
トップに立った前田光史朗・岡田晃平・木下稜介(左から順に)
3戦連続の首位発進!前田光史朗は「高望みしない」メンタルで悲願の初Vへ
1番スタートの前田光史朗(まえだ・こうしろう)は、出だしの1番(545ヤード・パー5)で残り235ヤードからのセカンドショットを7番ウッドでグリーン付近まで運び、そこからの残り15ヤードのアプローチ(第3打)を見事チップインさせて、鮮やかなイーグルを奪取した。その後、4番でバーディ、9番でボギーを叩き、2アンダーで後半へ。圧巻だったのは上がり3ホール。16番(171ヤード・パー3)で6メートルのスライスラインを沈めると、17番(426ヤード・パー4)では150ヤードから9番アイアンで5メートルにつけて連続バーディ。さらに最終18番(580ヤード・パー5)でも残り70ヤードから50センチにピタリと寄せてバーディを奪い、上がり3ホールの連続バーディを含む後半だけで5バーディの猛チャージを見せ、首位タイに立った。
前田にとって初日首位は3戦連続となる。しかし、過去2戦の反省から「先週と先々週は周りの伸ばし方を気にしすぎていた」と語り、今大会は「あまり意気込みすぎないというか、ある程度低い目標で3アンダーを」と自然体でプレーしたことが功を奏した。「今回は単独首位ではないので気負わずに」と冷静に前を見据え、悲願のツアー初優勝を狙う。
大先輩の金言を胸に躍動!岡田晃平が圧巻のイーグル&バーディラッシュ
プロ3年目の岡田晃平(おかだ・こうへい)は10番スタート。前半は3バーディ、2ボギーとし、「もったいないボギーだった」と悔やんだが、後半に一気にギアを上げる。1番と4番をバーディとすると、6番(573ヤード・パー5)では残り270ヤードから3番ウッドで3メートルにつけてイーグルを奪う。勢いそのままに8番(201ヤード・パー3)では右カラーから20ヤードを60度のウェッジでチップインさせ、9番でもバーディを奪うなど、圧巻のプレーを披露した。
好調の裏には、前日に谷口徹から受けたパットのアドバイスと、「常に勝ち気で行っている」という勝負師の姿勢を学んだことが大きい。この教えに発奮した岡田は「朝起きてから、『今日やるぞ』というふうに、勝つ気持ちで行った」と、メンタル面の変化が好スコアを生み出したと語る。同世代(杉浦悠太や下家秀琉)の活躍にも刺激を受けており、「スコアより勝つ気持ちを持って」とメジャー制覇へ強い闘志を燃やしている。
メジャーの重みを知る木下稜介。奇跡の復活を遂げた竹山らも首位に並ぶ
一方の木下稜介(きのした・りょうすけ)は、大ベテランの宮本勝昌や若き実力者の蟬川泰果と同組で回るなか、7バーディ・ノーボギーの完璧なラウンドを見せた。タフなグリーンに対し、「雨が降ってくれたおかげでグリーンも比較的ソフトになりましたし、スピードも練習ラウンドよりは遅く、タッチも合わせやすかったです」と冷静に分析。「傾斜が強い分、ピンの手前からっていう攻め方で、今日は上手くはまりました」と確かな手応えを口にした。
また、今大会に向けては大きなモチベーションもある。先々週の「中日クラウンズ」で、親交の深い堀川未来夢が4年ぶりの復活優勝を飾っており、仲の良い盟友の歓喜の姿に大いに刺激を受けている。自身のツアー初優勝もメジャー大会だった木下は、大舞台のプレッシャーを誰よりも理解しているからこそ、「気合を入れすぎても空回りするのが僕の悪いところなんで。あえて平常心というか、素の試合と変わらず挑んでます」とベテランらしい落ち着きを崩さない。

そして竹山昴成(左)と小木曽喬(右)も。この5名が並んでいる。さすがはメジャー、初日から大混戦だ
彼らと並びトップに立った竹山昴成(たけやま・こうせい)の存在も光る。2024年に脳梗塞を発症して緊急手術を受けながらも、驚異的な回復力でツアー復帰を果たした不屈の男だ。この日の悪天候についても「雨が得意というか好きで、一個一個こなすことで普段焦ったりする部分で落ち着けるところが好き」と歓迎し、7バーディ・ノーボギーをマーク。「一昨年の日本プロで6位に入っているので相性がいい大会」と自信をのぞかせ、「自分の決めた目標を一日一日こなしていけばいい結果になる」と着実に歩みを進める。さらにツアー通算2勝を誇る実力者・小木曽喬(おぎそ・たかし)も7アンダーで首位タイに名を連ね、確かな存在感を示している。
初日から5人がトップに並ぶ大混戦となった伝統のメジャー大会。今年の大舞台を制するのは誰なのか。激闘の予感に私たちゴルフファンの胸は高鳴るばかりだ。
なお、今大会に優勝すると国内キャリアグランドスラムを達成するショーン・ノリス、小平智、蟬川泰果だが、ノリスが3アンダーの21位タイ、小平は2アンダーの38位タイとまずまずの立ち上がりを見せたのに対し、蟬川は2オーバーの100位タイと大きく出遅れた。

