茂木宏美が語る優勝の鍵。難関17番と攻守のジャッジ
「かなりタフな戦いになる」
茂木は、週末にかけて予想される雨や風の影響を見据えて、そう断言した。勝負の行方を大きく左右するのは、シビアな改修を経て生まれた難関17番ホール(421ヤード・パー4)。グリーン右側が一段高く、奥には深い窪みが待ち受けている。
緻密な罠が張り巡らされたこのコースにおいて、“中途半端な”攻めは絶対に命取りだ。だからこそ、今は果敢にピンを狙うべきか、それともここは耐えて引くべきか、その一打に魂を込めた「攻守のメリハリ」が求められる。刻々と変わる過酷な状況下でも、決してブレることなく冷静なジャッジを下し切る「タフさ」を持つ者だけが、最後に笑うのだ。
米国参戦中の櫻井と初V狙う吉﨑。世界を見据える若き才能

【左】櫻井心那と【右】吉﨑マーナ
そんな難コースに挑む注目の若手が、米国ツアーから一時帰国した櫻井心那と、先週の「ニチレイレディス」で2位タイに入り急浮上したルーキーの吉﨑マーナである。
彼女たちの胸の奥底にある共通点、それは「海外ツアー参戦」への情熱だ。櫻井は現在進行形で世界最高峰の舞台で死闘を繰り広げており、吉﨑も「2年以内にアメリカへ行く」と強い決意をみなぎらせている。世界基準の過酷さを知る、あるいはそこを目指す高い視座こそが、茂木の指摘する「タフさ」を極限まで研ぎ澄ます原動力となるかもしれない。
慣れない生活に加えアメリカの容赦ないセッティングに揉まれ苦しみながらも、「ここ3試合は成長に集中できた。ポジティブでいられた」と、メンタル面での成長が伺える櫻井は、海外生活で培った的確な状況判断と持ち前の豪快なショットで難コースをねじ伏せにかかる。
一方で、プロテスト合格後のどん底の不調からパッティングを武器に這い上がり、あと一歩のところで逃した初優勝を「ここまでの期間、ゴルフを好きじゃない自分がいた。すごく悔しかった。でも学べることも多かった」と真摯に受け止める吉﨑は、本来の強気なプレースタイルの勢いそのままに、目の前の一打にすべてを懸ける覚悟だ。
海外という大きな目標を見据え、極限のプレッシャーの中で果敢に突き進む櫻井と吉﨑。彼女たちは、茂木の用意した最高難度のコースをどのように攻略し、どんなメンタルで乗り越えていくのか。真の強者が決まる、4日間が幕を開ける。(文/川野真美)
