
2つのチップイン含む8バーディ3ボギーで、首位タイに立った阿部未悠(写真は26年ヨネックスレディス、撮影/有原裕晶)
瞬間で変わる風向きの恐怖!阿部を襲った気まぐれな強風
インコースから出た阿部は、序盤は我慢のゴルフを強いられた。
「雨も降ってきて、グリーンの状態がどうなっていくのか探り探りだった」と語ったように、11番(413ヤード・パー4)ではグリーンスピードを読み切れずボギーを叩いた。さらに彼女を苦しめたのは、瞬間瞬間で変わる風向きの怖さだ。特に9番(189ヤード・パー3)での一打が怖かったと話す。
「風にやられました。フォローの風だと思っていたのですが、打った瞬間はフォローではなくなっていて、ボールが止まったんです。『やばっ』て。池に落ちると思ってヒヤッとしました」
傾斜を超えたところに落ちたからよかったものの、15cm手前だったら池。肝を冷やす瞬間だった。
この気まぐれな風に翻弄されたのは阿部だけではない。初日を通算2アンダーの6位タイで終えたパク・ヒョンギョンは、2番(324ヤード・パー4)のセカンドショットを「向かい風かと思ったら、自分が打つ時には弱まっていた」と振り返った。
冷静な判断力があったとて、自然の気まぐれによって思わぬミスが生じてしまう。選手たちはそんな不憫でシビアな状況に直面していたのだ。
強風で光るメリハリ戦略!阿部未悠、怒涛の上がり3連続バーディ
想像以上に難しいコンディションとなった初日。そのなかで見せた阿部の上がり3ホールの巻き返しは圧巻だった。
7番(331ヤード・パー4)、9番(189ヤード・パー3)で見事なチップインを決めたほか、間の8番(520ヤード・パー5)ではサードショットがディボット跡に入る不運に見舞われながらもロングパットを沈めて、怒涛の3連続バーディを奪取したのだ。
「どうしてもボギーが来がちな距離の長いところは耐えて、伸ばしたいところで伸ばせていた」と語るように、自然な流れで生まれた「メリハリ」が好スコアに直結した。
2日目以降も暴風雨などさらなる悪天候が予想されるが、「自分の置かれた状況でどれだけ戦えるか。やることは変わらない」と力強く語った阿部。彼女の言葉通り、目まぐるしく変わる気象条件に対応できる冷静さ、そして柔軟さといった“在り方”が、残り3日間での躍進につながるかもしれない。(文/川野真美)
