国内女子ツアー第11戦の「ブリヂストンレディスオープン」で、今季初優勝(ツアー通算2勝目)を飾った入谷響。悪天候の影響で3日間競技となるも飛距離を武器に2日目に首位に立ち、最終日を逃げ切ったスウィングをプロゴルファー・中村修が解説する。

新旧袖ヶ浦カンツリークラブを制した唯一の選手

画像: 今季、パターに関するスタッツが格段に上がった入谷響(撮影/大澤進二)

今季、パターに関するスタッツが格段に上がった入谷響(撮影/大澤進二)

約1年前の「ニチレイレディス」(袖ヶ浦CC新袖C)で初優勝を飾り、今大会「ブリヂストンレディスオープン」(袖ヶ浦CC袖ヶ浦C)で2勝目を挙げたことで、袖ヶ浦カンツリークラブの新旧のコースで勝利した初の選手となりました。袖ヶ浦コースは過去に国内男子ツアーの「ブリヂストンオープン」が開催されたコースで、グリーンはベントの2グリーン。そのため1グリーンほどの大きさはありません。グリーンは硬く速く仕上げられていたため、ラフからのショットでボールを止めることは困難でした。さらに、ラフの芝も立っていてボールが沈みやすかったことも、難易度を上げる要因となっていました。

セッティングを担当した茂木宏美プロは、「選手のレベルアップのためにも、練習日からグリーンを硬く速く仕上げていただけるようにお願いしていました」と話していて、選手たちは練習日からFWキープと硬く速いグリーンへの対応の仕方を入念にチェックしていました。

入谷選手の今季のスタッツを見ると大きく改善したのはパット数。昨季のパーオンホールの平均パット数は1.8185打で42位、1ラウンドあたりの平均パット数は30.0455打で61位でした。今季はそれぞれ8位(1.7985打)と6位(28.7500打)へ上がり、大きく改善されています。パターの形状をブレードタイプからテーラーメイドの「スパイダーX」にチェンジしたことも、この改善につながったのでしょう。

画像: さらにシャフトを「24 ベンタス ブルー」に変更(撮影/大澤進二)

さらにシャフトを「24 ベンタス ブルー」に変更(撮影/大澤進二)

さらにドライバーのシャフトをフジクラの「24 ベンタス レッド」から同じく「24 ベンタス ブルー」へと変更したこともドライバーの安定にひと役買ったようです。フジクラシャフトのツアー担当・近藤誠親さんは「オフに『24 ベンタス レッド』をテストして開幕から使用していましたが、気候が暖かくなり振れてきたことから、前週に『24 ベンタス ブルー』に変更しました。長さを0.25インチ短くして45.5インチで組むと、スピン量も2700rpmくらいに落ち着き、スピン軸の傾きも少なくなって安定していました」と教えてくれました。

入谷選手のドライバーの入射角はアッパー軌道に入らずほぼレベルです。そのためスピン量が多くなりやすい傾向にありました。そこで、先端のトルクを締め、大型ヘッドの打点のズレにも強くスピン量を減らしパワーロスしにくいという特徴を持つベンタスシリーズの先中調子(レッド)を使用していました。その後、中元調子のブルーへと変更したことで、スピン量も曲がりの幅も減ったようです。アイアンも番手によって2種類のモデルを使い分けており、シャフトも日本シャフトの異なるモデルを装着しているといいますから、クラブメーカーだけでなくツアーに帯同するシャフトメーカーのサポートの役割も大きいと改めて感じます。

手元を遠くに下ろすからレベルに振れる

左手をややウィーク気味に握り、肩幅がすっぽりと入る広めのスタンスで構えます。スタンス幅が広くなると左右への動きが大きくなりがちですが、入谷選手は上半身を右に傾けず、手元を遠くにワイドに上げながら骨盤の幅の中でしっかりと重心を移動しています。

画像: スタンスを広くどっしりと構える。重心移動は少なく骨盤の幅の中で収める(撮影/姉﨑正 ※スウィング写真は24ベンタス レッド使用時のもの。シャフト変更後も基本的な動きに変わりはありません)

スタンスを広くどっしりと構える。重心移動は少なく骨盤の幅の中で収める(撮影/姉﨑正 ※スウィング写真は24ベンタス レッド使用時のもの。シャフト変更後も基本的な動きに変わりはありません)

そして切り返し以降、ダウンスウィングで手元を遠くに下ろし、上半身と下半身の捻転差が大きい点が入谷選手の特徴です。手元を遠くに下ろすと体を支点にした半径が大きくなります。手首をもう一つの支点にすることでクラブヘッドは勢いよく加速し、ヘッドスピードが上がって大きな飛距離へとつながります。また、半径が大きくなると入射角はレベルに近いインパクトとなるので、ドライバーではある程度のスピン量を確保し、アイアンショットでは硬いグリーンでも止められる高弾道を実現できています。まるで松山英樹選手のインパクトを見ているようですね。

画像: 切り返しで下半身を踏み込んで、手元が遠く緩やかな入射角でボールをとらえる(撮影/姉﨑正 ※写真は24ベンタス レッド使用時)

切り返しで下半身を踏み込んで、手元が遠く緩やかな入射角でボールをとらえる(撮影/姉﨑正 ※写真は24ベンタス レッド使用時)

上半身が早い段階で開いてしまうと手元を遠くに下ろせなくなりますので、胸を右に向けたまま下半身を切り返す(踏み込む)意識が大切です。この動作は地面反力を使うコツ。切り返しで地面を踏み込むことで、切り返し以降の回転力や縦の力へとつながっていきます。

ツアーの序盤で勝利したことで複数回優勝の期待も高まります。同年代の菅楓華、荒木優奈選手らと共にツアーを牽引する存在として活躍することでしょう。

画像: 優勝が決まると、同年代の女子プロたちが祝福!(撮影/大澤進二)

優勝が決まると、同年代の女子プロたちが祝福!(撮影/大澤進二)


This article is a sponsored article by
''.