは7つバーディを獲ったから7個食べたわ(笑)」と笑う無邪気な一面を知れば、誰もが彼女のさらなる飛躍を応援したくなることだろう。


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