「開催調整中」から無念の中止へ
「フジサンケイクラシック」といえば、1973年に産声を上げ、半世紀以上にわたって日本のゴルフシーンを彩ってきた伝統のビッグトーナメントだ。近年は山梨県の富士桜カントリー倶楽部を舞台に、距離の長いモンスターコースと深いラフが選手たちを苦しめ、数々の名勝負や劇的なドラマを生み出してきた。ファンにとっては、秋の訪れを感じさせる欠かせない“風物詩”である。
昨年末に行われた2026年ツアートーナメントのスケジュール発表の際、同大会は「開催調整中」という扱いになっており、関係者やファンの間でもその動向が案じられていた。しかし今回のJGTOの発表により、「本年度の開催を見送る旨の連絡が主催者よりございました」と明かされ、懸念されていた事態が無念にも現実のものとなってしまった。
改革の途上にある男子ツアー。来年の復活を信じたい
今年3月、JGTOは投資ファンドNSSK(日本産業推進機構)とタッグを組む新組織の設立を発表し、「トーナメント数と賞金総額の拡大」に向けた大改革へと舵を切ったばかりだった。ツアー全体が新たなビジネスモデルの構築とリブランディングへと向かうポジティブな機運の中で、ツアー屈指の歴史とブランド力を持つこの大会がカレンダーから抜け落ちることは、戦う場を求める選手たちにとってはもちろん、長年のツアーファンにとっても大きな痛手と言わざるを得ない。

25年はロピアが特別協賛として参画し実施された「ロピアフジサンケイクラシック」。長野泰雅の完全優勝による初Vだった
JGTOはリリースの中で、「弊機構といたしましても、開催中止は非常に残念ではございますが、来年度の開催実現に向け、引き続き主催者との調整に尽力してまいる所存です」とコメントしている。
ジャンボ尾崎の劇的勝利、石川遼の連覇、松山英樹のプレーオフでの優勝……。数々の記憶が刻まれた名物大会の熱狂が、今年は味わえない。ぽっかりと空いてしまったカレンダーを眺めながら、今はただ、来シーズンの力強い復活を強く願うばかりだ。
写真/姉崎正
