10番ホールからスタートした石渡和輝は、まさに神懸かり的なスタートダッシュを見せた。10番、12番、13番、14番、15番と、出だしの6ホールで5つのバーディを奪取したのだ。「そのうち2つがチップインで入って」と本人が振り返るように、運も味方につけた圧倒的なプレーだった。後半は風向きが変わり、「何回か読みを外したりもした」と言うが、絶妙なアプローチでカバーし、ノーボギーでフィニッシュした。
この快進撃の背景には、コースとの抜群の相性がある。過去に3回出場して一度も予選落ちがない石渡は、「嫌だなというホールが少ない印象なので、ストレスもないし、向いている」と絶対の自信を持つ。2016年の本大会では初日トップで最終日最終組(当時は2日間競技)を経験しており、「思い出ある試合なので嬉しい」と笑顔を見せた。
一方、アウトコースの1番ホールからスタートした増田将光も、石渡に負けず劣らずの爆発力を見せつけた。スタートの1番ホール(パー5)で、いきなり見事なイーグルを奪取し、一気に波に乗ったのである。
出だしのビッグプレーで得た勢いとアドバンテージを、増田は最後まで手放さなかった。その後も4番、6番、7番でバーディを重ねて前半を折り返すと、後半も10番と13番でスコアを伸ばした。特筆すべきは、初日のラウンドを通じてボギーを一つも叩かなかったことだ。
イーグルという派手なプレーでスタートしながらも、決して大味になることなく、緻密で隙のないマネジメントで難関コースを攻略しきった。計1イーグル、5バーディというスコアは、彼の高い攻撃力と安定感の両方を物語っている。

相性のいいコースでのびのびとプレーする石渡和輝(左)とスタートホールのイーグル奪取で波に乗った増田将光(右)。この2人に笠原瑛の3人が7アンダーの首位スタートを切った
初日を終えてトップに立った3人は、三者三様の強みを見せつけた。コースとの完璧な相性を誇りチップインでスコアを作った石渡、イーグル発進で流れを掴んだ増田、そしてパットの勝負強さとライバル心で燃える笠原。
「明日はここまでは期待していないですが、相性を信じて。こつこつと頑張っていきたい」と語る石渡をはじめ、この首位タイ陣が残り2日間でどのようなデッドヒートを繰り広げるのか。見どころの尽きないトーナメントとなりそうだ。
写真/JGTO提供
