
ツアー2勝目を飾った入谷響(撮影/大澤進二)
吉田鈴の追撃を振り切る

ウィニングパットを決めて万歳する入谷響(撮影/大澤進二)
気迫で負の流れを断ち切った。
最終18番パー5のティーイングエリア。入谷はドライバーを抜くと、よどみないスウィングでボールを打ち抜き、フェアウェイへ運んだ。
「会心と言われたらどうかと思うけど、自分のなかではいい感じで振り切れたかなと」
直前の17番パー3では冷や汗をかいた。第1打を右に曲げて木に当たり、ボールは前方の木が邪魔になるラフのなかへ。その木の左を通した第2打はグリーンに届かず、手前ラフから3打目アプローチは3メートルショート。ボギーパットもカップの右を抜け、痛恨のダブルボギーを叩いた。この時点で1組前の吉田鈴との差はわずか1打。つかみかけた優勝がその手からするりと逃げていきそうな状況に追い込まれた。18番のティーショットはその苦境を打開する1打だった。
「17番でダボを打ってしまったときは、もうちょっと精神的にやばかったんですけど、18番の最後のティーショットで(フェアウェイに打てて)決め切れたので、もう大丈夫だなって思って終えることができました。今後にもつながるんじゃないかと思います」
18番は3打目でグリーンをとらえ、手前から4メートルのバーディパットこそ決まらなかったが、5センチのウィニングパットを沈めて優勝を決めた。優勝決定の直後は両手を突き上げて万歳をして喜びを表現した。
「初優勝のときは練習から緊張していたんですけど、今日はその経験もあって、だいぶ落ち着いた感じで、何があっても笑顔でいようと思いながらやれていた。初優勝に比べたらしっかり毎ホールやっていけたので、そこがよかったと思います」
袖ヶ浦CCの2コースで2勝!

飛ばし屋の入谷(撮影/大澤進二)
初優勝のコースが袖ヶ浦CC新袖Cで今回は袖ヶ浦CC袖ヶ浦C。同じ系列のコースでの初優勝と2勝目を挙げたことになる。
「コース自体は似ています。フェアウェイは狭くてグリーンは小さいイメージ。ニチレイの新袖で優勝して、いい印象が残っていた。それが結果につながったと思います」
昨年のCATレディスは最終日途中でトップに立ちながら、13番から6オーバーを叩いてV逸。今大会はその苦い経験も糧とした。
「最終日にOBを打って精神的にダメージを受けましたし、自信もなくしたので、そこからは不安要素がありながらのゴルフになってしまって、初日にいいスコアを出しても(2日目からは)どうなるんだろうなと不安があったりしたんです。今日も少なからずあったけど、今日は自分のなかでは結構落ち着いてできたほうだと思います」
何があっても笑顔でプレーするという考えは自分で決めた。
「ネットを見ても、笑顔の人のほうが明るいな、いい印象が残ると思いましたし、笑っていないと自分を下げちゃうと、精神的にも緊張しているような、焦っている感じになってしまうと思ったので、笑っていようと思いました」
今大会の優勝でメルセデス・ランキングは565.35で8位へ急浮上し、前週の19位からジャンプアップとなった。トップの佐久間朱莉とはまだ約450ポイント差があるが、まだ3分の2以上も試合が残っていることを考慮すれば、初の年間女王戴冠も夢ではない。さらに米ツアー挑戦の青写真も現実味を帯びてくる。
「初優勝より2勝目が難しいと聞くので、今このタイミングで優勝できたのはすごいほっとしています。(今季は)3勝は絶対挙げたいと思っている。今日優勝できたことで少しはその(米ツアー)兆しが見えてきたんじゃないかな。挑戦してもいいのかなと少しずつ思えてきました」
入谷は国内で優勝を積み重ねて、世界へ羽ばたく機をうかがう。