全国から問い合わせが殺到するという、知る人ぞ知る人気ショップ「ゴルフステージ成城」。クラブナビゲーター・吉田朋広氏が注目ギアを徹底解説する本企画。今回はグラファイトデザイン社の「RAUNE(ラウネ)」シリーズを検証する。

グラファイトデザイン社の新しいブランドとして2022年の春に発売された「RAUNE」。

開発のきっかけは、「体への負担が少ないカーボンを使いたいが、TOUR ADは重くなると硬さを感じてしまう。長年愛用しているスチールシャフトのような感覚で振れるカーボンが欲しい」というプロゴルファーからの声だったと言われています。こうして生まれた既存のカーボンとは一線を画すRAUNE IRONは、リクエストしたプロはもちろん、アマチュアのアスリートゴルファーからも多くの支持を集め、発売以来高い人気を誇っています。

画像: RAUNE

RAUNE

艶のあるブラックを基調に、ブランドエンブレムがワンポイントで配されたシンプルな外観です。ちなみに「RAUNE」の語源は「狙う」です。ローマ字の「NERAU」を反転させたネーミングには、「ターゲットを正確に射抜くためのシャフト」という意味が込められています。

シャフト重量は「i60」「i75」「i90」「i105」の4つのバリエーション。フレックスは「i60」「i75」「i90」にはRとS、「i105」にはSとXが用意されています。

画像: RAUNE IRON

RAUNE IRON

特徴的なのは、番手ごとにカーボンの積層パターンを変えている点です。ロング・ミドルアイアンはハイバランス設計で振り抜き感を向上させ、中間から先のしなり戻りでボールの打ち出しを高くします。一方、ショートアイアンは手元側のしなりを感じつつ先端の動きを抑え、コントロール性能を高める設計になっています。

今回は、シリーズの中でも特に人気の高い「i90」と「i75」を中心に検証していきます。

「i90」7番アイアン用 

まずは「i90」から検証していきたいと思います

R/93グラム/トルク3.1/中調子/振動数280CPM
S/94グラム/トルク3.1/中調子/振動数300CPM

約40%の販売比率を誇る一番人気の重量帯です。まずはSフレックスから打ってみます。90グラム台のカーボンらしい重厚感がありながらも、確かなしなやかさを感じられます。

一般的に重量級のカーボンは引き締まった硬さを感じやすいものですが、このi90 Sはダウンスウィングの切り返し時からスムーズにしなり、非常にスウィングしやすいのが特徴です。

7番アイアンでも弾道は高く、バックスピンもしっかりとかかるため、上からグリーンを狙うイメージが湧きます。左への巻き込みも少なく、アイアンに不可欠な方向安定性の高さが際立ちます。

画像: 「RAUNE i90S」の吉田氏の評価

「RAUNE i90S」の吉田氏の評価

このマイルドな打感は、素材へのこだわりに理由があります。深層部に高弾性シート、外層部に振動伝達が穏やかな低弾性ピッチ系カーボンを採用することで、全体の剛性を抑えつつ柔らかいフィーリングを演出しているのです。

一方のRフレックスは、切り返し時に手元側が大きくしなるため、パワーがなくても理想的なタメを作れます。Sフレックスに比べて各セクションの剛性感が下がり、よりスムーズなしなりとボールのつかまりを実感できるでしょう。しっかりと高さが出る上に、インパクトで先端が過度に動きすぎる頼りなさもありません。

i90のフレックス選びにおいて、ヘッドスピードの数値はそれほど気にする必要はありません。データ分析も大切ですが、最終的には切り返しとインパクトのイメージが自分の感覚に最も合うものを選ぶのが正解です。

「i75」7番アイアン用

続いて「i75」です。

R/75グラム/トルク 3.2/中調子/振動数 263CPM
S/76グラム/トルク 3.2/中調子/振動数 287 CPM

シリーズで約30%の販売比率を誇るモデルです。Sフレックスは、手元部分にしっかりとしたハリ感があるのが特徴。切り返しのタイミングが合えば、中間から先端にかけてが気持ち良く走ります。インパクト時の剛性感もしっかりしているため、打ち込んでいくタイプのゴルファーでも物足りなさを感じることはないでしょう。i90と同様、高弾道と適正なスピンでピンを狙っていけます。

画像: 「RAUNE i75S」の吉田氏の評価

「RAUNE i75S」の吉田氏の評価

対するRフレックスは、とにかくしなやかな印象です。切り返しに大きなパワーを必要とせず、ボールがつかまり過ぎることもなく高い弾道を描けます。

画像: 「i75」7番アイアン用

このi75は、軽量スチールからカーボンへの移行を考えているシニアアスリートに特におすすめしたい一本です。スッキリとした硬さのSと、しなやかな粘りのR。こちらもヘッドスピードではなく、求めるスウィングイメージで選んでみてください。

「i60」7番アイアン用

R/63グラム/トルク4.1/中調子/振動数 252CPM 
S/63グラム/トルク4.1/中調子/振動数 268CPM

一言で表現するなら、i75をそのまま軽量化したイメージです。積層が減る分だけ剛性感は抑えられ、中調子らしいクセのないしなりがより顕著になります。

ややしっかりとしたSフレックスと、滑らかでマイルドなRフレックス。クラブメーカーの純正カーボンに物足りなさを感じている方におすすめです。弾道と方向の安定性が確実にアップするはずです。

「i105」7番アイアン用

S/112グラム/トルク2.9/中調子/振動数308CPM
X/113グラム/トルク2.9/中調子/振動数334CPM

重量級スチールユーザーに人気のモデルで、Sフレックスはアフターマーケット全体の販売数量の10%強を占めています。120~130グラムのスチールを使用するゴルファーに向けて設計されており、110グラムオーバーのカーボンでありながら粘りを感じられるのが特徴です。

手元部分は硬めですが切り返しのタイミングは取りやすく、先端のしっかりとした剛性感はダウンブローのインパクトにも力強く応えてくれます。

画像: RAUNEi105

RAUNEi105

常に100%のフルショットを打つわけではないアイアンにおいて、コントロールショット時のシャフト挙動の安定感は見逃せません。飛距離の打ち分けがしやすく、イメージ通りの弾道を描くことができます。

Xフレックスは、手元部分から強い剛性感を感じるハードスペックです。Sフレックスに比べて振動数も30cpm近く上がり、ハードなインパクトのエネルギーをダイレクトにボールへ伝えていける気持ち良さがあります。 ただし、オーバースペックになると切り返しのタイミングがズレて縦の距離が揃わず、左右のブレにも繋がります。ハードヒッターが求める粘りも備えていますが、検討される際は必ず試打を行い、自分のコースマネジメントの感覚と合致するかどうかを確かめることをおすすめします。

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