国内女子ツアー第12戦「リゾートトラスト レディス」で今季2勝目(通算6勝目)を飾った河本結。正規の17番、18番、そして吉澤柚月とのプレーオフ2ホールの計4ホールで、連続バーディを奪って勝ち切った河本。そのスウィングをプロゴルファーの中村修が解説する。

会場となった「グランディ那須白河ゴルフクラブ」は男子ツアーも開催されるコースで、洋芝のフェアウェイ、そして傾斜によって面に分かれたグリーンと戦略性のあるコースです。翌週の「全米女子オープン」に向けてすでに渡米した鈴木愛、小祝さくら、菅楓華選手らと、今大会に出場して最終調整を図る河本結、佐久間朱莉、荒木優奈、神谷そら選手らに分かれるフィールドとなりました。最終的に上位陣には「全米女子オープン」出場組が顔を揃えており、各選手とも大舞台へ向けて弾みをつけて渡米したことでしょう。

河本選手は、国内メジャー初戦の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」制覇へとつながったオフからの取り組みである「ドローボールも打てるショットの精度」と、持ち前のアプローチやパッティングの精度を、今大会の優勝争いのなかでも存分に発揮しました。一方で、プレーオフで惜しくも敗れた吉澤柚月選手も、デビュー以来苦しいシーズンを送っていましたが、確実に成長を遂げており、近い将来に優勝する姿を見せてくれそうです。

ゴルフ脳の高さと再現性が河本結の強み

数ある選択肢の中から最適な番手や打ち方を選び、ピンに寄せるアプローチの技術は、自身がSNSで配信するレッスン動画でも確認できます。打ち方のポイントをわかりやすく伝える言葉のチョイスは、感覚だけでなく頭でもしっかりと理解して言語化できる「ゴルフ脳の高さ」を表しています。

画像: 数ある選択肢の中から最適な番手と打ち方を選びピンに寄せる高いショートゲーム

数ある選択肢の中から最適な番手と打ち方を選びピンに寄せる高いショートゲーム

正規の18番(パー5)の2打目では、左足下がりかつ、つま先下がりのライからグリーン右へとミスをしました。しかし、2度のプレーオフではティーショットをほぼ同じ位置に運びながらも、2打目で同じミスを繰り返さずにグリーン方向へと正確に飛ばしました。この修正力こそ、現在の河本選手の強さを表しているように思います。

つま先からかかとまで両足裏を地面から浮かさないテークバック

やや高く構えたアドレスから、頭の高さを変えずにテークバックしています。つま先からかかとまで、両足の裏が地面から離れていないのは重心をキープしている証拠です。「サロンパスカップ」の優勝会見で「軸を意識している」と話していた通り、軸(体の重心)をキープすることで、ブレる要因の少ないスウィングを身に付けていると言えます。

画像: やや高く構えつま先からかかとまで両足裏を地面から離さずテークバックする

やや高く構えつま先からかかとまで両足裏を地面から離さずテークバックする

切り返しで地面を踏み込んでから骨盤をターンさせることで上半身と下半身の捻転差を作り、過度なカット軌道を防いでいます。スウィングの再現性の高さは、テンポやタイミングがずれないことと同義ですが、河本選手の強さは、プレッシャーのかかる優勝争いのなかでも、距離に合わせた力感とタイミングが決してずれないことにあります。

画像: 切り返しで地面を踏み込んでから回転が入ることで上半身と下半身の捻転差を作りカット軌道を防ぐ

切り返しで地面を踏み込んでから回転が入ることで上半身と下半身の捻転差を作りカット軌道を防ぐ

軸をキープしているため左右の重心移動は少ないものの、地面を踏み込む力と骨盤をターンさせる力をしっかりと使うことで、十分な飛距離も生み出しているのです。

洋芝のフェアウェイで結果を残したことで、「全米女子オープン」への準備も整いました。心技体を磨き上げてきた河本選手がどんなプレーを見せてくれるのか、非常に楽しみです。

写真/大澤進二


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